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挾間美帆 hr Bigband 2024.11.22ライヴ [音楽]

MihoHazama2024_241124.jpg
Miho Hazama (R), Immanuel Wilkins (L)

挾間美帆のhrビッグバンド (フランクフルト・ラディオ・ビッグ・バンド) とのライヴが hr-Bigband のYouTubeチャンネルにupされた。挾間美帆 [はざま・みほ/1986−] はジャズ作編曲家でありコンダクターである。2019年からデンマークのDR Big Band (Danish Radio Big Band) のコンダクターでもあるが、今回の動画はhrビッグバンドを指揮したライヴである。

最初に言ってしまえば素晴らしいライヴである。ゲスト・プレイヤーとして招かれたアルトサックスのイマニュエル・ウィルキンス (Immanuel Wilkins/1997−) を私はまだ知らなかったが、そのブロウは非常に知的でありながら、プログレッシヴであり美しい。
このライヴはおそらくリアルタイムで配信されたためだろうか、時間表示は2時間20分だが、途中で約25分の休憩がある。

今回、聴きながらアバウトだがセットリストを作成した。
表示は曲始まりの大体の時間、曲名、作曲者であり、*印の付いているのがウィルキンスが演奏に加わっている曲である。編曲はarr.と表記のある〈Fugitive Aituall, Selah〉がクリストファー・ズアー、〈Ferguson - An American Tradition〉が韓国の作曲家、イ・ジヘで、それ以外はすべて挾間美帆の編曲である。
次行にあるのは、その曲のソロのおおまかな順序である。ソロの間にトゥッティが挟まったりするが、そのへんは拾っていない。白眉なのはウィルキンスの作品〈Omega〉で、アルトとバリトンが交互にソロをとり、最後は4バースとなるのだが (この部分、挾間美帆の振り方を観ていると単純に4バースと数えていいのかどうかがわからない)、緩急のある構造、そして挾間のスコアの流れに乗って行くウィルキンスのインプロヴィゼーションはまさに今のジャズを感じさせる。

挾間はクラシックから現代音楽を学んでいたのが本来のフィールドだったので、このhrビッグバンドのような正統的ジャズのビッグバンドだけでなく、弦を加えた曲や、オーケストラにプラスしてジャズ・プレイヤーを配置する曲も得意としているようだ。

このhrビッグバンドの演奏時間は長いし比較的ハイブロウなライヴなので、MIHO HAZAMA m_unit という2023年のジャパン・ツアーの演奏〈Abeam〉もリンクしておく。ミュージシャンは日本人であり、とっかかりとしてはこのほうが聴きやすく、挾間の音楽を理解しやすいかもしれない。


挾間美帆/ビヨンド・オービット (Universal Music)
ビヨンド・オービット




挾間美帆/イマジナリー・ヴィジョンズ
(Edition Records/King International)
イマジナリー・ヴィジョンズ / 挾間美帆 & デンマーク・ラジオ・ビッグバンド (Imaginary Visions / Miho Hazama featuring Danish Radio Big Band) [UHQCD] [Import] [日本語帯・解説付]





Miho Hazama, Immanuel Wilkins, Frankfurt Radio Big Band Live
https://www.youtube.com/watch?v=5XnT2p_hKWU

1st set
00:38 introduction
02:50 I Said Cool, You Said...What? (Miho Hazama)
     cl→p→g
11:56 Bourbon Street Jingling Jollies (Duke Ellington)
     tb→g→tb→b
22:10 Grace and Mercy (Immanuel Wilkins)*
     as→p→flh→as
30:18 Fugitive Aituall, Selah (Immanuel Wilkins/arr. Christopher Zuar)*
     as→b→as
41:10 Omega (Immanuel Wilkins)*
     as→bs→as→bs→as→bs→as&bs 4bars→as

50:50〜休憩〜1:16:30

2nd set
1:17:21 More? (Joel Ross)*
     ts→as
1:24:33 Somnambulant (Miho Hazama)
     ts→tp→ss→g
1:35:45 Dizzy Dizzy Wildflower (Miho Hazama)
     tb→tp
1:45:22 Ferguson - An American Tradition
     (Immanuel Wilkins/arr. Jihye Lee)*
     as→tp→as
1:53:45 メンバー紹介
1:57:10 Saudade (Immanuel Wilkins)*
     ss→b→p→as
encore
2:09:15 From Life Comes Beauty (Miho Hazama)*
     tb→as

Live aus dem hr-Sendesaal, Friday November 22nd 2024

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Miho Hazama/Abeam
MIHO HAZAMA m_unit JAPAN TOUR 2023
on Sept 29, 2023 at Bunkyo Civic Hall, Tokyo
https://www.youtube.com/watch?v=PF1rR0Ggpk0
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末尾ルコ(アルベール)

NHK FM「挾間美帆のジャズ・ヴォヤージュ」、いつも聴いてます。12月1日の放送予定がなんと「インタビュー:穐吉敏子」。明るくやや無機的な番組進行ぶりも気持ちいいです。実は挾間美帆のこと、lequiche様に取り上げてほしいと内心絶望しておりました。ついにその時が!
というわけでまだすべてではないですが、Miho Hazama, Immanuel Wilkins, Frankfurt Radio Big Band Live、鑑賞いたしました。イマニュエル・ウィルキンス、若いんですね。この感覚、聴き惚れてしまいます。
挾間美帆は現代音楽も学んでいたんですね。ビッグバンドの時でもその他のスタイルの時でも、常に彼女ならではの味わいを感じさせてくれ、そこがとても心地いいです。

******

Slow LIVE’20: LOVE PSYCHEDELICO & GLIM SPANKY、カッコいいですね。そして見た目も音も美しいギター。「Your Song」は大好きな一曲。このギターのアコースティックサウンドで堪能できて幸せです。
GLIM SPANKYですが、「高見沢俊彦の美味しい音楽 美しいメシ」にゲストで出ていて、めちゃめちゃおもしろかったです。高見沢とオールドロックの話で盛り上がるは当然として、松尾レミって、稲垣足穂の「一千一秒物語」に凄く影響を受けてるんですね。わたし知らなかったもので吃驚して、いやあそりゃ違うよなあと、ますます好きになった次第です。RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2024-11-24 16:23) 

lequiche

>> 末尾ルコ(アルベール)様

12月1日の穐吉敏子との放送予定は知りませんでした。
情報ありがとうございます。
クラシック音楽では一般的にオーケストラの人気がありますが、
それに対してジャズのビッグバンドはあまり人気がありません。
先月、シャープス&フラッツ・イン・モントルー 1982
というライヴ音源が発掘されリリースされたのですが、
ビッグバンドのことを書いてもどうかな、と躊躇してしまいます。
シャープスは美空ひばりが一番信頼していたバンドですし。
そんなわけで挾間美帆も書かなかった経緯があります。

時代の違いもありますが、穐吉敏子は大変苦労して
自分の音楽を続けてきたと思います。
挾間美帆も昔ほどではないにしろ、大変努力されていると思うのですが、
理解のある環境にあるようでなによりです。
穐吉作品と同様にかなりむずかしい曲だと感じるのですが、
むしろそういうのをやりたいという意欲が演奏者側にあるようです。
指揮を観ていても非常に明快で、指で数字を出して指示していますし、
作品そのものも同様に明快だと思うのです。
穐吉作品のような屈折した心情はあまり感じられませんが
それがかえってビッグバンドの爽快感に繋がっているはずです。
挾間は国立音大 [くにたちおんだい] ですから
もともとはクラシック畑ですね。

GLIM SPANKYは10周年ということでベスト盤が出ますが、
LOVE PSYCHEDELICOと一緒に演奏しているのが
一曲あります。
高見沢俊彦の番組というのは知りませんでした。
亀本寛貴はマニアックですからそういう話になるでしょう。
稲垣足穂ですか。それも知りませんでしたが意外ですね。
でもわかるような気がします。
稲垣足穂はたしか『ヒコーキ野郎たち』を最初に読みました。
最近の筑摩書房『稲垣足穂全集』はもちろん持っていますが、
昔、出版された現代思潮社『稲垣足穂大全』が良いんですよね。
by lequiche (2024-11-24 19:18)