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ZARD〈君の瞳に恋してる〉 [音楽]

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レコードショップでぼんやりと中古レコードを見ていたらZARDの〈君の瞳に恋してる〉を発見した。こういうのって探そうと思っていないときにフッと出てくる。

Can’t Take My Eyes Off of You ——邦題:君の瞳に恋してる。フランキー・ヴァリの1967年の大ヒット曲であり、数え切れないくらいのカヴァーが存在するスタンダードである (フランキー・ヴァリのタイトル表記はCan’t Take My Eyes Off You)。ディスコブームのときにBoys Town Gangがカヴァーして大ヒットした曲でもある。

ZARDの〈君の瞳に恋してる〉は8thアルバム《永遠》(1999) の初回盤に8cmCDで附属していたとのことだが、私はもちろん持っていない。初回盤を買ってはがきで応募すると抽選で30cmLPが1999名に当たったのだが、その後、インディーズで2万枚プレスされた。プロデュースしたのはあの小西康陽である。
過去に、私はレコードショップで、おそらくそのインディーズ盤が飾ってあったのを見たのを覚えているのだが、意外に高くて (といっても幾らだったのか忘れてしまったが) まぁいいかと見送ってしまったのだけれど、ずっと記憶には残っていた。その頃は小西康陽と聞いてもピンと来なかったくらいの知識しかなかったこともある。でもその後、ときどき思い出すのだが、実際に現物を見たことはずっと無かったのである。ヤフオクなどでも見かけるのだが、レコードで一度ひどい目に遭ったことがあるのでヤフオクはどうも気が進まない。

それに見つけた〈君の瞳に恋してる〉は中古レコードとしてはちょっと高くて、たぶん当時見かけたときの新品価格よりも高いのだが、5分ほど悩んだ末に結局買ってしまった。1999枚の抽選盤と2万枚の追加プレス盤との区別がつかないのだが、たぶん2万枚のほうだと思う。

GIZAのコンピレーション・アルバム《Christmas Non-Stop Caroll》には葉山たけし編曲のZARD〈君の瞳に恋してる〉が1曲目に入っているのだが、クリスマス用のヴァージョンということもあって比較的オーソドクスな編曲。こちらが好きな人のほうが多いかもしれない。
小西康陽のアレンジはぜんぜんトガッていて、だから小西なのだが、坂井泉水の歌唱もややワイルドな箇所があって聞かせる。アコーディオンを演奏しているのはcobaだが、いつだったか楽器フェアのアコーディオン売場に彼がいて、そこにいた数人の客のために演奏してくれたのだが、もうびっくり。こういう音が出るのかという感じ。

とはいっても私はZARDもピチカートもあまりよく知らなくて、一時期、中古CDショップでものすごく廉価なときに何枚か購入して聴いていた程度なので、遅れてきたファンであり、あまりマジメなファンとは言えない。
だからZARDで最も良く聴いたのはDVDの《What a beautiful moment》であるが、映像として観ることができるのが何よりの強みだ。キーを下げているのが少し残念だが、無理のない歌唱をという配慮なのだと思う。

もう1曲、ZARDのカヴァー曲で好きなのは久保田早紀の〈異邦人〉である。これは松本孝弘のアルバム《THE HIT PARADE》(2003) に収録されているが、坂井泉水の声が松本のギターにつられたように強くて美しい。


ZARD/Can’t Take My Eyes Off of You (編曲:小西康陽)
https://www.youtube.com/watch?v=JJl9CPWVHPU

ZARD/Can’t Take My Eyes Off of You (編曲:葉山ひろし)
https://www.youtube.com/watch?v=eBYGyOztsPE

Frankie Valli/Can’t Take My Eyes Off You (Live)
https://www.youtube.com/watch?v=hQugcviHDTA

ZARD/異邦人 (TAK MATSUMOTO featuring ZARD)
https://www.youtube.com/watch?v=KqyvNfhXYck
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kick_drive

おはようございます。本記事と直接的には関係ないのですが
ZARD繋がりでこれご存じですか?

https://www.youtube.com/watch?v=yFNuoHsBxWo

駅は北口と南口があり、それぞれに楽曲を説明したパネルも設置されて
いるんです。

by kick_drive (2022-05-08 07:58) 

coco030705

1カ月ぐらい前に、ZARD(坂井泉水)のドキュメンタリーを深夜にやっていて、たまたま観ました。素敵な女性ですのに、惜しいことをしましたね。
それにしても、楽曲ってアレンジによってほんとに変わりますね。小西康陽さんのアレンジいいですね。
「異邦人」のカヴァー、高い声で素敵です。Goodな曲だと思います。
by coco030705 (2022-05-08 11:52) 

lequiche

>> kick_drive 様

素敵な情報ありがとうございます。
とてもきれいなメロディで素晴らしいですね。
坂井泉水さんにふさわしい音だと思います。
最近作られたものなのでしょうか、
音質も美しくクリアなように聞こえます。(^^)nice!
by lequiche (2022-05-08 14:58) 

lequiche

>> coco030705 様

ドキュメンタリー!
それは知りませんでした。
あまりにも儚い人生で、もっと生きていて欲しかったです。

小西康陽はよく知らなかったのですが、
きっかけとなったのは『わたくしのビートルズ』という本を
読んで以後、最重要な人になりました。
小西さんは映画マニアでもあります。
以前の記事に詳しいことを書きました。これです。
https://lequiche.blog.ss-blog.jp/2019-06-02
https://lequiche.blog.ss-blog.jp/2019-06-07

〈異邦人〉は歌のバックで松本が弾きっぱなしなんですけど
そのパッションがすごいです。うるさいとは感じないです。
私はB’zのアルバムは全く持っていないんですが
この《THE HIT PARADE》というアルバムは持っています。
名盤です。
こんなカヴァーも入っているんですが、
松本孝弘っぽくないというか、懐の広さを感じます。

TAK MATSUMOTO featuring 松田明子/雨の街を
https://www.youtube.com/watch?v=UxJxTuob31M
by lequiche (2022-05-08 15:23) 

coco030705

またお邪魔します。
「TAK MATSUMOTO featuring 松田明子/雨の街を」いいですねぇ!
ユーミンの声とは違って透明感があって、少し寂しい感じが良いと思いました。B’zはTVで見たことがある程度ですが、松本孝弘さんのギターが一流なのはよくわかります。
by coco030705 (2022-05-08 17:13) 

末尾ルコ(アルベール)

リンクしてくださっている動画、視聴させていただきました。あらためて「Can’t Take My Eyes Off You」は素晴らしい曲ですね。祝祭感に溢れてます。
ZARDの2ヴァージョンはまったく違っていて興味深いです。わたしはどちらかと言えばより刺激的な小西康陽版が好きかな。サウンドも心地いいですし、ご指摘の通りよく知られている坂井泉水とは違ったカッコいい彼女が聴けた気がします。
「Can’t Take My Eyes Off You」ですぐに思い出すのは二つありまして、どちらも映画なのですが、一つは『ディアハンター』の有名なシーン。デ・ニーロ、クリストファー・ウォーケン、ジョン・カザールら豪華メンバーが、ベトナム戦争に従軍する直前に飲みながら歌うシーンです。もう一つは『ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』でミシェル・ファイファーが歌うシーン。極めてセクシーでアトラクティヴでした。
「異邦人」はなにせ松本孝弘のギターがめちゃめちゃカッコいいです。

かつてはJ POPをまったく聴いてなかったもので、坂井泉水にも特段の興味はなかったのですが、あらためて振り返ると過酷な人生を送ってますね。特にこうして元気な時期の歌声を聴くと、人生とは何だろうといろいろ思うところはあります。


スカイロケットカンパニーに関する、リンクしてくださっている動画など、視聴させていただきました。これだけではまだ番組の真価は分かりませんが、浜崎美保という方の声、そして体操はしっかり確認させていただきました。
わたし、「萌え」という概念が今ひとつよく分からないというか、どういった範囲に使うのかよく分かってないので自分のボキャブラリーの中にこの言葉ないのですが、浜崎美保の声が魅力的だというのは感じました。地の声に艶があり、時に浮遊するような声の感じになりますね。不思議な体操動画も拝見しました。とても柔軟な身体だなあと羨ましく感じましたが、なぜこのような動画企画となったのか、確かに不思議です。

「ラジオの日々」のお話、心に沁みます。これは「時間をどう過ごすか」という人生の根源とも繋がるお話で、わたしも子どもの頃のラジオ習慣の記憶に想いを馳せてみたいと思います。 RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2022-05-08 19:38) 

lequiche

>> coco030705 様

ご同意いただきありがとうございます。
声の雰囲気が良いですね。
松田明子さんはあまり知られていませんが
GIZAに所属していて、ルーマニア・モンテビデオで
サックス吹いていた人です。
誰でもご存知のような超有名な歌手よりも
あまり知られていないけれどいいなぁと思える歌手が
私は好きなので、つい、そういうかたを
話題に取り上げてしまいます。

ということからすると松本さんは有名過ぎるんですが、
このZARDのバックで弾いているギターは
音がとても好きなんです。
ギターってテクニックとかも大切かもしれませんが
まず良い音かどうかだと思うんです。
弾き方によってギターの音ってすごく変わります。
by lequiche (2022-05-09 02:05) 

lequiche

>> 末尾ルコ(アルベール)様

リンクをお聴きいただきありがとうございます。
Can’t Take My Eyes Off You は名曲ですが
邦題の〈君の瞳に恋してる〉もすごいですね。
昔は上手な意訳の邦題を付けていたと思います。

坂井泉水はソフトな歌声的なイメージがありますが
声を張ると違う表情が出てきて実はそのほうが良いですね。

この曲が使用されている映画は知りませんでした。
よくご存知ですね。さすが、ルコさんです。
早速YouTubeで観てみましたがどちらもとても印象的で
歌の力というのを感じます。

ZARD&松本孝弘の〈異邦人〉は動画を観て
速攻でアルバムを買った覚えがあります。
これだけ弾ける人は滅多にいません。
coco030705さんのリプライにも書いたのですが
ギターは音色が重要なのです。総てと言ってもいいです。
ピックがどの角度と強度で弦に当たっているかによって
音はおそろしく変わります。
幾ら早く弾けても、へなちょこギタリストでは
こういう音は出ません。

坂井泉水はZARDを演じていたので
坂井泉水とZARDとは微妙に違うのですけれど、
実は坂井泉水も演じられていたキャラクターであって
本名の蒲池幸子は2重のフィルターの奥にいるんです。
レースクイーンまでやっていたのに
地味な服装でメディアにもほとんど出ないで
歌手であることを真摯に追求した人ですが、
どんなに経済的に成功して名声を獲得していたとしても
何かぽっかりと空虚な穴があるような気がするんです。
サド的にいえば美徳の不幸です。

浜崎美保は 「萌え声」 としてダントツ1位の人気ですが
「萌え」 というのはセクシーとはやや違うんですね。
といってもこれはあくまで私の解釈ですが、
むしろ2次元的な、やや浮世離れしたイメージに思えます。
そうした 「萌え声」 の典型的なものがアニメの声優の声ですが
かならずしもかわいいとかセクシーキャラとは限りません。
エヴァンゲリオンの綾波レイの声を担当している
林原めぐみのような暗い冷たい声も萌えといえば萌えです。
それは聴く人の価値観によって左右されます。
浜崎美保の体操動画はなんだかよくわかりませんが、
その衣装とか身体の動きとか、
こういうのも一種の萌えなのでしょうか。

ラジオのローファイな音を受け入れていたのは
音の優劣に対してまだ私の耳が未分化だったからに過ぎません。
ですが、それよりは多少程度の良いオーディオ装置で聴いても
それで必ずしも音楽をより良く聴けているのかどうかは
不明だと思うのです。
音楽とはラグジュアリーなソファーにふんぞり返って
マティーニを飲みながら聴くものではない、と——
少なくとも私の場合はないと思うのです。
そしてラジオという固有名詞は、
もちろんブリジット・フォンテーヌの超有名アルバム
《comme à la radio》(ラジオのように/1969) をも意味しています。
ブリジットの音楽性とそれを理解した間章 (あいだ・あきら) の言葉、
これがこのブログのバッソ・コンティヌオなのです。
《ラジオのように》については過去にすでに書きました。
これです。

https://lequiche.blog.ss-blog.jp/2014-10-20

by lequiche (2022-05-09 03:21) 

英ちゃん

ZARDは、未だにCDが売れてるらしいね。
それだけファンが多いんだろうけどね。
私もシングル曲は好きで良く聴いてましたが…
坂井泉水さんは、40歳の若さで亡くなるとは夢にも思わなかったです。
by 英ちゃん (2022-05-10 15:24) 

lequiche

>> 英ちゃん様

CDだけでなく過去映像のコンサートもあるようです。
ZARDの歌をカヴァーするSARD UNDERGROUND
というグループもあるみたいですし。
いつまでもファンがいるというのは
やはりビッグネームなのでしょうね。
by lequiche (2022-05-11 02:27)