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マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン再発 [音楽]

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Flagsのビルのタワーレコード新宿店へエスカレーターで上がって行くとその途中の階にLOVELESSのショップがあったのだが、昨年閉店になってしまった。ちょっと気になる服があったのに、店が無くなってしまったことに気づくのが遅すぎる。
もっといえば高島屋新宿店タイムズスクエアにあったHMVは広くてよかったのに、もう随分前に無くなってしまったが、あの店で《LOVELESS》のLPを買ったのを思い出す。マゼンダの印象的なジャケット。そういえばビョークの《Live at Royal Opera House》を買ったのも高島屋HMVだった。メディアとそれを買った店が結びついている記憶はなぜ鮮明なのだろうか。ネットで買うようになったらそうした記憶は生成されることがない。

マイ・ブラッディ・ヴァレンタインの旧譜が、契約が変わったためか一挙に再発されたけれど、一挙といっても4枚しかない。しかもそのうちの1枚はEPなどのまとめ盤だ。もっとも、LPもあるので、メディア数としては全部で8枚である。マイブラはリマスターとか新装盤とか伝説のシューゲとか、さらにはTシャツ付きメディアとか、手を変え品を変えなのだが、んなことはいいから新しいアルバムを出して欲しい。

《m b v》については発売されたとき、このブログにすでに書いた (→2013年04月19日ブログ) のだけれど、やはりこのアルバムはイマイチだったのかなぁとも思う。

ケヴィン・シールズのインタヴューなど『ギターマガジン』など複数に見られるのは皆、この再発に対するプロモーションの一環だろう。
ケヴィンといえばジャズマスターだが、フェンダーのインタヴュー動画があって、これが頗る面白い。彼のスタジオを見ることができるので興味のある人にとっては必見である。そしてリンジー・ジョーダンによるビリンダ解説もあるが『ギターマガジン』の先月 (5月) 号はムスタング特集だったので、なんとなく関連性を感じてしまった。
それで『ギターマガジン』6月号と一緒に『BRUTUS』の4月15日号がこの前からどうしても気になっていて、バックナンバーが置いてあったのでついでに買ってくる。岩合光昭さんの写真はすご過ぎます。表紙は岩合玉三郎です。

Bilinda Butcher_210530.jpg
Bilinda Butcher

My Bloody Valentine/Loveless
(BEAT RECORDS/DOMINO)
loveless (Amazon限定マグネット封入) [解説書付 / 高音質UHQCD仕様 / CD1:リマスター音源 CD2: 1/2インチ・アナログテープからマスタリングされた音源 / 国内盤 / 2CD] (BRC667)




My Bloody Valentine/Isn’t Anything
(BEAT RECORDS/DOMINO)
Isn't Anything (Amazon限定マグネット封入) [解説書付 / 高音質UHQCD仕様 / リマスター音源 / 国内盤] (BRC666)




My Bloody Valentine/ep’s 1988−1991 and rare tracks
(BEAT RECORDS/DOMINO)
ep's 1988-1991 and rare tracks (Amazon限定マグネット封入) [解説書付 / 高音質UHQCD仕様 / リマスター音源 / 国内盤 / 2CD] (BRC669)




BRUTUS 4月15日号/猫になりたい (マガジンハウス)
BRUTUS(ブルータス) 2021年 4月15日号 No.936[猫になりたい]




My Bloody Valentine/Only Shallow
https://www.youtube.com/watch?v=FyYMzEplnfU

My Bloody Valentine フジロック08
https://www.youtube.com/watch?v=bmV94kFnQuc


Kevin Shields Part 1: Obsession | Jazzmaster 60th Anniversary
https://www.youtube.com/watch?v=qd1Xmr2YY7c
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末尾ルコ(アルベール)

イオン高知ではタワーレコードが撤退してHMVになってます。ジャズやクラシックはタワーレコード、高知店ではあったけれど、けっこう置いてたから残念でした。イオン高知ができる前のお町のレコード店については多くの思い出があるのですが、書いてると延々になりますので今回は自嘲します(笑)。

そしてマイ・ブラッディ・ヴァレンタインですね。
何と…知りませんでした!
いやあわたしの人生18年(ある時期から毎年18歳の誕生日を迎えております)、何をしていたのやら。でも人間、詳しいもの以外は詳しくないものですよね(笑)。
Bilinda Butcherですか。カッコいいですね~。これからじゃんじゃん鑑賞させていただきます。また大きな楽しみをくださった!



カルロス・ガルデルやアタウアルパ・ユパンキをあらためてチェックしてみましたが、ディープなアルゼンチンに少しでも近づけた気分になれます。別にいつもアルゼンチンを意識しているわけではありませんが(笑)。
他にタンゴをほとんど聴いてないので何とも言えないのにちょっと言いますと、やはりピアソラはガルデルなどと比較してもタンゴの革命的存在だったのだろうなあと、あらためて感じました。
それとタンゴって日本では社交ダンス的文脈で認識している人も多いのでしょうが、本場のあの濃厚で時にデカダンな境地とは大きな差がありますね。日本人でもプロだとまた違うでしょうが。しかしスペイン人のフラメンコが格別であると同様に、アルゼンチン人の単語も格別なのだろうなと朧気に感じました。


マドンナがエヴァ・ペロンを演じた『エビータ』という映画、ハリウッド的、あるいはアラン・パーカー的アルゼンチンなのでしょうが、その中でガウチョがパンパを馬で疾駆するシーンがあって、とても好きなのです。きっとパンパやガウチョの文化抜きにはアルゼンチンを語れないのだろうと感じました。

>今はそのような最低常識がありません。

それ、大きな問題ですよね。
映画や文学でも同じことで、かつてであれば、ハリウッドの大スター、フランスでもアラン・ドロン、カトリーヌ・ドヌーヴら、日本人のほとんどが知ってました。マカロニウエスタンでさえ、ジュリアーノ・ジェンマ、中学生にも知られてましたからね。
映画監督でもスピルバーグやコッポラのみならず、フェリーニとかも名前だけは浸透してましたし、文学ではヘミングウェイとか哲学のサルトルとか、読む読まないにかかわらず、名前だけは浸透していて、(いつか読むべき本)という意識、多くの日本人にありましたよね。
ところが現在、あらゆる分野で「日本のものだけ」で充足している日本人がやたら多い。
そしてここを声高に問題にする知識人、著名人などあまりいません(いないことはないですが、大きな声にはなってません)。これは本当に、日本という国の根幹を揺るがす大問題ですが、そもそも文化芸術事態に対しての社会的理解が実に低いですよね。特に日本の政治家たち、どうしても文化芸術にこだわるフランスなどとはえらい違いです。
そして「経済」にしか興味のないメディアも含め、現在の「外国文化に興味がない、ものごとの本質に興味がない」多くの日本人のメンタリティができあがったのでしょうね。      RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2021-05-30 16:46) 

TBM

マイブラ、ずいぶん懐かしい感じです。
最初の来日公演をクアトロで観ました。
客詰め込みすぎだし、音もよくなかった記憶しかないです。
アルバムはとてもよく聴いていましたが。
もう新作のリリースはないんですかね。
by TBM (2021-05-30 21:26) 

lequiche

>> 末尾ルコ(アルベール)様

こうした状況下、CD・レコードショップに限らず
どこも経営は大変のようです。
この疫禍では飲食店と旅行業者ばかりが優遇されているように
私の目には映るのですが、どの業種もそれぞれに大変なのに
依怙贔屓が過ぎるようにも思います。

タワーとHMVですが、これは単に私の感覚に過ぎませんけれど
クラシックはタワーが、ジャズはHMVが強いように思います。
これはあくまでネットショップにおける比較ですが、
店舗でも似たような印象を受けます。

マイ・ブラッディ・ヴァレンタインは
シューゲイザーの元祖といってよいバンドですが、
シューゲとはある意味、ポスト・パンクであり、
ノイズでもあり、広く捉えればオルタナティヴです。
ですが私はコクトー・ツインズなどの4AD系からの流れ
というふうにも感じています。
私にとってリアルタイムのコクトーズは
6thのBlue Bell Knoll (1988) からなのですが、
このアルバムあたりからコクトーズは衰微し始めていて、
そして4ADのシンボルであったデッド・カン・ダンスの
The Serpent’s Eggも1988年なのですが、
これもあまりに様式美に過ぎるような気がして、
その同じ年である1988年にマイブラの1stアルバムの
Isn’t Anythingが出てきたのは偶然ではないような気がします。

マイブラの2008年フジロックの動画をリンクしましたが、
このTo Here Knows Whenはこの状態で延々15分くらい
爆音状態だけだったという有名なシーンです。

アルゼンチンとブラジルは言語も違いますし、
その音楽傾向も違いますが、共通する部分もありますし、
そもそものネイティヴと移民との関係性とか
複雑ですがそれがその音楽性を創り出したともいえます。
そしてアルゼンチンのタンゴもブラジルのボサノヴァも
人工的な音楽だったことが共通しています。

ピアソラは当初 「踊れないタンゴ」 といわれて
排斥されていた時期が長く続いていたのですが、
現在では逆にピアソラというイメージが肥大化し過ぎている
というふうに考えられます。
これは日本におけるJ-popの肥大化と似通う部分があります。

常識がなくなった原因のひとつとして
大学の教養課程が無くなってしまったことがあります。
つまり平たくいえば大学の各種学校化です。
もちろん趣味が多様化し、ビッグネームがいなくなってしまった
ということもあるかもしれません。
頼るべきものがどこにもない状態なのです。
すべてを経済価値だけで判断する一元化は爽快ですね。(笑)
つまり国民を使い捨てしやすい道具あるいは家畜にしてしまおう、
という意図が感じられます。

ついでに脱線していうのならば、
今、IOCが強引な進めかたをしていますが、
そして本音がポロポロ出てきてしまっていますが、
彼ら白人種にとって日本人は有色人種であり、
つまり有色人種が多少死んだって家畜みたいなものだ
という意識が彼らの根本にあります。
ですから 「多少の犠牲があってもよい」 などと平気で言えるのです。
日本にオリンピックをやらせてやってるんだ、感謝しろ、
というわけです。
基本的にはナチスの選民思想と変わりませんし、
ナチスがオリンピックを利用したのと思考回路は同様です。
彼らの頭はナチスの頃から全然進歩していないのです。
F1レースでは欧米人以外のドライヴァーは迫害され続けていましたし、
今回の大坂なおみの反応もそうした人種差別的ニュアンスを
敏感に感じ取っているからです。
by lequiche (2021-05-31 14:04) 

lequiche

>> TBM 様

ええええ? それはすごい。うらやましいです。
SRをどのようにセッティングするかは、
マイブラの場合、すごくむずかしいと思います。
新作はどうなんでしょうか。
上にリンクしたケヴィンのスタジオ動画を見ると
やる気はすごくありそうなんですけど、
見た目はさすがに少し年齢を感じてしまいますね。
by lequiche (2021-05-31 14:05) 

Boss365

こんにちは。
「マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン」小生全く無印のバンドですが、ボーカル音とアンバランスなサウンドが心地良いノリです。一瞬、ドイツ・ベルリン的?なバント?と感じましたが、出身がアイルランド ・ダブリンと知って、U2的?な広がりあるサウンドの印象です。最近、リマスター盤多いですが、豪華な特典あるあるです(爆)ファンとしたら「新しいアルバム」を熱望ですね。ところで、岩合玉三郎にゃん、イイお顔しています!?(=^・ェ・^=)
by Boss365 (2021-05-31 16:08) 

coco030705

こんばんは。
最初に、「BRUTUS 4月15日号/猫になりたい」を手に入れました!
lequiche さんが表紙の猫ちゃんの顔の、ピントの合い方がすごいとおっしゃっていたのが、よくわかりました。岩合さんの写真集の中でも、1,2をあらそうようなすばらしい写真ですね。それに中身がオール猫のおはなしで、ムチャクチャ気に入りましたよ。教えていただいて、ありがとうございました。

ところで、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインですが、全然知らなかったのですが、いいバンドですね。これはやっぱり、ヨーロッパ系の音楽です。アメリカ人には逆立ちしてもつくれません。
最初聞いた時、騒音?!と思ったのですが、聴きなおしてみると決してそうではなく、いわゆる規則正しい音ではないけれど、面白い音ですね。女性ボーカリストのビリンダのつぶやくような歌がかなり魅力的だと思いました。1枚目のお写真、けっこうイケメン揃い。面白いバンドだと思いました。
by coco030705 (2021-05-31 19:59) 

lequiche

>> Boss365 様

シューゲイザーというジャンルはちょっと特殊ですが、
その中でカルト的人気のバンドがマイブラです。
ルコさんへのレスにも書きましたが、
ポスト・パンクでありノイズとも感じられますが、
無難にいえばオルタナ系列というのが一番適切で、
私の印象ではコクトー・ツインズとか
ジーザス&メリーチェインからの流れを感じます。
ノイジーなことからインダストリアルも連想しますが、
スロッビング・グリッスルとかノイバウテンなどと較べると
全然違いますね。そういうノイズではないです。
アイルランドということからU2的テイストもありますが、
同時にケルトな音、つまりエンヤ的な雰囲気もあります。

BRUTUSの表紙、すごいですね。
岩合さんの撮った写真は瞬間的にわかります。
by lequiche (2021-06-01 03:05) 

lequiche

>> coco030705 様

BRUTUS買われましたか! よかったです。(^^)
このピントはすっごいですよね。
どういうカメラで撮っているのかなぁ、とも思いますが、
やはりカメラではなくて腕なんじゃないかと。
表紙のクレジットに 「モデル:岩合玉三郎」 と記載されていて
笑いました。モデル料、出たのかなぁ?

マイ・ブラッディ・ヴァレンタインはヨーロッパ系、
確かにその通りです。アメリカの音ではないですね。
さらに私の場合、正当的なブリティッシュ・ロックも
もちろん良いのですが、ブリティッシュよりも
ややそこから外れた地域の音のほうに、より惹かれます。
スコットランドとかアイルランドとか、
さらにビョークとか、少し前の記事にリンクしたアイヴォールなど
北欧系の音にも魅力があります。
マイブラは一聴すると爆音だけという感じがしますが、
実はそうではなくてかなり複雑なことをしています。
それでないと微妙なうねりのような質感のある音は出てきません。
この音をコピーして再現するのはかなり難しいです。
ただ、《LOVELESS》というアルバムが
あまりにも完成度が高かったので、
かえってそれ以降、新録音が出しにくくなっているのではないか
という感じもします。
そんなに構えないで、どんどん出せばいいのにと思うのですが。

マイブラはケヴィンとビリンダがフロントですが、
ベースの人も女性なので、男性2+女性2のバンドです。
by lequiche (2021-06-01 03:05) 

coco030705

こんばんは。
「モデル:岩合玉三郎」おもしろい!ピッタリですね。岩合さん、すごくお気に入りのねこちゃんでしょうね。私もこの顔、大好きです。
マイブラ、ベースの方も女性なんですね。さすが、アイルランドというか、欧州のバンドです。日本のバンドはボーカルが女性というのはあるけれど、ベースが女性というのがあるのかしら。女性ばかりのバンドには、もちろんいるでしょうけれど。
by coco030705 (2021-06-02 21:15) 

lequiche

>> coco030705 様

岩合さんがカメラを構えると動物が寄って来てくれるのでは、
と思ってしまいますね。(^^)
やはり何事も愛情です。

日本のバンドだと 「凛として時雨」 は
ギター&ドラムは男性で女性ベーシストの3ピースバンドです。
激しいパンクか、あるいはラウドかというテイストもありますが、
ジャンル的にはオルタナティヴといっていいと思います。
少し古いライヴ映像ですが。

凛として時雨/Nakano Kill You
https://www.youtube.com/watch?v=N_u14KphXG0

海外には女性ベーシストは多数いますが、
とりあえず、まず、タル・ウィルケンフェルドですね。

Jeff Beck/Cause We’ve Ended as Lovers
https://www.youtube.com/watch?v=Kn2Yvjd5kqY
by lequiche (2021-06-03 02:34) 

coco030705

こんばんは。
「凛として時雨」 って、いいネーミングですね。女性ベーシストの人、激しい感じですね。体力いるだろうなって思いました。

「Jeff Beck Band 2007」いいですね~!このベーシストの女性、可愛いです。音楽がいいですね。

聴かせていただき、ありがとうございました。
by coco030705 (2021-06-05 22:33) 

lequiche

>> coco030705 様

「凛として時雨」 はこの疾走感が好きです。
3ピースバンドは最もシンプルな構成ですが、
その音楽性がズバリ出てしまう点で
あやうい感じもあるので聴き入ってしまいます。

タル・ウィルケンフェルドは今年34歳ですから
このジェフ・ベックのライヴの2007年当時、20歳です。
かなり有名どころとのセッションが多いのですが、
自身のアルバムはまだ2枚きりありません。
今後に期待したいです。
by lequiche (2021-06-06 00:42) 

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