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Moonlight feels right — 高橋幸宏 [音楽]

Yukihiro&SteveJansen_230130.jpg
Yukihiro Takahashi & Steve Jansen

坂崎幸之助の幸宏さん追悼の放送を聴いた。一般的にはYMOのドラマーとしての高橋幸宏と言われるが、坂崎はサディスティック・ミカ・バンドの1stが好きという。で、その放送の中でGAROのバックをやっていた頃の演奏というのがちょっとだけ流れた。
GAROはCSN&Yのカヴァーをしていたのが最初といわれているが、私が《Déjà vu》を聴いたのはずっと後のCDになってからなので、だから歌謡曲のGAROとCSN&Yとは全然結びつかなかった。

で、幸宏さんが亡くなるとは思っていなかったので呆然として、何をするにも全てやる気がなくなるよなぁなどと思いながらYouTubeを逍遙しているうちに1986年のツアーの映像に行きついた。Yukihiro Takahashi Japan Tour 1986にはスティーヴ・ジャンセンが参加しているし、キーボードは越美晴だ。大村憲司もまだ健在で、この時期の音楽シーンに惹かれる。20世紀は音楽も豊饒だったが今は死の花の葬列に等しい。コンサートのフル映像もあるが、その中から〈Moonlight feels right〉を聴いてみる。リッケンを持った幸宏さん。越美晴のコロコロした音色の間奏のタッチが美しい。パーソネルを載せておく。

 高橋幸宏 (Vocal, Keybords, Guitar, Drums)
 小原礼 (Bass)
 越美晴 (Keybords, Vocal)
 Steve Jansen (Drums, Vocal)
 矢口博康 (Sax)
 Jimmi Tunnel Guitar, Vocal)
 大村憲司 (Guitar, Vocal)
 Susan Hendrix (Sax, Vocal)

YMOの映像では1980年のA&M STUDIOのライヴ。客席は満員だが結構冷静に聴いているように見えるのが面白い。〈在広東少年〉はオーバーハイムを弾きながら歌う矢野顕子がハイテンションで、幸宏さんのドラムもタイト。大村憲司のギターもかなりノッている。


高橋幸宏/Moonlight feels right
Yukihiro Takahashi Japan Tour 1986
https://www.youtube.com/watch?v=BQAC17E0P3g

Yukihiro Takahashi & Steve Jansen/Stay Close
Yukihiro Takahashi Japan Tour 1986
https://www.youtube.com/watch?v=DFWdhGcmDXU

坂崎幸之助が語る《追悼》高橋幸宏さん 2023.01.20
https://www.youtube.com/watch?v=uPKbcLjqV5Q

YMO/在広東少年
Live at A&M Chaplin Memorial Studio in L.A.
1980.11.07
https://www.youtube.com/watch?v=TQt2qAkuqNQ
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コメント 8

kome

Steve Jansenのtwitterを見ていたら、やはり過去の写真が続いていますね。
今はコンピュータが進化してどんな音も好きに操れますが、やはりハードのアナログシンセと他の機材を組み合わせて、限られた条件の中から色んなアイデアと奏法を駆使して、せめぎあいの中から奇跡的な生きた音とグルーブを出していたと思います。
別ジャンルですが、watusiという人がブレイクビーツの音をいったんテープレコーダーに録音して、アナログ的な音の太さに加工したりしたのがsound & recording magazineの記事に載っていたときがあって、そういうのが興奮します。

by kome (2023-01-30 12:40) 

NO14Ruggerman

驚きました。
高橋ユキヒロが「ムーンライト・フィールズライト」を歌って
いたとは・・・
確かスターバックという一発ヒットやが全米トップ40で1位を
獲得した曲でした。
物憂さの中にも哀愁を感じる独特オリジナルのヴォーカルですが
ユキヒロさんのヴォーカルがあまりにも似ていて感服しました。

by NO14Ruggerman (2023-01-30 13:43) 

末尾ルコ(アルベール)

坂崎幸之助と高橋幸宏はすぐに結びつかないですが、坂崎さんは思えば加藤和彦といろいろ仕事してますよね。GAROとの繋がりも意外ですが、おもしろいです。
スティーヴ・ジャンセンとの共演も貴重です。ふと思い出しました。『音楽専科』というミーハーロック本に連載漫画がありまして、YMOのメンバー、そしてJAPANのメンバーがキャラクターとして登場してました。初期のJAPANはもちろんのこと、YMOもちょっとアイドル的な人気がありましたね。いずれにしても凄まじい才能が集まっての作品、そしてライブ。確かに現在から見れば呆気にとられるほどの壮観です。

・・・

少し前のお話になりますが、藤井風は彼の持っている思想性のようなものが常に歌詞に出てくるのが目立つようになってきた感があります。自らの思想に縛られているような印象がやや強くなってきました。
ところでKingGnuは常田大希が曲も歌詞も得ってますが、彼の歌詞はどうでしょうか。藤井風とは逆に、あくまでわたしの印象に過ぎませんが、歌詞に関しては時に無理矢理作ってる感もあるんです。
もちろん彼の曲の多く、そしてプレイは大好きです。   RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2023-01-30 19:50) 

lequiche

>> kome 様

twitterを見ました。

I have no words but I am so lucky to have a lifetime of incredible memories courtesy of this one special man whose radiance filled my life with only wonderful things
~love forever

……泣いてしまいます。

今はシンセでもエフェクトでも
ヴァーチャルで色々な音源などありますが、
やはり本物のシンセやアウトボードには敵わないようです。

WatusiさんというのはCOLDFEETの人ですね?
私は中島美嘉は初期の頃、随分聴いていましたし
(12インチ・シングルはほとんど持っています)
島袋寛子も好きなのですが、COLDFEETは彼女たちの音を
結構作っているようなので、なんとなく知っていました。

テレコに一度落とすという方法は
以前、細野晴臣さんも言っていました。
一度、TEACのデッキに落としてからまたデジタルに戻すと
そのほうが音が太くなる云々とのことですが、
同じようなこと考える人がいますね。
もっとも今も細野さんがそうしているかどうかは知りませんが。
by lequiche (2023-01-31 03:14) 

lequiche

>> NO14Ruggerman 様

すごい! よくご存知でしたね。
wikiを読みますとMoonlight feels rightは
1975年の大晦日にリリースされたシングルで
ブルース・ブラックマンの作曲。
いわゆる一発屋的な作品だったらしいのですけれど
いかにもマニアックな選曲です。
原曲はこれですね。
https://www.youtube.com/watch?v=HYnQsvtfEsQ

オリジナルは曲の途中でマリンバのソロがありますが、
メンバーのボー・ワーグナーという人が叩いているとのこと。
幸宏さんのカヴァーでは越美晴がキーボードで弾いていますが
マリンバのニュアンスをうまく表現しています。
音の粒立ちが素晴らしいです。
私がこの曲を選択したのはこの越美晴の間奏があったからで
彼女は若い頃からピアノはダントツに上手かったですし、
越美晴ってもっと評価されてよい人だと思います。
by lequiche (2023-01-31 03:15) 

lequiche

>> 末尾ルコ(アルベール)様

坂崎さんと幸宏さんの接点というのは意外でしたね。
GAROについては、
ゆうのすけさんの記事のコメにも書いたのですが、
学生街の喫茶店の間奏で聴かれるコーラングレのソロ、
これは村岡健が買ってきたばかりの楽器で
指使いもわからず、いわばテキトーに吹いたらしいのですが、
そのアヴァンギャルドさがすごかったというか。(笑)
GAROはその当時、職業作曲家の歌謡曲を歌わせられたことが
不満だったらしいのですが、でも今となっては
それなりの評価があるのではないかと思います。
といっても私はアルバム2枚くらいきり聴いていませんが。

幸宏さんのMoonlight feels rightをリンクしたのは
NO14Ruggermanさんへのリプライにも書きましたが
ひとえに越美晴のソロがあったからです。
越美晴のこの演奏は素晴らしいです。
YMOとJAPANのマンガは見た覚えがあります。

歌詞については、かつて大貫妙子が坂本龍一に対して
「教授は歌詞を全然聴いていない」 と非難していましたが、
私もそれに近いものがあります。
歌詞は原則的にそんなに聴いていないです。
そう言いながら歌詞の分析をしてみたりはしますが、
基本は音なのです。
藤井風についてはそうした印象がありますが、
常田大希はよくわかりません。
もう少し注意して聴いてみたいと思います。
by lequiche (2023-01-31 03:32) 

NO14Ruggerman

まず訂正します。ビルボードトップ40で1位ではなく
1976年7月31日と8月7日の3位が最高位でした。
ちなみに年間チャートでは34位。
個人的にはこの数年後にヒットしたオーストラリアのバンド
「メン・アット・ワーク」の「フ-・キャン・イット・ビーナウ」
に雰囲気がよく似ているなあと混同をきたしたりしています。
https://www.youtube.com/watch?v=SECVGN4Bsgg
またこれも個人的見解ですがこれらを後付けの用語でAORとか
ソフトロックと呼称するようになったかと感じています。
哀愁ロックで連想するのは少し時代を遡りムーデイ・ブルースの
「アイム・ジャスト・ア・シンガー」
https://www.youtube.com/watch?v=N_J-hmyAS6c
「サテンの夜」
https://www.youtube.com/watch?v=cs4RG9u8IVU
それから1980年代ではダイアーストレイツなんかもいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=h0ffIJ7ZO4U
https://www.youtube.com/watch?v=wTP2RUD_cL0

嗚呼次々に聴きたいサウンドが浮かんできてyoutube巡りが
止まらなくなりました・・明日仕事なのに・・・


by NO14Ruggerman (2023-02-01 01:22) 

lequiche

>> NO14Ruggerman 様

ご訂正ありがとうございます。
でも1位でも3位でも大ヒット曲であることは
間違いないです。(^^)
ムーディー・ブルース=哀愁ロックというのは
なかなか良い表現ですね。
メン・アット・ワークもAORですか。
ん〜、そういう面もあるかもしれません。

AORといって私が連想するのは
まずライオネル・リッチーとかボズ・スキャッグスとか
あと、ちょっと傾向が違うかもしれませんけど
クリストファー・クロスとか、です。
ただこのへんの曲はあまり知らないので
なんとも言えませんが。
バリー・マニロウの初期は後追いで聴きました。
ダイアー・ストレイツはもちろんAORではないですが
ダントツに良いですね。

幸宏さんの基本はバート・バカラックだと思うんです。
シティ・ポップともちょっと違うし、AORでもない……
その点がピエール・バルーのレーベルであるサラヴァを
1stアルバムのタイトルにした所以です。
だからといってフレンチ・ポップスでもないですが。

幸宏さんのドラミングはたとえばジョン・ボーナムなんかとは
対極の叩き方です。
歌唱法も同様でパワーで押すような歌ではないんですね。

バカラックの書いたThe April Foolsは
ディオンヌ・ワーウィックがオリジナルですが
幸宏ヴァージョンはバカラックの本質を突いています。
https://www.youtube.com/watch?v=cTxzNlHFk0I

私は80〜90年頃のシーンは女性ヴォーカルの時代だ
と思っていて、スザンヌ・ヴェガ、ジェニファー・ウォーンズ、
ベス・ニールセン・チャプマン、そしてエンヤです。
このへんを繰り返し聴きましたし一番印象に残っています。

ちなみにエンヤの《ウォーターマーク》のCDは
まだイギリス盤もアメリカ盤もなくて
私の持っているのはドイツ盤です。
by lequiche (2023-02-02 02:03)