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Let It Rock — 雑誌や本のことなど [雑記]

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Sex Pistols

今日はとりとめのない雑記です。

雨降りだからSFでも勉強しようと思って、最近出た牧眞司の『JUST IN SF』をパラパラと読んでみました。帯にはSF書評2013-2015とあり、各見開き2ページの書評になっていて、簡単なあらすじがあり、どんな本かがわかるのでなかなか便利です。
独自のジャンル分け、著者紹介もあって、それと書評の末尾 (つまり見開きの左下) にある 「次に読む本」 というのが面白かったりします。2冊あるうちの1冊は、その著者の別の作品だったりするのですが、もう1冊の選択の仕方にうなづかされたりする。たとえばロラン・ジュヌフォールの『オマル』だとジャック・ヴァンス『大いなる惑星』とラリイ・ニーヴン『リングワールド』がチョイスされていて、これだけで 「ああ、それ系か」 とわかる仕組み。
このジュヌフォールはハヤカワの新☆ハヤカワSFシリーズ ―― いわゆる銀背なのですが、最新刊はグレッグ・イーガンの『エターナル・フレイム』でシリーズNo.は5028。ということはもう28冊も出てしまったということですが、ほとんどまだ読んでない。最初の頃、ちょっと読みにくいというか読む気のあまり起こらないのが幾つかあって、そのへんで挫折してしまいました。本は増えるけれど既読書は増えず。むべなるかな (言葉の使い方としてちょっと違うぞ)。

表紙の小泉里子がいつもとちょっと違った表情だったので、つい『CLASSY.』を買ってしまう。いつもの顔よりちょっとクリアで、キリッとしてます。こういうふうに撮れるところがプロ・カメラマンの腕なんだろうなぁ。なんとなく誌面がいまだにバブルの影のあるような内容なのはいいとして、でも想定している読者層より実際の読者層は高めのように感じます。
Gジャンとライダースという、とりあえず何でもいいや 「ハオリモノ」 特集! ということなんでしょうが、ライダースというのはもともとは男性用のゴッツイ服だったはず。でもトレンチコートでも迷彩柄でも、皆、取り込んで変質させてしまうのがファッションという大食漢のたくましき性格です。
ライダースも、だから厚手の牛革でなく、羊革になり、そして山羊革になり、と服のパターンだけ残してソフトに形骸化してゆく。次は鹿革かな?

でもレザーというのは使えそうで意外に使えない。だって寒くなったら今は廉価なダウンジャケットがあるし、それにレザーってそんなに防寒には向いてません。といって夏に使えるわけではもちろんないです。
パンクバンドのライヴに行くときは夏でも革ジャンですよ、とか美容室のロック好きなアシスタントが言ってましたけど、本来はそういうものだったんですよね。Schott とかそういうの。
ちなみに『CLASSY.』という雑誌名はクラッシー・ドットなので、モーニング娘・マルと同工異曲。だからどうした?といわれても、どうでもないです。

それで先週末、ぼんぼちぼちぼちさんのオフ会に参加させていただいたんですが、そのことはもっときちんとした記事を書かれているかたがいるので、おまかせすることにします。
その日、ちょっと早めに着いてしまったので、高円寺の街を探訪してみました。この前、ぼんぼちさんから高円寺は古着屋が多いよ、という話もうかがっていましたし。
古着屋多いですね~。しかも土曜日とはいえ、タイムサービスの呼び込みをしている古着屋まであってびっくり。ただ、その店がどういうジャンルなのかとか、そういうのがよくわかりません。私の知っている範囲の古着屋は、いわゆるリサイクルショップの一環で、しかもデッドストックみたいな、実は純粋には古着じゃないもの (新古品という) を扱っているような店がほとんどです。高円寺はそういうんじゃない、もっと骨っぽい古着屋さんがあるみたいに感じます。そういう意味で高円寺は探訪のしがいがあって、まだ伸びしろがある。
ずっと南のほうに向かう道を歩いて行ったら、古書店がありました。創業昭和6年と看板に掲げていて店のなかが不思議に白っぽいので入ってみました。そしたら本にすべてグラシンがかけてあるんです。本を大切に扱っているというマニフェストなんでしょうけど、全体的にやや高め。でもたとえば齋藤磯雄著作集とかあって、ふーん、とちょっと驚き。齋藤磯雄はヴィリエ・ド・リラダンの訳者として有名。他にも見たことのない興味をひく本がいろいろありました。でも買わなかったけど。今度、またゆっくりと時間のあるとき行ってみたいと思います。

ギターマガジンの先月号はビザールギターの特集で、表紙はナショナルの赤いギターというありがちな選択ですが、インパクトはとてもあります。
ビザール (bizarre) とは風変わりな、とか奇妙な、という意味で、ビザールギターというのは要するにヘンなかたちをしたギターのことなのですが、エレクトリックギターの場合、マイクで弦振動を拾って音を出しているのでボディシェイプにはあまり制約がないんです。それでヘンなボディ形状でもOKということになる。プリンスもヘンなかたちの特注ギターを使っていましたが、見ただけで 「ああ変態!」 とわかるようなデザインです。いかにもプリンスらしい。これが高見沢俊彦だと、彼の場合、ほとんどがESPというギター製作会社製ですが、もうあまりにもバカバカしいかたちで弾きにくさはmaxだろうし、ギターというよりは工芸品化していて、かたちとしても変態ではなくてウケ狙いですね。
でもいわゆるビザールギターの場合は、そういうんじゃなくて、もっとチープというか、昔、弱小のギター会社がデザインもあまり考えずに作ったような廉価ギターがその根源にあります。わざと作ったわけじゃなくて、つい作っちゃったんだけれど結果としてあまり普通じゃないデザインだったというのがその実態です。
ですから日本国内の昔のギター、テスコとかグヤトーンといったメーカーに人気があります。前回ブログにも書いたことと関連してますが、日本の1960年代の経済成長の頃の例のひとつ、というか 「あだ花」 なのかも。音はチープでも、極端にいえば弾きにくくてもいいので、つまりやっぱりウケ狙いとも言えます。
このビザールギター特集みたいなのはときどき忘れた頃に出現するので、つまり車雑誌だったら困ったときのポルシェというセオリーがありますが、それに似てます。
ですからたとえばギブソンのモダーンみたいなのは、今回の特集では扱われていません。つまり変形ギターではあるけれどビザールじゃない、ということになります。ましてやフライングVなんて、ごくフツーのシェイプということになってしまってます。

ナディア・ブーランジェ、ヴィヴィアン・ウエストウッド、デヴィッド・シルヴィアンといった人たちの伝記ものの本が出ていて、買ってはみたものの読んでいません。ヴィヴィアン・ウエストウッドはDU BOOKSという出版元ですがこれはディスクユニオンのことです。ヴィヴィアンといえばマルコム・マクラーレンで、つまりセックス・ピストルズという関係性があるので音楽系というふうに考えることもできるけれど、であってもちょっとトリッキー。ディスクユニオンは、つまりアナログなレコードとか紙製の本とか、そっちを大事にするというポリシーのようにも思えます。
と、こういうふうに書いてしまうととりあえず済んだとカンチガイして、もう読まなかったりして。(読めよ!)


牧眞司/JUST IN SF (本の雑誌社)
JUST IN SF




CLASSY. 2016年10月号 (光文社)
CLASSY.(クラッシィ) 2016年 10 月号 [雑誌]




Guitar Magazine 2016年9月号 (リットーミュージック)
Guitar magazine (ギター・マガジン) 2016年 9月号  [雑誌]

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リュカ

図書館で借りる本は、意地でも読むのですが
買っちゃうといつでも読めるし~って思って、なかなか読み終わることができないのも多いですww

レザーの服は憧れるけど、なかなか買えない。
防寒を考えると、たしかに案外寒いんですよね(笑)
かっこいいんだけどね^^;
by リュカ (2016-09-14 09:43) 

えーちゃん

プロ・カメラマンの腕は、一概に良いとは言えないかも?
だって、プロカメラマンは何百枚も写真撮った中から数枚を選ぶんだからね(^^;
by えーちゃん (2016-09-14 12:23) 

NO14Ruggerman

ギター製作会社のESP…この専門学校が高田馬場にあるのですが、キャンパスを拡げて(建物を買収して)高田馬場周辺を席巻しています。
by NO14Ruggerman (2016-09-14 13:44) 

sakamono

ご訪問ありがとうございます。
遅ればせながら先日のオフ会、ありがとうございました。
音楽のコトはうといですが、小説は好きでよく読んでいます。
今後とも、よろしくお願い致します^^;。
by sakamono (2016-09-15 00:15) 

lequiche

>> リュカ様

いつでも読めるし〜っていうと、そうなりますね。(^^)
まぁでも私は最初から全部読もうとは思ってないので、
とりあえず買っておくのがほとんどです。
ただ、置く場所がだんだんと。(^^;)

レザーは素材的にも、やや特殊な部類になりますね。
でもリュカさんなら何を着られても似合うと思いますけど。
by lequiche (2016-09-15 02:00) 

lequiche

>> えーちゃん様

あははは。確かに!
ん〜、でもシロートだと何百枚撮ってもダメだったりします。
でも奇跡の1枚というの、ありますね。
by lequiche (2016-09-15 02:02) 

lequiche

>> NO14Ruggerman 様

ええええ? そうなんですか?
知りませんでした。
ESPなんてもっとマイナーな会社だと思ってました。
ギター作りってそんなに需要があるものなんでしょうか。
そうだとしたらすごいです。
by lequiche (2016-09-15 02:02) 

lequiche

>> sakamono 様

こちらこそありがとうございます。
小説お好きなんですか。
私のブログは話題があっちこっちでわかりにくいですが、
気楽にお付き合いいただければうれしいです。
よろしくお願いします。
by lequiche (2016-09-15 02:03) 

末尾ルコ(アルベール)

> 齋藤磯雄著作集

へえ~、それは珍しいですね。高知あたりだとBOOK OFF以外の古書店がほとんどないのです。ただ、各方面で嫌われているBOOK OFFですが、案外掘り出し物があったりします。
Sex Pistols→パブリック・イメージ・リミテッドが我がヒーローだった時期があって、ベースのジャーウォブルが今も大活躍しているのはけっこう嬉しいです。しかも音がカッコいい!  RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2016-09-15 07:52) 

lequiche

>> 末尾ルコ(アルベール)様

実は齋藤磯雄著作集は持っています。
友人から 「そんなものまで買わなくても」 と言われましたが。(^^;)
もちろんリラダン全集もあります。
高円寺は昔から古書店は多かったようです。
ブックオフは本の価値を知らないんでしょうね。
ですから捨て値で良い本が出ていればオトクです。

あ、PILですか。
ジャー・ウォブル、最近の写真を見てもカッコイイですね。
むしろシブくて今のほうがいいかも。
ピストルズやPILは、あまりよく知らないので勉強中です。
最近出たピストルズのライヴを買いましたが、
まだ聴いていません。(^^)
by lequiche (2016-09-15 13:26) 

ぼんぼちぼちぼち

高円寺の古着屋パワーすごいでやしょ。
どこにどういう傾向の店があるかは 何度も足を運んでいるうちに見えてくると思いやす。
あっしが特によく買ってる店は4店ほどあるんでやすが
その中でもスモールチェンジというヴィレッジヴァンガードの並びの店は贔屓にしてやすね。
50年代の輸入物が多いでやす。
高円寺の古着屋 探求のしがいありやすぞ\(◎o◎)/
by ぼんぼちぼちぼち (2016-09-15 19:28) 

Enrique

エレキは電気的に弦振動拾うので,ボディはなるべく響かない様ソリッドでありさえすればいいので形はフリーハンドですが,面白い事にヘッド形状は,古典派のギターブームだった頃のウィーンのシュタウファーの流派なのは面白いところです。
by Enrique (2016-09-15 20:02) 

lequiche

>> ぼんぼちぼちぼち様

あ、だんだんわかってくるということでは、
つまり古書店とか古レコード店と同じですね。(^^)
レヴェルの違う話ですが、
アズディン・アライアが古い服をコレクションしている
という話を聞いたことがあります。
服は一概に消耗品とは限らないということです。
by lequiche (2016-09-16 07:27) 

lequiche

>> Enrique 様

シュタウファーというのは知りませんでした。
なるほど、確かにそうですね。
なぜ、このヘッドが選ばれたのか興味があります。
変なギターといえば、ボディ内部に空洞のある
テレキャスターというのがあって、
何かを隠すという用途で空洞があるらしいです。
何を隠すのかは、だいたいわかりますよね。(笑)
by lequiche (2016-09-16 07:27) 

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