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There will be love there ― GLIM SPANKYを聴く [音楽]

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ロック、ポップス系の話題に関してSo-netブログで私が一番参考にしているのはSpeakeasyさんの記事です。どのくらい参考にしているかというと、実はあまり読みたくない→なぜなら記事を読んでしまうと必ずそのCDが欲しくなってしまうからです。

で先日、GLIM SPANKYに関する記事がありましたが、最近なぜJ-pop系の比重が大きくなったのかということを含めていろいろと考えさせられました。最近、欧米でも 「ロックが無い」 というのは確かに言えてます。
まぁそれはともかくとして、いまさらお恥ずかしいですけれどGLIM SPANKY、すごいです。この音は。

それで乗り遅れてしまったので、どのへんからアプローチしていけばいいのかと、YouTubeなどでいろいろと聴いていたんですが、〈There will be love there〉をカヴァーしている動画があって、ああなるほど、と私の中で繋がる部分がありました。
〈There will be love there〉は the brilliant green の1stに入っている曲ですが、ブリグリと志向性が似ているというか、こういうふうにカヴァーされちゃうと……ともかくカッコイイです。J-popのカヴァーというのが何曲かあって、たとえば荒井由実の〈ひこうき雲〉というのもあるんですが、こういうのもありだなぁと思います。それはSugar Soulがユーミンのカヴァーをした〈Those Days〉(あの日に帰りたい) に似たインパクトがあります。

で、レスポールとリッケン、これですね。そうしたギターの選択とかふたりのファッションとか、たぶんにキャラ作ってる傾向もあるのかもしれませんけれど、やぱ、太い音を出すにはフェンダーよりギブソンです。シューゲだとジャズマスターかジャガーというのがすごく多くて、その少し古っぽい感じがいいのかもしれませんけど、それはあくまでちょっとひねった感覚なのであって、ロックの王道はレスポです。
GLIM SPANKYには基本的にはジャニスがありますけれど、それだけじゃなくていろいろな混淆がある。それで三越伊勢丹のキャンペーンというのが今、YouTubeにありますが、ビルの屋上で演奏するというパフォーマンスは、わかる人にはわかると思いますけど、そう、まさにそのパロディです。

で、唐突ですが、いまだにボックスが買えてないんですがジェファーソン・エアプレインというのは結構重要なバンドなんだと感じます。これは単なるつぶやきでしかないか。そのへんがサイケデリックなんかのベースにあるんだと思う。バリー・マイルズのザップルのなかにもジェファーソンの名前が挙げられていましたし (ザップルのことは→2017年05月28日ブログ参照)。

つまりブリグリは最初はよかったけど次第に残念になっていった面もあったわけで、それがこういうかたちで次世代に受け継がれてきたというふうに私は見るんです。〈吹き抜く風のように〉というタイトルはボブ・ディランの〈転がる石のように〉でもあるんですが、ブリグリの〈長いため息のように〉でもあるんだと思います。
あ、ちなみに私はブリグリはトミフェブを含めてほとんど全部ありますし (ブリグリは最初のシングル2枚 Bye Bye Mr. Mugとgoodbye and good luckがカッコイイ)、Sugar Soulもほとんど持っていて《on》のアナログ盤は2セットありますが、そーゆーのはあまり書かないようにしているのですけれど、今日はすこしだけ書いてしまいました。そう言ってしまえるのは単なる懐古趣味であるということを知っていながら韜晦しているからなので、そうした音がセピア色の古色蒼然とはいわないですけど、時代が過ぎてしまっているという感慨はあります。やっぱ時代につれて音楽も進化して行くのだと思います。同じようなコンセプトに見えても準宝石の螺旋状になってどんどん上昇するので、前と同じようでも実は同じではないというところはファッションの流行と同じです。


GLIM SPANKY/愚か者たち (Universal Music)
愚か者たち




There will be love there
https://www.youtube.com/watch?v=Rm5BoB0wtUg

美しい棘
https://www.youtube.com/watch?v=Nb-1KGieb1c

The Wall
https://www.youtube.com/watch?v=qDp5VcVKMCs

愚か者たち
https://www.youtube.com/watch?v=C9aDr97q7mc

ひこうき雲
https://www.youtube.com/watch?v=K4i8kATjFzE

ISETAN SHINJUKU blog
https://i.isetan.co.jp/shinjuku/blog/2018/03/glimspanky.html

the brilliant green/There will be love there (live)
https://www.youtube.com/watch?v=TjWUP_N9ALQ
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末尾ルコ(アルベール)

GLIM SPANKYはまず、「見た目がロック」ですね。わたし、このバンドをまるで知らずに今まで生きてきましたが、(大丈夫か、おれ??)と思わなくもないですけれど、比較的新しいバンドなのですね。
まず見た感じの印象がとてもロックなのがいいですね。やはりロックはロック的なカッコよさがあるべきなのだと思います。ではロック的なカッコよさのベースはどのようなものかと言えば、やはり60年代から70年代前半の、あのロックなのではないかと。
GLIM SPANKYはもちろんご本人たちがそうした要素を当然意識しているのでしょうが、意識すれば誰しもそうなれるというものではなく、そこにはセンス、そして「持って生まれたもの」、あるいは精神性などが要求されるはずなのですが、GLIM SPANKYにはそれらが「ある」ということなのでしょうね。
リンクしてくださっている動画も視聴しました。すべて心地よく聴け、ロック・スピリットを感じさせるカッコいいものばかりですね。メンバーの「肝が据わった」表情もロックです。
ふと思い出したのですが、わたし、ラブ・サイケデリコの初期にとても気に入っておりまして、(ああ、日本にこんなバンドが出るようになったのか)と驚き、しょっちゅう聴いていた時期がありました。曲想も歌詞も非常によかったですね。ところが数年後、デビュー当時の創作力はどこへやらというインパクト薄い普通の曲ばかりになって、高いクオリティを維持・発展させることの難しさをあらためて知った次第です。もちろんこれはわたしの感想であって、「ラブ・サイケデリコは年々よくなっていったよ」と考える人がいてもいいわけですが。
Sugar Soulは今もちょいちょい聴いてます。この人のこともずっと忘れていたのですが。やはりあの声は魅力的。

ビル・エヴァンスは歯がボロボロだったんですね。ルートヴィヒのようですね。酒。タバコ、ドラッグはやっても、歯への適切なブラッシングはやってなかったのですね(笑)。わたしも高校時代、パンクなアウトローだったのですが、「健康的」という言葉を鼻で嗤っておりました。でも健康を損ねると、「健康」の素晴らしさがつくづく理解できるのですね。わたしはある時期、心身の健康が最悪だった経験をしているので、それがよく分かっております。もちろん感性的・精神的には、ファルメールのごとき、あるいはヴィスコンティのごときデカダンの奥深き魅惑に対する理解を持ち続けてはおりますが。 RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2018-03-05 12:43) 

lequiche

>> 末尾ルコ(アルベール)様

ラブ・サイケデリコ、確かにメンバー構成も同じですし、
グループ名に 「サイケデリック」 が入っているのも
いいですね。
私はほとんど知りませんけれど、
これイイ! という曲があったことは覚えています。

ただ単純にロックといっても裾野が広いですし、
人によって感じかたも違うので、
これがいいとか悪いとか言いにくい部分もあります。
それと、ブログというのはありきたりではつまらないので、
誰でも知っている話題はなるべく避けるようにしています。
ですからGLIM SPANKYはやや例外ですね。(笑)

GLIM SPANKYは亀田誠治がかかわっていることでは
椎名林檎を連想してしまったりもしますが、
それはたとえばSugar Soulでも
朝本浩文というプロデューサーがいましたし、
個性を上手く引き出してくれるプロデューサーの存在は
大きいのではないかと思います。

ロックにおいてジャニス・ジョプリンの影響はやはり大きいです。
田村直美のバンドがなぜPearlだったかというのは
もちろんジャニスのラスト・アルバムだからですが、
でも松尾はジャニスとかあまり言いそうにないような気がしますが。

ルートヴィヒは結局ワーグナーに利用されたんでしょうが、
ヘルムート・バーガーとヴィスコンティの関係は
どうだったのでしょうか。
《サロン・キティ》というしょーもない映画がありましたが、
ああいうのってコミケの二次創作みたいなもので
そうさせるだけの魅力がヴィスコンティに存在した
ということだと思います。
実生活もメチャクチャな人というのもいないことはないですが、
デカダンとかアヴァンギャルドをウリにしている人は
概して温和で、きちんとした生活をしている
ということが多いように思います。
by lequiche (2018-03-05 15:41) 

Speakeasy

只今、ご紹介にあずかりましたSpeakeasyでございます(笑)
私めのブログについて触れて頂きまして、誠に感謝感謝です!

GLIM SPANKYがthe brilliant greenの「There will be love there」をカバーしていたのは、BSーTBSの『Sound Inn “S”』という番組の中でです。
録画して何度か視聴していますが、大変見応えのあるプログラムでした。

作詞作曲、ボーカル、ギターの松尾レミさんは、小学生の頃からブリグリを聴いていて、「サウンドもUKロックに通じるものでカッコ良くて、当時からイケてるなと思っていました。」と語っています。

後ろでキーボードを演奏しているのは、ブリグリのプロデューサー、笹路正徳さんで、今回の演奏のアレンジも担当しています。
ブリグリは頼まれた仕事ではなくて、笹路さんの持ち込みだったとか・・・だから、ブリグリには愛着があるとも言っています。

今回は笹路さんの提案でイントロのコード違いを試みています。オリジナルはAメロと同じコード(F)なのですが、試行錯誤を繰り返して(C)にたどり着いた様です。

三越伊勢丹とのコラボ企画は、GLIM SPANKYのオフィシャル・サイトで知ってはいたのですが、見逃していました。
本当に、あのバンドのルーフトップ・コンサートみたいで笑えますね!
動画は期間限定配信なので、後々の為にHDDに保存しました。(この動画はとても音が小さいので、動画編集ソフトで音量の底上げまでやりましたよ・・・笑)

ジェファーソン・エアプレインのボックスは是非購入して下さいね!
私は買いましたよ・・・なんと同じアルバムが2枚入っていて、他の1枚が無い事に気付き、慌てて購入元に連絡しました・・・そして、後日交換となりました。
流石の輸入盤クオリティーです!!(笑)

by Speakeasy (2018-03-05 20:07) 

lequiche

>> Speakeasy 様

いつもご教示いただきありがとうございます。
BS-TBSの番組なんですか!
こういうふうにストリングスが入ると
音が厚くなってクォリティが高くなっているように思えます。
キャロル・キングのカヴァーも同番組でしょうが、
すごいですね。

I Feel The Earth Move
https://www.youtube.com/watch?v=K7DTcXu5VTU

私が好きなので弦の入っているのは、
例えば齋藤ネコのオーケストレーションによる椎名林檎ですが、
でもこれは完全な管弦になってしまっていて、
あくまでバンド主体でプラス・ストリングスという
GLIM SPANKYとはかなり違います。

椎名林檎/錯乱
http://www.dailymotion.com/video/x36f4i

小学生の頃からUKロックとか、ってマセてますね。
それで、川瀬もいいなと思いながらピチカートも聴いているし、
といったところが松尾のキャリアのなかにあって、
それが音楽的な重層性みたいなものになっているようです。

ルーフトップ・コンサートは偶然発見して
伊勢丹やるもんだな、と思いました。
むこうのほうにマルイのビルも見えますが、
屋上からこういう風景が見えるのかという参考にもなりました。

同じのが2枚というのは恐怖ですね。
そういうの、私の完全に聴き切っていないボックスのなかにも
あるかもしれない、って気がします。
ジェファーソンはもちろん欲しいのですが、
wikiに 「ブリティッシュ・インヴェイジョン」 という項目があって、
これによると第2次に分類されているデュラン・デュランとか
カルチャー・クラブとかワム!などのほうが身近に感じますが、
でもなんとなく小粒。
やはり第1次が大物なんですが、そのなかで大物じゃないグループ、
たとえばハーマンズ・ハーミッツとかDC5などは
資料的な価値 (つまりCDの稀少性) は高いんじゃないかと思います。
ほとんど知らないですけど、でも今、紙ジャケがまだあります。(笑)
キャロル・キングなどもそうですけど、
あまりべったりロックじゃないあたりのヒットチューンが
一番健全な頃の音楽シーンを感じさせてくれるように思います。
上記の同時期のアメリカだと
ゲイリー・ルイスとザ・プレイボーイズとか。
こういうのも最近、再発されているんですね〜。
by lequiche (2018-03-06 01:41) 

うりくま

The Brilliant Green、懐しく拝聴させて頂き
ました。昔熱中した野沢尚の暗~いドラマ、
「眠れぬ夜を抱いて」の主題歌がブリグリの
「Forever to me」でしたので・・。
GLIM SPANKYはよく知らないのですが、
「愚か者たち」のレトロっぽく気怠い雰囲気
はいいですね~。
by うりくま (2018-03-07 14:29) 

lequiche

>> うりくま様

そのドラマは知りませんでしたが、
ブリグリ主題歌の暗いドラマって、
どこまで暗いんだ? って感じですね。
PVを見つけましたが、これもちょっとすごいというか……(^^;)
http://www.dailymotion.com/video/x5pooth

それと 「眠れぬ夜を抱いて」 というタイトルは
ZARDの 「眠れない夜を抱いて」 を連想してしまいます。
でもZARDだときっとイメージが合わないとは思いますが。

レトロっぽく気怠い、まさにその通りです。
この声質がJ-popから逸脱している感じもします。
髪型もわざとベタッとしているのがレトロで
ジャニス・ジョプリンの頃の時代を彷彿とさせるように思います。
by lequiche (2018-03-08 01:30) 

たじまーる

GLIM SPANKYは最近知りました(^^ゞ
素敵すぎる声を持っていると思いますね。
川瀬智子さんも大好きですが
それに負けてない
いやそれ以上のボーカルを持っているとも思えます・・・

ブリグリは超大好きで
川瀬智子さんのソロプロジェクトの
トミーヘブンリーやトミーフェブラリーまでも
聴きこんでました(*^^*)

by たじまーる (2018-03-08 06:09) 

lequiche

>> たじまーる様

すごい声だと思います。
きっと学校の音楽の授業では浮いていたんじゃないか、
という感じですね。

ブリグリ、そうですか。
幾つかのキャラを使い分けるというのは
面白いですね。
メガネをかけた学級委員みたいなキャラと
ちょっと悪ぶったロック少女という使い分けは
少女マンガによくある変身願望に似てます。(^^)
by lequiche (2018-03-09 01:08) 

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