SSブログ

スヌーピーのクリスマス [映画]

charlie-brown_151225.jpg

スヌーピーの古いアニメに《スヌーピーのメリークリスマス》という作品があります。
チャーリー・ブラウンたちはクリスマスに劇をすることになって、そしてチャーリーはクリスマスツリーを買いに行きます。ルーシーはピンクの派手な金属製のを買って来いというのですが (今、記憶だけで書いているので違っているかもしれませんが、大体そんなオーダーです。でも、そもそもそんなツリーってあるんでしょうか?)、チャーリーはごく素朴な、見ようによっては貧弱な普通のツリーを買ってきて、ルーシーを含めたみんなにバカにされます。
でもライナスは、そんなに悪いツリーじゃないよとチャーリーを慰めます。そして舞台に立って、ライトをくれ、と言い、スポットの中でクリスマスの物語を静かに語ります。みんなはライナスの言葉によって目覚め、そのツリーを飾り付けるとそれは立派なクリスマスツリーに変身します。

クリスマスが商業的に毒されていることに対して、クリスマスとは本当は何なのかということをライナスの言葉は示しています。単純にキリスト教的な conscience の発露という評価だけでは片付けられない何かがあります。
それはクリスマスだけでなく、たとえばハロウィーンの大騒ぎにも共通する、ただ騒ぎたいことに対する柔らかな警句でもあります。

スヌーピーはまだ昔のスタイルのスヌーピーで、この作品の中ではほとんど添え物的なキャラクターでしかありません。でもピーナッツの仲間たちが大勢出演していて、クリスマスのほのぼのとした雰囲気に満ちています。

ライナスの言葉に触発されて思い出したのはアルノルト・シェーンベルクの曲でした。前ブログに書きましたが、ブーレーズが次第に否定してしまった作曲家である新ヴィーン楽派の総帥シェーンベルクの《Friede auf Erden》のことを (シェーンベルクもアンドレ・ブルトンも、総帥と呼ばれる人たちは常に否定される立場にあります)。
地には平和を。それは宗教というくくりを離れた、もっと普遍的で素朴な願いなのだと思います。


ビル・メレンデス/スヌーピーのメリークリスマス (ワーナー・ホーム・ビデオ)
スヌーピーのメリークリスマス 特別版 [DVD]




スヌーピーのメリークリスマス
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1975002
nice!(45)  コメント(12)  トラックバック(0) 

nice! 45

コメント 12

般若坊

メリー・クリスマス! ☆~ ^^
by 般若坊 (2015-12-25 07:42) 

Rchoose19

メリークリスマス!
ちょっと早いですけど、良いお年をお迎えください。
by Rchoose19 (2015-12-25 08:42) 

sig

メリー・クリスマス! スヌーピーにもメリー・クリスマス!
Win10にしてからアバターが表示されなくなりました。niceやコメントを入れるのも一苦労です。ブロガーさんによっては「URL入力必須」の表示が出ることがあるんですよ。 でも、フリーズばかりでどうにも我慢できなかったWin7のPCが復活したので、良しとしなければなりません。また、Win8.1のウルトラブックがWin10へUpDateできないって、どういうこと?
by sig (2015-12-25 10:50) 

lequiche

>> 般若坊様

メリークリスマス!ですね〜。
コメにお越しいただきありがとうございます。(^^)
by lequiche (2015-12-25 17:08) 

lequiche

>> Rchoose19 様

クリスマスと新年と、ちょっと近過ぎるので慌ただしいですが、
メリクリ、ありがとうございます。(^^)
by lequiche (2015-12-25 17:08) 

lequiche

>> sig 様

メリクリをスヌーピーにまでありがとうございます。
Windowsでも随分問題があるみたいですね。
それだけじゃなくso-netにも問題があるような気がします。
でも、ひとつでも改善された部分があるのならよかったです。
私はMacですが、ヴァージョンアップの基本方針は簡単です。
その機械に付いてきたOSからヴァージョンアップしない!
それが一番トラブルが少ないです。情けないですけど。(^^;)
by lequiche (2015-12-25 17:08) 

majyo

スヌーピーの「メリークリスマス」は良いお話ですね
私も疑問を持つ事は多いです
何かを考えたい!
宗教に関わらず、亡くなった方を悼み
そして 今不幸な方たちを思う
今日は、一人でアメジンググレイス吹きました
Xmasはあまりに商業主義になってきたと思います


by majyo (2015-12-25 18:54) 

Speakeasy

メリー・クリスマス!ミスターlequiche!(たけし風に・・・笑)

『スヌーピー』の、というより『ピーナッツ』の動画観てきました。

なにかこう、胸にジーンとくる・・・素敵な余韻の残る話でした。

日本の商業主義的クリスマスにはウンザリする部分もありますが、アメリカにおいてもその商業性については昔から議論があったのですね。

スヌーピーの公式サイトを覗いたら、1965年のこの話はエミー賞と優れた公共放送サービスに贈られるピーボディ賞を受賞しているようですね。納得の受賞だと思います。

by Speakeasy (2015-12-25 19:09) 

lequiche

>> majyo 様

何かを考えるか、それとも考えても無駄だから考えないか、
その選択をいつも問われているような気がします。
つまり 「ハチドリのひとしずく」 で表される認識ですね。
でも常に二者択一だけがこの世界の常ではないと私は思います。

この国では、ハロウィーンでもクリスマスでも
それらが本来持っているはずの秘儀性や神秘性を消去する方向で
日本ローカル化が行われて来ました。
それはこの国の柔軟性であると同時に限界でもあります。
時には頑なであることも必要なのではないかと思います。
by lequiche (2015-12-25 22:00) 

lequiche

>> Speakeasy 様

大島渚は、一見雑なように見えて、
表面に見えることとは少し違う主題を備えているように見えます。

このリンクは動画全体の後半部だけですが、
チャーリーとルーシーの対比には、強い比喩が存在します。
そしてプリミティヴなクリスマスのストーリーを
ライナスが語るということに意味があります。
ライナスはブランケットとのセットで病理学的な術語となっていますが、
ごく個的な依存症とコマーシャルな流行との対立ででもあるのです。
個を確立するか、それとも世間に流されるかの選択ということです。

あ、やはり評価されているのですね。
プロテスタント的と言い切ってしまうのは簡単ですが、
そう言ってしまうと人間の根源的な精神も
また失われてしまうのではないか、と思います。
by lequiche (2015-12-25 22:01) 

sig

あ、今日はniceが押せた! (^.^)
by sig (2015-12-26 09:45) 

lequiche

>> sig 様

そうですか。
システムがどこか改善されたのかもしれませんね。(^^)b
by lequiche (2015-12-26 10:26) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0