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最後の光芒 — デヴィッド・ギルモア Live in Gdańsk [音楽]

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CDショップでは新着CDの演奏を流したりDVDを映して購買意欲をそそるようにしているが、私はこれにとても弱い。すぐにだまされてしまう。店にとってはカモネギな客とでもいうのだろう。

デヴィッド・ギルモアの《Live in Gdańsk》もそうだ。店頭のDVD映像に見事に釣られてしまった。ポーランドのグダニスクの造船所という場所に集まっている大観衆は見ただけで異様な雰囲気で、これはすごい、と思わせられてしまう。ライヴコンサートの映像というのはどうしてこんなに説得力を持つのだろうか。

実は私はピンク・フロイドをほとんど知らない。何か1枚買ったことがあるのだけれどその時はそれほど感じるものがなかったというのか、単純にタイミングがよくなかったのかもしれない。つまりバイオリズムが合わなかったということなのだろうか。それといつもヘンな邦題が付いているのも興醒めだった (あの邦題がいいんだ!というかたがいたらゴメンナサイ)。

でもこの《Live in Gdańsk》を聴いて、ギルモアのすごさを改めて感じた。ギターの音色、まず第一にあげるのならこれに尽きる。エレクトリック・ギターを最も鳴らしている音であり、それは理想的なピッキングから生まれるものである。「泣きのギター」 というような表現があるがそれは結果に過ぎない。よい音を出すことができればそこに感情がこもるのは当然なのだから。

それとこのギルモア・バンドを支えているのはリチャード・ライトのキーボードである。彼のパフォーマンスはすごく地味であるが、入るべきところにぴたりと常に入っている音が心地よい。オレがオレが、と出しゃばって来ない、理想的なバンドサウンドとはこうしたものだと思う。

ライトもギルモアも、つまり 「年季の入った音」 である。ロックが、若いだけが売り物の音楽でなく、かといって過去へのノスタルジアだけに堕した音楽でもなく、成熟した音楽としての様相を見せ始めているということに違いない。


David Gilmour/Live in Gdańsk
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2766422
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