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柴田淳〈それでも来た道〉 [音楽]

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最初に気にとまったタイトルは《ブライニクル》だった。それは柴田淳の12枚目のアルバムタイトルなのだが、タイトルとしては特異なのかもしれない。wikipediaを引用すると 「ブライニクル (brinicle) は拡大中の海氷の下部で形成される、塩水の降下流を内包した空洞の氷である。下向きに成長する。brine (塩水) とicicle (氷柱) のかばん語で、英語圏ではice stalactite (氷の鍾乳石) としても知られる。別名死の氷柱と呼ばれる」 とのこと。自然科学系の言葉であるが、その現象を借りて何を象徴しようとしているのかはあきらかである。

柴田淳には《ブライニクル》以外にも《オールトの雲》《バビルサの牙》といったアルバムタイトルがある。《オールトの雲》は2002年にリリースされた1stアルバムであるが、ダブルトーン風の上半身写真を配したジャケット表面にはタイトル文字が無く、タイトルの象徴性に同期している。オールトの雲とはヤン・オールトが提唱した 「太陽系の外側を球殻状に取り巻いていると考えられている理論上の天体群」 のことである。

このアルバムの最終トラックに入っているのが〈それでも来た道〉であり、この時点で柴田淳の音楽の方向性は確立されているといってよい。
アルバムは2ndが《ため息》(2003)、3rdが《ひとり》(2004) と続くが、荒井由実のような派手さは無いけれどこのクォリティはすごい。リアルタイムでは知らないので飛び飛びに聴きながらこの初期アルバムに辿り着いたのである。

〈それでも来た道〉はオリジナルのMVも初々しいが、最初のライヴ映像である《Live at Gloria Chapel》(2004) は秀逸であり、そのなかの歌唱をリンクしておく。


柴田淳/オールトの雲 (Dreamusic)
オールトの雲




柴田淳/それでも来た道 (Live at Gloria Chapel)
https://www.youtube.com/watch?v=EJCsPXFGW7E

柴田淳/それでも来た道 (MV)
https://www.youtube.com/watch?v=jT8u5hm92EI
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