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THE UNCROWNED〈LAST RAIN〉 [音楽]

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グリム・スパンキーが表紙のmusic UP’sという販促誌でジ・アンクラウンド (The Uncrowned) のことを知った。ジ・アンクラウンドはSHALのヴォーカルとTakeshiのギターによるハードロックのバンドである。wikipediaなどではメロディアス・ハードロックというジャンル分けがなされている。女性ヴォーカルと男性ギターという組み合わせはグリム・スパンキーと同じである。

3rdアルバム《STOPOVER》が今年の11月にリリースされたが、昨年の9月に2ndアルバム《WITNESS》がリリースされたとき、すでにSHALはこの世界にいなかった。今回の3rdアルバムは残されたヴォーカル・トラックを元にしてTakeshiが構成し、完成させた作品である。

私はハードロックやメタル系のバンドはほとんど聴かない。といいながら浜田麻里のアルバムくらいなら持っているけれど。でもダイアー・ストレイツは好きだし、ザ・クラッシュやジャパンも好きだし、といったメチャクチャさで、要するにジャンルではなくて、ロックは好きか嫌いかで分類しているのだと思う。
そうした嗜好傾向からするとジ・アンクラウンドの幾つかのチューンは心に響いた。

〈WITNESS〉は2ndアルバムのアルバム・タイトル曲である。このときの歌詞にすでにその影は色濃く感じられる。

 絶え間ない悲しみに
 涙残さないように
 僕は歌う
 心を震わせて

疾走する歌と疾走するギター。それがジ・アンクラウンドのすべてだ。リンクした〈WITNESS〉のMVの2’58”〜あたりからのギターソロは駆け抜けるアニュス・デイだ。
そして3rdアルバムの《STOPOVER》の終曲ひとつ前に置かれた〈LAST RAIN〉はまさに止むことのない 「RAIN」 であり、4曲目に収録されている〈TEARS〉の暗喩でもある。
降り注ぐ雨とそこに立つSHALを俯瞰で映すショット。それは《シェルブールの雨傘》のオープリングを連想させるが、雨は延々と降りそそぎ、楽しげなパラソルの色などなく、そしてSHALの動画はほとんど無く、ひとりギターを弾くTakeshiだけがフィーチャーされる。

坂本美雨はあのとき、父親のことを 「他界しました」 と表現した。その言葉のニュアンスは、命が消滅するのではなく、どこか別の世界にいるのだというふうに聞こえる。SHALもきっとそうなのだ、と思うことにしよう。
とはいえ、「降る雨は必ず止む」 とか 「暗い夜は必ず明ける」 という気休めを聞くこともあるけれど、止まない雨や明けない夜だってきっとある、と思うのだ。


THE UNCROWNED/STOPOVER —Dedicated to SHAL—
(Walküre Records)
STOPOVER -Dedicated to SHAL-




THE UNCROWNED/WITNESS
(Walküre Records)
WITNESS




THE UNCROWNED/WITNESS (Official Music Video)
https://www.youtube.com/watch?v=XtKjoFiEGCs

THE UNCROWNED/LAST RAIN (Official Music Video)
https://www.youtube.com/watch?v=f2xAtF5qYNI
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