リバーサルオーケストラ [ドラマ]
門脇麦 (リバーサルオーケストラ・ツィッターより)
日本テレビの《リバーサルオーケストラ》、観てるけどまだ観てません。その時間にリアルタイムで観られないため、録画したのを観てるのですがまだ追いついていません。最新作のネタばらし、しないでね。
ま、とにかく久しぶりのクラシック音楽コメディというか、つまりややシリアスな ｢のだめ｣ と言っていいでしょう。
主演は門脇麦と田中圭。門脇麦は地味な市役所職員なのだが実は天才ヴァイオリニストという設定。普段はメガネをかけていて、でもメガネをとれば別の人というパターンですが、そんなわけないじゃん！ これ、昔ながらの少女マンガの常套手段です (もっと遡ればクラーク・ケント)。田中圭が俺様なマエストロというのも ｢のだめ｣ の千秋を踏襲しています。
西さいたま市の ｢音楽のまちプロジェクト｣ の一環としてのオーケストラ復興とのことなのですが、そのパンフレットがいかにもお役所的なセンスのダサいデザインなのにも笑います。
こうしたドラマで一番気になってしまうのがどうしてもヴァイオリンの弾き方で、ピアノなんかに較べるとヴァイオリンは演技難度が高いと思います。｢のだめ｣ の水川あさみ、｢カルテット｣ の松たか子など、それなりにまぁまぁやっていましたけれど門脇麦も結構がんばってますね。第1話のウィリアムテルの弾きはじめのところ、う〜ん、なかなかと思いました (あまり厳しい目で見ちゃだめです)。
あとは選曲ですが、あまりマニアックなのはねぇ。｢のだめ｣ では原作にはドボ5とかありましたがドラマではそこまでの曲は無かったと思う。｢カルテット｣ ではありきたりだけれど《死と乙女》でしたね。あれは吉岡里帆との対比として適切なチョイスでした。
リバーサルオーケストラというのは、リハーサルオーケストラという名称があって、ジャズのビッグバンドなどで、練習を兼ねた正式でないバンドというようなニュアンスで使われる言葉ですが、それをもじって ｢リバース｣ の意味を籠めたものだと思います。三谷幸喜流にいえば ｢THE 大逆転オーケストラ｣ とか。
たぶん全10話のようですが、もう少し長くならないかなと熱望してしまいます。
第1話・ダイジェスト：
https://www.ntv.co.jp/reveorche/story/01.html
門脇麦さんを映画「愛の渦」で初めて見た瞬間、
こんな地味な女の子がこんな映画に！？
と思いました＾＾；
こちらのドラマは見ていませんが、
地味な市役所職員の役、合ってますね＾＾
のだめっぽいお話しなら、
私も見てみたいです＾＾
by 青山実花 (2023-02-16 09:53)
門脇麦さんは「あの子は貴族」という映画で、27歳の箱入り娘の結婚へのあせりと憧れを演じていて、上手いなって思いました。
映画で観たら、お嬢様としか見えなかったので、この映画のプロモーションでバラエティ番組に出ているのを観て、びっくり。すごく明るくて、フィッシングが趣味の元気な人でした。女優の演技ってすごいなと思いました。
この「リバーサルオーケストラ」面白そうなので、観てみようと思います。
by coco030705 (2023-02-16 21:43)
>> 青山実花様
《愛の渦》という映画は知りませんでしたが、
予告編を観るとたしかにヘヴィーな作品ですね。
元は演劇なのですか！
これ、果たして舞台で上演できてたんでしょうか。
門脇麦のキャラクターをわざと地味にして
やっていることとの落差を出そうとしているんでしょうが、
映像表現にもいろいろあるなぁと驚きました。
いきなりこういう映画に出てしまったところに
吉高由里子に似たものを感じます。
のだめといっても、ああいうふうに
破壊的なストーリーではなくて、
あくまで音楽を中心にしたコメディです。
脚本としては門脇麦のキャラクター設定が
ちょっと面白いですね。確かにある意味、地味です。
by lequiche (2023-02-17 01:49)
>> coco030705 様
《あのこは貴族》という映画も知りませんでした。
私は映画もドラマも詳しくないのですみません。
予告編の印象はこのドラマ《リバーサルオーケストラ》とも
《愛の渦》とも違っていてアンニュイな雰囲気を感じました。
演技の幅が広くないと女優としてやっていけないですし、
それがこなせてこそ女優です。
《あのこは貴族》のスタッフを見ますと
音楽を担当しているのは渡邊琢磨ですが、
彼はデヴィッド・シルヴィアンと
The World Is Every Thingでツアーをしていた人です。
あのこは貴族：オリジナル・サウンドトラック
音楽：渡邊琢磨
https://www.youtube.com/watch?v=yfks0cGOAbg
David Sylvian × Takuma Watanabe/
The World Is Every Thing
https://www.youtube.com/watch?v=m-Q-ZBJ0qu8
このデヴィッド・シルヴィアンは愛聴盤です。
by lequiche (2023-02-17 01:54)
映画「愛の渦」での門脇麦＝地味な女子大生のキャラクター設定、相手役の池松壮亮との対比が面白かったです。
「娼年」を撮った三浦大輔だけに、ただのエロ映画(笑）とはなっていませんでした。最も軽く笑えたのは、数日間で撮りあげたとの「恋の渦」の方でしたけど。
by hana2023 (2023-02-17 08:57)
『リバーサルオーケストラ』、ちらちら観ています。門脇麦はユマニテ所属ですが、この事務所、安藤サクラ、門脇麦、山田真歩、シム・ウンギョン、三浦透子、そして『ケイコ目を澄ませて』で現在各映画賞主演女優賞を接見中の岸井ゆきの（わたし、現在激推し中）と、壮観の女優陣を擁してます。
門脇麦はもうずいぶん前から現在の日本映画界を牽引する一人で、『愛の渦』、『止められるか、俺たちを』、『さよならくちびる』、『あのこは貴族』などが代表作。しかし今後続々増えてくるでしょう。
『リバーサルオーケストラ』は瀧内公美と渋川清彦が出ているのも愉しみで、滝内久美は『火口のふたり』で絶賛され、キネマ旬報主演女優賞などを受賞、『由宇子の天秤』も高評価です。こうした人たちが出ていると、画面の密度が濃くなりますね。
田中圭は普段はさほど興味ある俳優ではないですが、『リバーサルオーケストラ』ではいい感じ。そんなこんなで、全体的に気分よく観ていられるテレビドラマだなあと感じてます。
zaz、お聴きくださったのですね。嬉しいです。
彼女の存在、前から知っていたような最近知ったようなといういつも通りの曖昧なわたしなのですが、強く印象を持ったのがつけっ放しにしていたラジオ番組から最近流れていた詩でして、即座に（こりゃ素晴らしい！）といろいろ聴き始めた次第です。
本当にいいもの、自分が人生の中で大切にできる存在とできるだけ多く出会うには、たとえば今回のようにラジオをつけていたり、あるいは時にもっと積極的に調べたりと、生活の中に工夫が必要だなと深く再認識しています。
愛内里菜とZARDのお話にしても、ほとんどの日本人はこのことに気づいてない。常に耳を澄ませておく、目を澄ませておく、できる限り、という姿勢がとても大事だとつくづく思います。
バート・バカラックが死去しました。９４歳だったということですが、lequiche様に高橋幸宏との関係をお話しいただいた直後のことですから、ちょっと不思議な感覚を持っております。 RUKO
by 末尾ルコ（アルベール） (2023-02-17 10:24)
こんばんは。
「あの子は貴族」の音楽はそれほど気にも留めてなかったので、こうして聴かせていただき、ありがとうございます。
なかなかいいですね。気持ちに寄り添ってくれるような、大げさではない、繊細な曲だと思いました。
by coco030705 (2023-02-17 21:00)
>> hana2023 様
コメントありがとうございます。
《愛の渦》を撮った三浦大輔という人は
もともとは演劇畑であり劇団主宰者であることを
wikiを読んで知った次第です。
岸田國士戯曲賞をとっているとのことですが
最近は演劇にも疎く全く知りませんでした。
自作以外の演出リストに
平田オリザ、つかこうへいがあり、何となく傾向がわかります。
今後注目していきたいと思います。
by lequiche (2023-02-19 03:39)
>> 末尾ルコ（アルベール）様
なるほど、事務所ですか。
大変詳しい解説ありがとうございます。
ただ、幾ら有名事務所に所属していたとしても
最終的には本人の実力次第ですから
そういう意味では俳優というのは
常に厳しい環境にいるといっても過言ではないと思います。
今、タルコフスキーの映画論を読んでいますが
演劇における俳優と映画における肺葉は違う
と語っている部分があって大変面白いです。
ザズはその名前から ｢地下鉄のザジ｣ を連想させますが、
彼女は弾き語り系というか、一種のフォークソングというか、
まぁフランスですからシャンソンですが、
そうしたごくプリミティヴなシャントゥーズであり
私は最近、あまり加工されない音楽の原型としての表現に
とても興味を持っているといって良いです。
したがって、今、日本ではあいみょんなんですね。
愛内里菜とZARDはファン層が違うので、
そのように気がつく人は少ないようにみえます。
愛内は比較的マニアックな、いわゆるオタク人気があり、
それがかえって一般的人気を得られませんでした。
逆にZARDは標準的人気を獲得していましたが
それによって表現が抑制されてしまった部分もあるように思います。
晩年の作品にはそのいらだちが垣間見えます。
バカラックは高齢でしたから老衰で亡くなったのでしょうが
偶然とはいえ、時期を同じくして亡くなったことに
高橋幸宏とバカラックとの運命的な接点を感じます。
by lequiche (2023-02-19 03:39)
>> coco030705 様
いえいえ、wikiの解説を見ていたら偶然気がついただけです。
こうした音作りはアンビエントの一種といってよいですが
映画音楽のありかたについては先日の《関ジャム》で
坂本龍一が答えていて大変納得しました。
また、上のルコさんへのリプライにも書きましたが
今、タルコフスキーの映画論を読んでいて
音楽に関して彼独特の理論が展開されていて面白いのですが
それについてはそのうち書くつもりです。
by lequiche (2023-02-19 03:50)