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Music BloodでAwesome City Clubを聴く [音楽]

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MUSIC BLOOD (日本テレビ) より

日本テレビ8月13日放送の《Music Blood》はAwesome City Clubだった。Awesome City Club (オーサム・シティ・クラブ) は最近、タイアップ曲で俄然名前が知られてきた印象だが、私はこのグループの生成を知らなくて、この番組の後、早速調べてしまったりした。それによると、グループとしてはかなり以前から活動していたのだがメンバーが5人から4人になり、そして3人になっていることなど、きっといろいろあったのだろうけれど、とりあえず今の音が気になることは確かだ。

《Music Blood》の番組構成がまるで《関ジャム》みたいで、音楽番組が皆こんなふうに楽理責めで七面倒くさいように思われてしまうとちょっと困るかなとも思うのだが、でも内容的にはとても面白い。
今売れている〈勿忘〉(わすれな) は映画《花束みたいな恋をした》のインスパイアソングとのことで、インスパイアソングって何それ? とツッコみたいが、そういうのもありなのだろうと思うことにする。
この映画は坂元裕二脚本とのことで、あ、なるほど、なのだけれどドラマ《カルテット》の残像があるのなら松たか子つながりで《大豆田とわ子と三人の元夫》のほうなのかもしれない。ちなみに《カルテット》はメディアを買いました。レモンレモン。

Awesome City Clubは男性ヴォーカル、女性ヴォーカル、ギターという3人で、しかも3人の組み合わせのルックスがてんでんバラバラな感じがして、でもそれがいい。だってTHE ALFEEだって3人の見た目はかなりちぐはぐだし。
〈勿忘〉が突き刺さったのは男声だけで始まって、それが2人のデュエットになるところで、Music Bloodによればハモりは必ずしも3度や5度ではないとのことだがそんなことはどうでもよくて、ああ、こういう曲のつくりかたが認知されてきたんだというのがとても新鮮で心地よい。
曲の作り方は今、流行りのシティ・ポップと言ってしまえばそうなのかもしれないけれど、一癖あって屈折している。ストレートに明るいシティ・ポップではない。音楽ナタリーの 「1990年代生まれが作る渋谷系プレイリスト」 という古い記事を読むと、リアルタイムではない世代が渋谷系楽曲を10曲ずつチョイスする内容で、オーサムのヴォーカルであるPORINはORIGINAL LOVEの〈接吻 kiss〉を1曲目にあげている。一方、松尾レミ (GLIM SPANKY) はカヒミ・カリィの〈ELASTIC GIRL〉なのでちょっと驚く。そしてPORINはピチカート・ファイヴの王道〈東京は夜の七時〉を選んでいるのに対し、松尾レミが選んだピチカートは〈トゥイギー・トゥイギー〉で、それぞれの個性が出ていて面白い。なにより小西康陽の影響力はとても広いのだとあらためて思ってしまう。

といって、同じく音楽ナタリーでのもっと古い記事では、オーサムが5人の頃の《Awesome City Tracks 2》に収録されている〈GOLD〉のことを 「まるで昔のマイブラ」 なんて言っているのはピント外れで、音楽ライターといってもこんなもんなのか、とも思うのだけれどこういう視点もこれはこれでまた面白い。それにこの2枚目のミニ・アルバムに入っている〈アウトサイダー〉は心惹かれる曲なのだ。5人の演奏はとてもまとまっていて、このユニットが失われてしまったのは惜しいと感じてしまう。そしてこの古い映像ではPORINは野宮真貴のたたずまいそのものだ。

と思いつくままに書いただけだが、とりあえずアルバム《Grower》を少し聴き込んでみようと思う。
リンクしたTHE FIRST TAKEの〈勿忘〉では弦楽を使っているのにもかかわらずおそろしくノイジーなギター、そして一瞬の暴力的なピアノのグリッサンドに強いメッセージ性を感じてしまう。


Awesome City Club/Grower (cutting edge)
Grower(アルバムCD)




土井裕泰/花束みたいな恋をした (TCエンタテインメント)
花束みたいな恋をした 豪華版 [Blu-ray]




Awesome City Club /勿忘 (THE FIRST TAKE)
https://www.youtube.com/watch?v=RbvaTmbXe6w

Awesome City Club/夏の午後はコバルト
(Special session) ドラマ「彼女はキレイだった」オープニングテーマ
https://www.youtube.com/watch?v=FaPocSGznDc

Awesome City Club/アウトサイダー
https://www.youtube.com/watch?v=RajV0aqK0C8
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コメント 4

末尾ルコ(アルベール)

『Music Blood』、わたしも観てます。『関ジャム』は高知では放送してないようです。
テレビ大批判派のわたしですが、音楽番組はなるべく録画して、「観る」というか、流してます。母が愉しんでくれますし、音楽情報収集にもなります。
他にも『バズリズム』『LoveMusic』『CD ライブ!ライブ!』『カヴァーズ』などなど。こうした努力が実り(笑)、数年前までJ POPの知識がほぼゼロだったわたしが今ではそこそこお話しできるようになってます。YouTubeだとどうしても自分の興味ある音楽中心となりますが、テレビ番組だと否が応でもいろいろ出てきますから。
あと、情報源としては、スタバで若いスタッフさんに好きな歌手やバンドを尋ねます。あいみょんや川崎鷹也など、スタッフさんから教えてもらい知りました。おかげでSnow ManとかSixTONESとかも知っちゃいましたよ(笑)。音楽の話題は本や映画の話題よりもより身近なので会話のとっかかりとしてはとてもいいです。
『Music Blood』は田中圭の司会ぶりはどうかと思いますが、番組内容は確かにいいですね。
Awesome City Club はあまり聴いてないですが、いい感じだなあと思ってました。『勿忘』はこの曲名、(うっ…)と感じたのですが、曲はいいですよね。思いのほかソウルフルで聴き応えがあります。

PORINと松尾レミの好きなシティポップ、おもしろいですね。カヒミ・カリィとかオリジナル・ラブもシティポップにカテゴライズされているんですね。音楽ナタリーや映画ナタリーはわたしもよくチェックしてます。
何しろミュージシャンにしても俳優にしても、「どんな作品が好きか」「どんな人に影響を受けたか」という話題、最も興味深いことの一つです。(あ、こんな人を好きなんだ)と知ることで、その人に対する見方が変わることもよくあります。



>コンピュータは目的に達するまでの速度が遅過ぎます。

これはそうですよね。わたし自身PCの構造やネットの仕組みについて暗いこともありますが、鬱陶しいことが多いですよね。各種アップデートなんかもそうですし、いつの間にかPCの速度が遅くなっていたりとか。
この前にスタバで、近くに座っている中年男性と思しき人物がスマホでしきりに漫画読んでましたが、わたしからするとあの画面で漫画、何がおもしろいのか理解不能でした。現代人の多くはいろんな意味で「騙されっぱなし」と、そんな確信を強めました。RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2021-08-19 09:19) 

coco030705

「勿忘」は聴いたことがあるなと思ったら、「花束みたいな恋をした 」のインスパイアソングだったのですね。いい歌だと思います。それに映画の題名がすごくいい、上手いというのか。けっこう長いこと上映していましたね。とうとう見に行かなかったけれど、またDVDででもみようと思います。
「夏の午後はコバルト」もいいですね。女性ボーカリストがかわいいわ。
by coco030705 (2021-08-19 18:36) 

lequiche

>> 末尾ルコ(アルベール)様

随分たくさんご覧になっていますね。
私の知らない番組もあって、
しかもお母様とご一緒に楽しまれているとのこと、
TVの有効な活用法だと思います。
でも《関ジャム》が放送されて無いのは残念です。
YouTubeにはときどき録画のupがありますので
もし気になるものがありましたら
是非一度チェックしてみてください。

渋谷系もシティ・ポップに含まれるのか?
ということに対しては異論もあるかもしれませんが、
音楽はそんなにカテゴライズするものでもないので、
渋谷系ありでもよいと思います。
〈接吻 kiss〉はオリジナル・ラブのオリジナルでなく
私はSOTTE BOSSEで知りましたが、
これってジャンルとして何? と言われるとむずかしいです。
https://www.youtube.com/watch?v=IMIIJM-sJds

そしてPORINがオリジナル・ラブを選択するのは
それなりに納得できますが、
松尾レミ=カヒミ・カリィというのは
絶対思いつかない組み合わせで (笑)
ですから音楽なんて何でもありなんだと思ってしまいます。

私の知人にAppleのエヴァンジェリストみたいなのがいて、
Appleのやることは全て正しいみたいな御宣託で、
そういうのにいい加減辟易した記憶があります。
バカじゃないの? というか一種の洗脳なのではないか
とまで思ってしまいました。
コンピュータでも、それ以外のことでも、
良い面もあるし悪い面もあるというような
冷静な目で見て欲しいと私は思うのです。
闇雲にPCを盲信するのでもなく排除するのでもなく、
ケースバイケースで使っていくというのが
本来の道だと思うのです。
それは昨今のスマホへの過剰依存にも同様に言えます。
by lequiche (2021-08-21 01:50) 

lequiche

>> coco030705 様

インスパイアソングっていう名称がチョットトリハダですが、
昔の言葉でいうなら単なるイメージソングですよね。(笑)
映画は私も観ていません。
「恋をした」 という過去形にタイトルの妙があります。
予告編を観ると京王線の終電ですね。

夏の午後はコバルト、弦楽が入るのがなかなかです。
PORINは髪色もそうですし、ファッションにしても
ややエキセントリックなふうに見えるのですが、
ギラギラに尖ったエキセントリックでなく
「静かなエキセントリック」 で、その個性が際立ちます。
by lequiche (2021-08-21 01:51) 

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