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ライヴ・イン・リヨンのブライアン・フェリー [音楽]

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Bryan Ferry (Live in Lyon, 2011)

ブライアン・フェリーの Nuits de Fourvière, Live in Lyon という2011年のライヴ映像があって、Eagle Rockというレーベルから2013年にリリースされたものだが、YouTubeで何曲かを観ることができる。
フェリーのバックはバンドに女性コーラス、女性ダンサーを加えたゴージャスなつくりで、全体が鳴りっぱなしと形容できるくらい音の充満したサウンドであるが、その音数の多さがかえって魅力的だ。特にオリヴァー・トンプソンのギターが延々とフェリーのヴォーカルにかぶさってくるのだが、音そのものが屹立していてうるさくはない。またジョルジャ・チャーマーズのサックスもハードな芯が感じられ、時に妖艶で美しい。

下記に何曲かリンクしたが、まず〈Like a Hurricane〉はニール・ヤングが1975年に書いた曲のカヴァーである。〈Slave to Love〉はフェリーの1985年のアルバム《Boys and Girls》に収録されている曲。そして〈You Can Dance〉は2010年のアルバム《Olympia》に収録されている曲である。

ロキシー・ミュージックを聴いたのは比較的遅くて《Avalon》がすでに過去の名アルバムと評価されてしまっている頃だった。そこから遡って《Flesh and Blood》《Siren》《For Your Pleasure》などをE.G.盤で聴いていった。そしてブライアン・フェリーのソロも聴くようになった。もっともロキシーのCDは《Avalon》までのアルバムは全て持っていると思うが、フェリーのメディアは飛び飛びかもしれない。

フェリーは音だけ聴いているのでも十分だが、ミュージック・ヴィデオが凝っていて映像付きで聴くとコンセプトがよくわかる。そこで〈You Can Dance〉のMVもリンクしておく。
ロキシーの中で私が偏愛するのは《Country Life》であり、さらにいえばtr06、レコードの場合ならB面1曲目に置かれている〈Bitter-Sweet〉である。MVの雰囲気はデカダンの極地であるが、ストリングスを加えたライヴの熱唱も聴かせる。後半にドイツ語で歌われるこの部分がカッコイイ。

 Nein, das ist nicht das Ende der Welt
 Gestrandet an Leben und Kunst
 Und das Spiel geht weiter
 Wie man weiß
 Noch viele schönste... Wiedersehn

ライヴ・イン・リヨンのパーソネルは次の通りである。
Backing Vocals: Aleysha Gordon, Bridgette Amofah,
  Sewuese Abwa, Shar White
Bass: Jeremy Meehan
Drums: Andy Newmark, Tara Ferry
Guitar: Neil Hubbard, Oliver Thompson
Keyboards and Sax: Jorja Chalmers
Performer [dancers]: Jade Sullivan, Marie Francis
Piano: Colin Good
Vocals: Bryan Ferry


Live in Lyon:
Bryan Ferry/Like a hurricane
https://www.youtube.com/watch?v=hTOcbONX5rs

Bryan Ferry/Slave To Love (Live in Lyon)
https://www.youtube.com/watch?v=jy0NY0MhCz0

Bryan Ferry/You Can Dance (Live in Lyon)
https://www.youtube.com/watch?v=sFBY-_Ddq60

Bryan Ferry/You Can Dance (MV)
Olympia (Bryan Ferry album, 2010)
https://www.youtube.com/watch?v=eAOzMYLMFfQ

Roxy Music/Bitter-Sweet (live)
https://www.youtube.com/watch?v=wN38ZIcF44I

Roxy Music/Bitter-Sweet (MV)
https://www.youtube.com/watch?v=y63ydqGAA3Y
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末尾ルコ(アルベール)

朝からブライアン・フェリー、じっくりたのしませていただきました。リヨンでのライブ、素晴らしい。まさにあらゆる意味で充実、濃厚。若き日より芸術を探求してきた人でなければあり得ないレベルに到達していると感じました。美しいステージ、華麗な照明、フェリーはもちろんメンバーたちも皆スタイリッシュないでたち。とりわけオリヴァー・トンプソン、ジョルジャ・チャーマーズの二人のプレイがカッコいい。
わたしもロキシー、「Avalon」は買いましたが、あまり追ってはなかったのでそれだけに新鮮です。「Bitter-Sweet」は前にもリンクしてくださってたですよね。アラン・ポオの世界のようで心地いいです。


〉鼻歌で歌った程度の作曲者の曲を

そうなんですね。認識不足のわたしは、てっきり概ね完成している曲に手を加えるのが編曲だと思ってました。船山基紀、萩田光雄、大村雅朗 らもぜんぜん知りませんでした。これからは編曲にも大いに注目していきます。いつも新たな視点を与えていただき、感謝感謝です。

〉椎名林檎はアルバムの曲順に従って聴いて欲しい

aikoも言ってたようです。それこそピンク・フロイドなんかは曲順に聴かないと意味を為さないですよね(笑)。かつてはパンクバンドなども含め、たいがい曲順に聴けば一番しっくりくる構成だった気がします。サブスクが浸透し、音楽に対する価値感も大きく変わりましたね。RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2024-08-10 17:50) 

lequiche

>> 末尾ルコ(アルベール)様

このリヨンのライヴ会場は
Théâtre antique de Lyon または
The Ancient Roman Amphitheatre in Lyon
と表示されています。
フルヴィエール・古代ローマ劇場です。

《Avalon》は、確か難波弘之さんのライヴのMCで
「このアルバムはすごい」 という話を聴いたのが
ロキシーにハマるきっかけでした。
ジャケットデザインも、ああ、アヴァロン!
と納得できますね。

〈Bitter-Sweet〉はロキシーのイメージを
最もあらわしている曲だと思うのです。
今回はライヴ・ヴァージョンを見つけたので
MVと並列してリンクしてみました。
ストリングスが入っている豪華なライヴで
汗だくて歌うフェリーが素晴らしいです。

編曲者は非常に重要です。
自分で編曲まで手がける人でない限り、
どのようなイメージになるのかを決定するのは
編曲次第ですから。
その最も良い例が松任谷由実の編曲をしている
松任谷正隆です。

サブスクは昨今の趨勢で仕方がないですね。
でも大貫妙子はメディアしか信じない、
と言っていました。
by lequiche (2024-08-11 19:18)