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くれない、キャロル、ボランなど [雑記]

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高畑充希のdocomoのCM〈紅〉がうるさすぎるという意見もあるようだけれど、ん~、そうなのかな。あの歌と同期しているアプリのイヌの顔との落差が面白いし、見た後、自分の中で〈紅〉がループして、繰り返し歌ってしまうんですけど。
かつてのearthのCMの宮崎あおいの場合は、わざとヘタに歌っているのかそれとも本当にヘタなのかわからないところが面白かったのですが、高畑の場合は、どうしてそのロケーションで〈紅〉なのか、というのがいろいろと連想できるドラマになっている。
もっともdocomoの一連のCMの高畑は、キャリアウーマンっぽいキャラがちょっとブルゾンちえみと被っているようにも思えます。

DGGのピリスのcomplete boxをやっとcompleteしました。一時より高くなってしまったので、なかなか手が出なくて、なるべく安値になるまで待っていたということもあります。ソロが20枚、コンチェルトが5枚、室内楽が12枚、合計37枚のなかに全部収まってしまっている。ダブッているのがあるのかもしれないがボックスだと便利なので。でもこうしてアーカイヴになってしまうというのは便利でもあるけれど、逆にいえば悲しい。
ピリスにはERATO盤だってDENON盤だってあるし、と思えばいいのだけれど、もうほとんど揃ってしまったし、音楽の録音に限らず何にしても全集としてまとまってしまうのは、それがひとつの区切りであり、終わりになってしまった意味にもとれるので。
でもCDというのは所詮アーカイヴ用としてのメディアであって、私の価値観として最も高いのはやはりLPです。なぜならフランスのCDとイギリスのCDの音は違わないけど、フランスのLPとイギリスのLPは音が違うと感じますから。音だけでなくてジャケットの佇まいが違います。これはマニエリスムかもしれないけれど。

それは小室哲哉のArchivesでも同じ。かつてゲンズブールにも数々のヒット曲を構わず集めたアーカイヴがありましたが、小室がこんなにたくさんの人に曲を書いていたのだということにびっくり、というより愕然とします。それもピリスと同様に、区切りとなってしまっているのが悲しくもある。
東京パフォーマンスドールが1曲入っています (以下、TPD)。TPDは多人数のガールズグループの草分けといってもいいのかもしれないし、実は私はほとんど知りませんが、選ばれた1曲、売野雅勇の作詞による〈キスは少年を浪費する〉は、ごく画質の悪い動画っきり見られません。そしてこのTPDは篠原涼子の〈恋しさとせつなさと心強さと〉へとつながってゆく。
未来玲可みたいな 「一発屋」 も含めて懐かしさがそこかしこに存在します。
でも、ここまで出すんだから、以前のブログにも書いたことですけれど是非《tk-trap》の映像を出して欲しいです。映像は過去にVHSでしか出ていません。ここで言ってしまえば《tk-trap》は私にとっては小室哲哉/久保こーじの最高傑作だと思います。

文藝別冊の《T・レックス》は結構面白い。アキマツネオの 「音楽なんて好きじゃない。ただマーク・ボランだけ聴いてきた」 というインタヴューのタイトルにその全てが籠められているような気がする。
T・レックスじゃなくてティラノザウルス・レックスこそが重要だということについても納得できます。

山尾悠子の『飛ぶ孔雀』については、ネットにある書評など、どんなふうに書いているかなぁと思って読むと、かなり苦しそうな感じもして、こういうのは困るよね。私の感覚では、体言止めの多用が、それも技巧なんだろうけど、ちょっと技巧が勝ち過ぎているかなというのが素朴な印象で、つまり晦渋と奔放の使い方が少し強過ぎるとも思えます。
でも今日、美容院で雑誌を読んでいたら、その手のカタログ系みたいな文章っていうのは体言止め使い放題で、わざと生硬さを装うっていう手もあるんだけど、それは宮﨑あおいのブルーハーツと同じで、そうなの? っていう感じもする。本の感想についてはまたあらためて書くつもりです (つもりなので書かないかもしれない)。久しぶりに見たMM-OKL (だよね?) が美しい。


GOLDEN☆BEST 東京パフォーマンスドール (Sony Music Direct)
GOLDEN☆BEST 東京パフォーマンスドール




東京パフォーマンスドール/キスは少年を浪費する
http://www.nicovideo.jp/watch/sm14149682

tk-trap (1996)
15:01からのCAROL part1~part2の歌がカッコイイ
https://www.youtube.com/watch?v=hnDuNwjZMXE

T.Rex/20th Century Boy
https://www.youtube.com/watch?v=fqITwSOXX2g

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末尾ルコ(アルベール)

わたくし僭越ながら、高畑充希のdocomo、(うるさい)と感じてしまいました(笑)。まあこのあたりは、どのような状態でテレビが点いているかということも関わってくるのではないかと。わたしの家は母が起きている間はずっとテレビ付けっ放しなので(笑)、わたし自身は民放地上波はほとんど観ないもので、そもそも民放地上波の番組のほとんどがうるさく感じられる・・・というのもあるかもしれません。

クラシックのcomplete boxなど、けっこう短期間で価格が動くものなのですか?昨年末から金欠状態が続く現在のわたしには縁の遠いお話ではありますが(とほほ)。
LPのジャケットって、あの大きさだからこそのインパクトですよね。特に洋楽ロック系の手の込んだジャケットは、まあ当時からお金は欠乏しておりましたから、ジャケ買いなどはなかなかできませんでしたが、まださほど美術自体に興味のなかった時期に美的感覚を磨いてくれた大事なメディアの一つでした。

マーク・ボランは普遍的な心地よさがありますね。今、当時の動画を観ると、少し笑っちゃうのもありますが(笑)。東京パフォーマンスドールの存在は知っておりましたが、愚弟的にどのようなことをやっているかは知りませんでした。
MM-OKLはつい調べちゃいましたが(笑)、字体なのですね。なるほどでございます。わたしももっと字体にも意識的になろうと、夏の空を仰ぎました。

『半分、青い。』だけではないのでしょうが、朝ドラなど昨今は、明らかに「SNS狙い」の展開やネタが目につくことがあり、わたしはそれだけで鼻白んでしまいます。
『半分、青い。』の場合、北川悦吏子がツイッターで自ら「神回予告」とやらをしているくらいで、もうこのあたりの感覚はやや信じ難いのです。

というお話とは関係ないですが、eテレの

『ららら♪クラシック』6月29日放送回に児玉桃が出演していたので観てみました。特集はドビュッシー。
ドビュッシーと言っても、代表曲を知っているくらいに留まっているわたしには、その革新性や人となりを知ることができただけでも有益な時間でした。児玉桃の演奏も聴けましたし。

コンピュータ屋とかIT関係とか、おそらく「人間が見えてない」、あるいは「人間に興味が無い」人たちが多いという印象があります。
個人手には、ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズとかマーク・ザッカーバーグなどをヒーロー扱いする風潮にも大いに反発を感じております。
「軍国主義」的雰囲気は社会の至る所に、そして人間の精神の中にもどんどん忍び込んできつつありますね。この度のワールドカップでもそうですが、スポーツの「日本代表」に対するヒステリックな熱狂も、マスメディアの誘導もあり、以前より悪質化している感が強いです。

ヴィスコンティは若き日は、「赤い貴族」と呼ばれていたようですね。ネオレアリスモ時代の作品も以前はちょいちょい観かけましたが、近年は「ヴィスコンティ=耽美で豪奢」というイメージになっています。
まあ、あれほどまでの「耽美で豪奢」は今後は誰もできないでしょうから、そこに憧れる気持ちも理解できますが、若き日の作品もまた観てみたいです。
「浪漫派」って、不思議な「派」(笑)ですよね。「白樺派」というのもありましたね。
それにしても今の日本、『万引き家族』という作品を観もしないで、「日本人を万引きというイメージで見られるのでけしからん」なんて言う人が少なからずおりますよね。ちょっと信じ難い感覚であり、ファシズム前夜の思考停止的短絡性、ないし排他性を感じます。

>真の道を見出すのとはそんなに簡単なことではありません。

なるほど。これは勇気づけていただけるお言葉です。「1000人に一人でも」…心に沁みてきます。 RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2018-07-12 08:03) 

英ちゃん

高畑充希のdocomoのCMも話題になってるらしいけど、紅ってXjapanだよね。
ヴォーカルの Toshlは最近テレビのバラエティ番組に出過ぎじゃないの?
しかも、スイーツ好きって似合わないような(゚□゚)
TPDに篠原涼子が在籍してたのも、今となっちゃ誰も知らないかも?
まぁ、若者たちは篠原涼子が歌手だったのも知らないみたいだけどねw
by 英ちゃん (2018-07-13 01:18) 

lequiche

>> 末尾ルコ(アルベール)様

あはは。やっぱり、うるさいですか!(^^)
いつもTVが垂れ流しになっているような環境ですと、
その垂れ流し自体が鬱陶しいのかもしれませんね。

私はtorivagoというホテル比較サイトのCMの
「torivago」 という発音がキモチ悪くて仕方ありません。
「go」 の発音が 「ゴ」 に聞こえないからです。

クラシックのCDはJ-popと較べるとものすごく安いですが、
でもできるだけ安く買いたくなるものです。
ピリスは最底値だったときに買い逃してしまい、
そのときより安くなることはないので諦めて購入しました。

LPはサイズ的にそうなってしまったために、
それを収納するジャケットも結果として大きくなりましたが、
それを逆手にとってアートにしたアイデアが
優れていたと思います。
CDが、なぜあんな仕様になってしまったのか?
特にぺらぺらのパンフレットをプラケースに差し込んで、
それをいままでのジャケットの替わりにした俗悪なセンスに
悪意を感じます。

ボランの今回の雑誌の記事の中に、
いままで知らなかったことがあったのです。
実際に確かめてみようと思っています。
TPDは私もよく知りません。
穴井夕子をかすかに知っているだけです。
バラドルの元祖みたいなのですよね?

>> 北川悦吏子がツイッターで自ら「神回予告」

それは何かで知りましたが、
実際に確かめてみようとは思っていません。
自分のスベッたギャグがなぜ面白いのか
を解説しているオワライの人みたいですね。

ららら♪クラシックに
児玉桃の回があったことは知りませんでした。
再放送があったら観てみたいです。

コンピュータ業界がなぜ治外法権になっているのかが
私にはよくわかりません (実はわかっていますけど)。
アナログディスクや書籍を無くそうとする動きは、
それが自然環境を破壊している、
つまりパルプや石油資源を浪費しているという考え方も
その中の一端にあるのだとは思います。
それをヴァーチャルなデータのみにしようとしている意志、
つまりすべてをデータ化すれば良いという方向性は、
クラウドという、一種の共有化という名前に騙られた
私有財産制の放棄をさせる目的にあり、
もっといえば愚民政策に他なりません。
クラウドなんて貸しロッカーですよ?
プライバシーの保証されない貸しロッカーに
大切なものを収納するバカがどこにいるのでしょうか?
と思ったらそういう利用者ばかりになりつつあります。
それが愚民政策なのです。
だからコンピュータ屋のみが治外法権なのです。
華氏451に描かれているのとは異なったアプローチですが
ディストピアは現実化されつつあります。
そのうち、本やCDどころではなく、
自由な衣服や好みの飲食まで規制される時代が
来るような気がします。
為政者に悪意があれば、電子的なデータでしかない
戸籍謄本や住民票を書き換えることだって可能です。
そんな危ういものをなぜ信任しているのでしょうか?
大衆操作のための最も効果的なツールがマスメディアであり、
それはヒットラーが利用したことで周知の事実ですが、
そうした危険性に対して昨今の人々はあまりに無防備です。

ヴィスコンティはまだ私もよくわかりません。
過去に観た作品は忘れていますし、
さらに勉強したいと思っています。

真の道を疎外するものは上記に書いたような
悪意有る為政者やその傀儡としてのマスメディアです。
インターネットというシステムは結局失敗だった
という議論が最近ありますが、私もそれに賛同します。
こうしたシステムは捨てなければならないのかもしれません。
たとえ不便になったとしても、
ブックピープルのほうが正しい道だと私は思います。
by lequiche (2018-07-13 05:48) 

lequiche

>> 英ちゃん様

アイス総選挙、観ました。
私もスーパーカップ好きです。やはり価格と量です。(笑)
Toshiは、まぁ、いいんじゃないですか。

TPDは私もよく知りません。
その後のガールズグループの嚆矢ですけれど、
TPB自体は極端にいえば一種のカルトグループであって、
知らなくても仕方が無いです。
仲間由紀恵が研修生だったことも最近調べて知りました。
by lequiche (2018-07-13 05:49) 

sakamono

カタログ雑誌とか、女性誌とかの、体言止めの文章って、
なんか想像できます^^;。
by sakamono (2018-07-14 13:17) 

lequiche

>> sakamono 様

わかりますよね〜。ありがとうございます。(^^)

ズバリ言ってしまえば頭の悪そうな文章。
ただ、雑誌の場合はスペースが限られているので、
そこに情報を詰め込むためのテクニックともいえます。
でもそれを小説に使うというのは、
わざと頭悪そうに見せるとか異質な感触を作る
という意味あいもあるとは思うんですが、
なんかねぇ〜・・・・。
もっとも私もわざと使うことはありますけど、
香辛料と同じで使い過ぎはよくないです。
by lequiche (2018-07-14 13:48) 

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