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池田エライザ〈カナリア〉 [音楽]

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外に出られない毎日。でも出なければならない仕事があるから出るけどさ。しかも鬱陶しい梅雨はいつまでも明けないし、部屋はhumideなぶよぶよ状態。マスクは酸欠になりそうだし耳は痛いし、まるで拷問道具だし。ということで気晴らしに、あてもなくYouTubeで軽くJ-popを聴いていたりする。

YOASOBIの新しい曲〈たぶん〉は、なんとなくすでにルーティンワークみたいな感じがしてしまって〈夜に駆ける〉ほどのインパクトがない。こういうのってむずかしいね。〈あの夢をなぞって〉のギターソロみたいなのが私は好きです。ただ、逆にいえばすでにYOASOBIらしい特色なのかもということも言えて、オリジナリティとマンネリというのは背中合わせだ。

この前、関ジャムの特番みたいなのをたまたま観たら、椎名林檎の部分で、これって初めて観た部分とデジャヴが混じっていて、だから途中から観たのかもしれないと思いながら観ていた。椎名本人が、ネットでの評価をエゴサして意外に気にしていると語っているのに笑う。椎名ってナインスで終わるのが多いよね、と書かれて、絶対ナインスで終わらないから、とか。メジャーとマイナーを分ける音は3度で、だからそれを使わないことによるどっちつかずの感覚って、でもそれはロックの基本でもある。で試しに椎名サーチしてみたらセカンダリードミナントとか言ってるブログがあって、確かにうるさい感じはします。椎名ほどの人がエゴサなんかしなければいいのにとも思うけど。

CHECHO NO REPUBLICの砂川一黄が、これいいよといっているエフェクターが欲しくて、でもまだ注文していません。ということでチェコを聴いてみる。私は〈タイムトラベリング〉とか、こういうの好きです。チェコは軽い。この軽さがいいんだと思う。軽いけれど音に芯がある。

それで〈夜に駆ける〉と同じように、このコロナ禍の下で録りましたというかたちのTHE FIRST TAKEとかTHE HOME TAKEが幾つもあって、面白いけどやや気負いのあるのが多いような気がします。たとえば緑黄色社会の〈Shout Baby〉は前半のアカペラの部分、ちょっと息苦しい。あ、でもこれがむしろTHE FIRST TAKEのウリなのか。

たどりついたのは池田イライザです。NHKの番組からのupらしいのだが、その声のかたちづくる世界がすごいです。それとギタリスト・上田禎による相乗効果があると思う。このギターはすごいな。〈異邦人〉もいいけど、とりあえず〈カナリア〉かな。ああ、日々が砕けてゆく。


Czecho No Republic x SKY-HI/タイムトラベリング
https://www.youtube.com/watch?v=RESN17dQzvk

緑黄色社会/Shout Baby (THE FIRST TAKE)
https://www.youtube.com/watch?v=raZ22iX5J18

池田エライザ/カナリア
https://www.youtube.com/watch?v=uLDduysinXc

池田エライザ/異邦人
https://www.youtube.com/watch?v=hWgsvp3Gff8
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Speakeasy

Czecho No Republicは最近チェックしていませんでしたが、TVでメンバーの武井優心さんとタカハシマイさんが結婚されていた事を知り、お似合いの二人だな~と思いました(笑)

『The Covers』は気に入った回は録画しています。池田エライザさんが「カナリア」を歌った「井上陽水ナイト!」も保存してあります。この回では一番素敵なカバーでしたね!

by Speakeasy (2020-07-29 07:43) 

末尾ルコ(アルベール)

暑くなった上にこちらもhumideは酷いです。
新しい(笑)エアコンの部屋は快適ですが、その他は確かに責め苛まれているような粘っこい空気。心身ともに消耗してしまいます。そうした環境に負けないような心身を・・・と鋭意努力はしておりますけれど。

池田エライザは最近『貞子』という映画を観ましてですね、これが実につまらない代物で(笑)、エライザも作品中ボーッとしてる感じで(ダメだ、こりゃ)と思ったのです。
ところがその数日後、ネットの記事かインタヴューで彼女が、「ジュリエット・ビノシュは自分にない可愛らしさを持っているので大好きだ」的な話をしてまして、どういう文脈にせよ若手女優が自分とジュリエット・ビノシュを比較するなんて、(なんじゃあ、こりゃあ!)と思ったものですが、プロフィールを調べてみるとこの人は女優志向が強く、しかも最近映画監督第一作も手掛けているではないですか。
こういうモチベーションの高い人は大好きで俄然注目していたのですが、歌がこんなに素晴らしいとは知りませんでした。
「カナリア」、GLIM SPANKYらもじっと耳を傾けてますね。この画もなかなかのものですが、エライザの若さでこのような歌唱ができる人は稀でしょう。
「異邦人」も、曲がそのイメージだからもあるでしょうが、エライザの容姿も相俟って、中近東のバーで歌を聴いているような心地よさがありました。
このhumideの中、とてもいい時間を過ごせました。
今後もエライザ、注目していきます。

・・・

李琴峰の作品、ぜひ触れてみたいです。
「母国語以外の言語で書いた」ですぐ思い出すのはハンガリー人のアゴタ・クリストフですが、彼女の作品を網羅的に読んでいるわけではないのではっきりしたことは言えませんが、全体的にシンプルな表現で書かれていたと感じました。
もちろんシンプルな文章構造の中で過酷な現実をより深く表現していたとは思いますが、フランス語が母語の人が書いたものとは違った印象はありました。
オスカー・ワイルドも『サロメ』をフランス語で書いてますよね。これも実にシンプルな文法で書かれていますが、意図的だったのでしょうか。
あと、チェコ人のミラン・クンデラもフランス語で書いてますが、これは凄い文章で圧倒されます。クンデラは現在91歳なのだと、さっきチェックして知りました。
しかしフランス語はいわば国際語ですが、決して国際語ではない日本語を第2番目の言語としている人が書くのはまた別の凄さがありますね。
中身のヘヴィーさというのも、外国文学との比較もそうですが、三島らが生きていた時代と比べても昨今の日本文学には重さが足りないと感じます。
そしてどうしても海外の一級作家と比べてしまいますが、文章自体が軽い人が多い印象です。「薄い」とも言い換えられるのでしょうが。

オリンピック廃止、大賛成です。
東京五輪だけでなく、JOCのあの醜悪さを少しでも眺めていて、まだオリンピックに期待している人・・・がいてもいいかもしれませんが、少なくとも「五輪の理想」は現在ではまったくの嘘っぱちだと気づいていただきたいものです。

> 売れない本こそ良い本なのです。

いいですね~。今こそhumideが粉みじんになっていく思いです(笑)。
「拝金主義」という言葉も昨今ではメディアなどで「敢えて使わない」雰囲気もありますね。
この言葉はどんどん復活させてき、拝金主義がいかに人間性を貶めるか知らしめていくべきですね。 RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2020-07-29 09:27) 

うりくま

『The Covers』でエライザさんが歌う「異邦人」を聞いた
時、その独特な雰囲気と歌のうまさに仰天して、この人は
何者なのかとすぐに検索したことを思い出しました。
しかも歌手ではなくてモデル・女優というのに驚きました。
好きな作家は寺山修司なのだそうですね。

コメントしそびれてしまいましたが寺山修司幻想劇集に続き
小学館P+Bブックスとかいう弁当箱サイズの「罪喰い」を
今読んでいます。後には中井英夫の「虚無への供物」が控え
異世界に浸って楽しんでいます。湿度はより上がる気がしま
すが(笑)変化がない仕事や日常はつまらなすぎるので。。
「赤江爆の世界」、読んでみたいです。女子だけで語るの
は盛り上がりそうですね。
by うりくま (2020-07-29 17:01) 

lequiche

>> Speakeasy 様

チェコをご存知とはSpeakeasyさん、さすがです。
結婚式当日の写真が宣伝誌に載ってました。
前メンバーの八木類さんを加えた5人の写真です。
とても明るい雰囲気でした。
タカハシマイさん、ちょっとマニアックな感じで好きです。

The Coversもちゃんとチェックしてるんですね〜。
これもさすがです。
池田エライザさんはどんな曲でも自分の曲にしてしまいますね。
それと上田禎さんのギター、すごくないですか?
奈落の底に突き落とされるようなギターです。
上田禎で検索すると映画NANAが出てくるんですが、
このサントラを作ったんですね。
NANAの1はDVDを持っているんですが印象がなくて。(^^;)
観直してみたいと思います。
by lequiche (2020-08-01 03:00) 

lequiche

>> 末尾ルコ(アルベール)様

マスクはただでさえ鬱陶しいのにこの季節の湿気と
コロナの不気味さでキモチ悪いことこの上なし、です。
でも無神経にカラオケで大騒ぎしている人が
たくさんいます。東京は汚染都市になりつつあります。

国は無策なのではなくてこれが政府の狡猾な策なんです。
身体の弱い人&高齢者は少し死んでもらったほうがいい、
という考えかたが透けて見えます。
だからわざと何もしないでいるのです。
そうした悪意があることに気づかなければなりません。
国民の皆さんはお人好し過ぎます。

映画は監督の意向によってどのようにもなりますから。
役者は極端にいえば、監督の手駒に過ぎないので、
その映画の印象だけではなんとも言えないと思います。
歌というものは、もちろんある程度の訓練によって
上達する可能性もあるのかもしれませんが、
基本的にはその人があらかじめ持っている個性が
強く作用すると思います。多分に本能的です。
そして個性は歌の上手い下手とは関係ないです。
上手いけれど感動しない歌というのは存在します。
池田エライザの歌に関する感性は持って生まれたものです。

あ、なるほど。そういう人って結構いっぱいいますね。
母国語以外で書いた作家で最も優れているのは
ウラジーミル・ナボコフだと私は思います。
でもナボコフは使用言語云々というより別格ですので。
李琴峰は台湾の作家ですが、
ヨーロッパ言語に類似性があるのと同様に、
日本語と中国語は漢字という文字を媒介していますから
近い感覚はあると思います。
とくに中国より台湾のほうが日本への親和性は高いようです。
それは単に政治的体制の中国/台湾の違いということだけではなく、
台湾のほうが簡体字でない漢字を使っている点においても
日本語との近親的関係性が強いように思えます。

李琴峰は書いたものに校閲が入っているかどうか
わかりませんが、文章的には完璧ですし、
十分に日本語を使いこなせていると思います。
私の感覚では1箇所、助詞の使い方でやや引っかかりましたが
といっても間違いではありません。
それに台湾で書くより日本で書く方が
読者数も多く獲得できるでしょうから。(笑)

オリンピックは、何がなんでも開催したいという思惑の下で、
「かわいそうなアスリート」 という傀儡による幻想を作り上げ、
開催の正当性を獲得しようとしている点に欺瞞があります。
そうしたお涙頂戴的方法論は残念ですがすでに古いです。
現代のスポーツには素朴な感動とはやや異なった位置に
すでに達しているのではないかと思います。

作家の文章というものは重さを持っていなければなりません。
ライトノベルなどというジャンルは、
それ自体は確かにライトなのかもしれませんけれど、
ライトノベルだからといって軽くなければならない
という理由はないはずです。
李琴峰の政治的な感覚は全く正統的なもので、
今の日本に蔓延するライトでひ弱なものとは異なる
強さを持った文学観があるように思えます。
お金は必要ですがお金だけが価値判断の基準になったら
それは退廃です。守銭奴とはカネの奴隷のことです。
by lequiche (2020-08-01 03:00) 

lequiche

>> うりくま様

すごい! すでにチェック済みなのですね。(^^)
寺山修司という名前が出てくるのも、
すでに 「何者」 感が強いです。

『寺山修司幻想劇集』もお読みなのですか。
同じ平凡社から『寺山修司の仮面画報』という
ムックが出ていて、古い本ですがこれは優れた紹介本です。

中井英夫が赤江瀑に対して厳しかったのは
近親憎悪もありますし、アイテムの使い方が器用だったことに
一種の嫉妬を感じたのかもしれません。
赤江瀑は寺山修司や塚本邦雄の流れにあるともいえますが、
その寺山も塚本も、中井英夫によって世に出た事実に
あらためて中井という人の慧眼を感じます。
そして『虚無への供物』は登場人物の名前からもわかるように
久生十蘭へのリスペクトがあります。
私の中ではこうした系譜が、
マイナーですが最も興味の中心なのです。

鼎談は、あの皆川博子先生が赤江瀑ぞっこんなのに
微笑ましさを感じてしまいました。
by lequiche (2020-08-01 03:01) 

Speakeasy

Czecho No Republicは2015年に1度だけ記事にしたことがあります。
八木類さんが歌っている「Fun, Fun, Fun, Fun, Fun」と言う曲が好きだったので、脱退は残念でした。

https://speakeasy.blog.ss-blog.jp/2015-09-21

池田エライザさんは、昨日、人気YouTuber、水溜りボンドのカンタさんとのお付き合いを報道されたばかりで・・・そういう意味でもタイムリーでしたね(笑)

by Speakeasy (2020-08-01 16:10) 

lequiche

>> Speakeasy 様

2015年の記事、拝読致しましたが、この頃の私には
チェコの良さがまだわかっていなかったんだと思います。
Fun, Fun, Fun, Fun, Funは曲もいいですし、
ビートルズ・フォロアーっぽい映像もいいですね。
なによりチェコはそのリズムがタイトにきまっていて
クォリティが高いです。
この曲はあまり日本のバンドでないように聞こえます。
このセンスの良さはなかなかわかりにくいのかな、
とも思いますが。
もっと売れていいバンドです。

Fun Fun FunとFunが3つなのがビーチ・ボーイズ、
Fun×4が大瀧詠一なので、
チェコのこの曲はFunが5つなんでしょうね。(^^)

池田エライザのスキャンダルはたまたまで、
私は芸能系のニュースには疎いので知りませんでしたが、
そういう傾向の人たちが今、ウケるんでしょうね。
by lequiche (2020-08-04 12:01) 

coco030705

こんばんは。
「The Covers」時々見てます。池田エライザさんが新しくMCになったとき、すごくいい女優さんだなと思いました。「カナリヤ」を聴きました。いいですね~☆他の女優や歌手とは一線を画するというのか、魅力的です。コンサートはやらないのかしら、行きたいです。
リリー・フランキーとの息もぴったりなMCも好きです。長く活躍してほしい人ですね。
by coco030705 (2020-09-07 00:33) 

lequiche

>> coco030705 様

すみません。このコメント見逃していました。
CDを出したりコンサートはやりたくないと
ご本人は言っていますね。
その気持ちが変わるといいんですが。
女優としてだけでなく、いろいろな才能があるように
思えます。
by lequiche (2021-02-22 01:22) 

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