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ジェニー・ビーヴァンのクルエラ [ファッション]

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このところ、夏菜の初音ミク・コスプレが話題だが、『装苑』7月号の特集は 「妄想・空想 自己実現のためのイマジネーション」 となっていて、まさにコスプレ特集的な色合いである。
この暗い時代の中で、それぞれに異なる色彩で楽しいのだが、目を惹いたのはディズニー映画の《クルエラ》に関する記事である。

プロモーションには 「ディズニー史上最も悪名高きヴィラン “クルエラ” の誕生秘話をスタイリッシュに描き出す、衝撃のパンクロック・エンターテイメント!」 と書かれていて、冷静に考えるとよくわからないところがまさにスタイリッシュだ。ディズニーの1961年アニメ《101匹わんちゃん大行進》の登場人物のひとり、クルエラにスポットを当てた実写版であり、サイド・ストーリーといえる。

映画の衣裳を担当したのはジェニー・ビーヴァンである。映画の衣裳と通常のファッションとはあくまでも異なるが、バロネスとクルエラという正と悪の対比がそのファッションとしてそのまま現れていて強固なインプレッションとなる。ここに描かれているファッション自体は架空のものでしかないのだが、たとえば《プラダを着た悪魔》などよりも結果としてもっと直接的なファッションとしての顕示なのではないだろうか。

VOGUEサイトの2021年5月17日からあらすじを引用すると、

 舞台はパンクムーヴメントが吹き荒れる1970年代のロンドン。ファッ
 ションデザイナーを目指すエステラ (エマ・ストーン) は、業界の大物
 であるバロネス・フォン・ヘルマン (エマ・トンプソン) の目に止まる。
 この2人の出会いをきっかけにさまざまな事件が起こり、少女エステラ
 は冷酷なクルエラへと変貌していく。それに伴い、エステラのファッシ
 ョンも、控えめなアンサンブルから血のように真っ赤なボールガウン、
 スパンコールを散りばめたモトクロスパンツ、豪華なミリタリージャケ
 ット、手縫いの花びらが散りばめられた裾たなびくスカートへと変化。
 彼女にとってファッションは、バロネスの存在に影を落とし、体制に挑
 戦するための武器となるのだ。

『装苑』の記事の中でビーヴァンは、ヴィヴィアン・ウエストウッドの影響を強く受けていて、それは70年代のパンクでありアヴァンギャルドで最も先鋭なファッションであったというニュアンスである。またジョン・ガリアーノや、歌手のニナ・ハーゲンからインスピレーションを受けたとも述べている。
だがVOGUEの記事によれば、その70年代にビーヴァン自身が着ていた服は、たぶん憧れはあったのだろうがとてもヴィヴィアン・ウエストウッドを買う余裕などなく、それほどエキサイティングなものではなかったが、ウェッジヒールのブーツ、軍物やバイカーの古いジャケットを買って、それらを全く違うアイテムと合わせてみたりしていたと回想する。
クルエラの軍服のようなジャケットと巨大な真紅のラッフルスカートは、そうした異質なアイテムを強引に合わせるコーディネートの肥大したイメージの再現というふうに捉えることができる。
まだ若く貧しい頃のクルエラは古着を着ていたに違いないと考え、大量の古着をセレクトしてエマ・ストーンにフィッティングさせたという。結果としてそれらの古着を実際の衣裳として使用することはなかったというが、時代を表現するのに有効な試行であったと見るべきだろう。

クルエラのアヴァンギャルドさに対比されるのがバロネスのファッションで、バロネスは正統的で優れたデザイナーではあるけれど、すでに最盛期を過ぎていて古いということを念頭にしてビーヴァンはそのデザインを設定している。そしてそうした王道ファッションとしてディオールやバレンシアガを参考にしたとも述べている。
その新しいものと古いものの対比は色彩にもあらわれていて、クルエラのカラーは黒、白、グレー、そして赤であり、対するバロネスのカラーはブラウンとゴールドを多く使用したという。

こうした対比の前に、アニメ本来のダルメシアンに関するこだわりは低くなってしまっているが、メイクなどを含めてのクルエラという性格の造形にファッションの影響が強くあらわれていて、単なるヴィランのストーリーということでなく、むしろアヴァンギャルドな志向がまだ健全だった時代を振り返っているかのようにも思えてしまう。だがファッションとは振り返ることではない。懐古は死であり、川久保玲も言っていたが、たかが疫禍の蔓延程度のことに屈してしまってはならない。
ファッションとはその人の存在理由の証明であり、したがって今年の流行スタイルとか今年の流行色といったようなトレンドへの最大公約数的追従はファッションの思想とは相反するものなのである。

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装苑 2021年7月号 (文化出版局)
装苑 2021年 7月号 (雑誌)




映画《クルエラ》特報【悪名高きヴィラン誕生編】
https://www.youtube.com/watch?v=avXMOY9Nri0

映画《クルエラ》のファッション
https://www.youtube.com/watch?v=78Ny-tCZz4w
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末尾ルコ(アルベール)

エマ・ストーンとエマ・トンプソンですか。二人のエマ…これは観たいです。ディズニー物については明るくないわたしですが、パンクロックのテイストとなると俄然興味が湧いてきます。
「わたし」を形作ってくれたものは様々ありますが、ロックスピリット、パンクスピリットはその中でも重大なもののひとつ(ふたつ)です。

>《プラダを着た悪魔》などよりも結果としてもっと直接的なファッション

なるほどです。『プラダを着た悪魔』は確かに予定調和のストーリーの中、高級な服は多く出てきたけれど、心の奥底から意味を成すファッション、時に危険なまでの意味を成すファッションとは遠く離れた内容でした。
ニナ・ハーゲン、持ってましたよ!けっこう愉しみましたが、自分の中でどのくらいの位置づけすればいいか判断し難いところはありました。伊藤政則は「ライブ観たけどゲテモノだった」的な発言してましたし(笑)。でもおもしろいアルバムでした。あと、リナ・ラヴィッチとかも持ってました。思い出しましたよ。また動画など、視聴してみます。

>ファッションとはその人の存在理由の証明であり、したがって今年の流行スタイルとか今年の流行色といったようなトレンドへの最大公約数的追従はファッションの思想とは相反するものなのである。

素晴らしいですね。まったく同感です。
流行への追従や、思考停止的にブランド物を誇らしげに(似合いもしないのに)着用いて安心するとか、「存在理由の証明」の真逆ですね。日本人には多い。

・・・

>偏執的であり視野が狭い

そうですよね。
いつしか、「オタク」という言葉が社会的に不通となり、多くの人が屈託なく自分を「オタクだから」と言えるようになり、もちろんその内容は人によってかなりの違いがあるのでしょうが、けれど「オタクであること」という意味自体が開き直った感じで、例えば徐々に(外国文化に興味がなくてなぜ悪い)から(外国文化に興味持つなんて馬鹿々々しい)くらいまで今来ている感があります。悲惨な状況です。

いまだ内外の激しい逆風にかかわらず、五輪についてだけは頑なな連中が準備を進めてますね。
開催か否かはもう一山くらいありそうな気がしますが、それにしても普段は「愛国者」を標榜している人たちがIOCの人種差別的発言に対して怒らない(怒っている人もいるかもしれませんが)、そして開催派であり続けている歪んだ構図がいかにも日本的です。
「中止にすると世界に笑われる」とか、現状日本と中国以外で五輪を強く意識している国や国民なんかあるはずないのに。この2国以外の諸外国の人々は五輪のことなんか忘れてます。笑われるも何もない。現在の状況、確かにナチスの臭いが漂っています。
それは大坂なおみの件についても同様で、とにかく日本のネット空間への大坂なおみバッシングには根本的に人種差別があり、彼女が「肌の色が黒く」「英語を喋る」という理由を持って、「日本人だと認めない」という輩が一定数いて、さらにBLM運動や今回の記者会見に対する疑義など、「女性が意見を表明する」ことが心底嫌いな日本人がまだまだ多いのだと、本当にこの国の(いい言葉ではないですが)後進性は目に余ります。
そもそもそうした人たちは、現在の大坂なおみのとてつもない巨大さがまるで理解できないんですよね。全仏オープンを棄権したニュースは各国の主要メディアで一斉に大きく報じられています。今までの日本のスポーツ選手すべてを合わせても足元にも及ばないとてつもないスーパースターなんですよね、現在の大坂なおみは。
そんな彼女を醜悪極まりない言葉でバッシングする一部日本人…これら病的な人間たちに対しても何らかの対処は必要になってくると思います。 RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2021-06-04 09:10) 

coco030705

映画「オーシャンズ8」でヘレナ・ボナム・カーターが演じていたデザイナーが、ヴィヴィアン・ウエストウッドだと思い込んでいたのですが、役名が違っていて、たぶん映画の中のヘレナ演じるデザイナーの洋服のテイストを伝えるのに、ボスが「ヴィヴィアン・ウエストウッド的な洋服を創るデザイナー」と言っていたのを、間違って思い込んでいたみたいです。あまりヴィヴィアン・ウエストウッドのことは知らなかったので、画像で彼女のコレクションを観てみました。斬新な洋服ですね。やっぱり英国ってすごい!
by coco030705 (2021-06-05 22:24) 

lequiche

>> 末尾ルコ(アルベール)様

2人のエマ! そうですね。
気がつきませんでした。(^^;)

最近は先にアニメがあって、後から実写版、
というような順序になることがよくありますが、
この予告篇を見ていて思ったのは、ナマの人間の動きは
アニメよりもより肉体的でなまなましいということです。
あたりまえですけど。
それは動物にもいえて、アニメではかわいいだけのダルメシアンが
実写映画の中に出てくるとそれだけで強烈な存在感があって
しかもなまなましくて 「ケモノ」 のにおいがすることです。
ですから言葉は悪いですが、アニメはある意味、
きれいごとを並べているという印象も受けてしまいます。

クルエラは悪役ですし、アクが強くて下品ですし、
でもそれが強烈な存在として記憶に残るということを利用して
スピンオフ作品として打ち出してきたというアイデアに
ディズニーのしたたかさを見ることができます。
ニナ・ハーゲン、確かに露悪的な見せ方なのでしょうが
それもパンクの一要素といえると思います。

日本のファッションに対する一般的認識は
他人と同じ格好をしたがるということに尽きます。
今年は何が流行っているのかということに敏感ですが、
それは同じ色彩の中に埋没して目立たないように
という方法論を無意識に選び取っているのであり、
本来のファッションのセンスとは正反対の思考です。
でもそうした毎年のトレンドを人工的に作り出すことが
経済効果としては有効だからでしょうね。

オリンピック実現を頑なに進めている人々がいるのは
もちろん経済的に自分たちが多大な恩恵を受けるからですが、
それにもかかわらずワクチンの接種が進まない、
オリンピックに間に合わないのではないかとする危惧、
ということに対して、私は卑怯な方法だなと思うのです。
つまり地方自治体それぞれでさまざまなやり方をしていて
予約がとれないとか大混乱をしているこの状況は
わざと作り出されたものです。
わざとワクチン接種を遅くしてそちらに目を向けさせている間に
着々とオリンピックをやってしまおうとする魂胆です。
ですからノロマとか対応が遅いという批判は的外れです。
わざとやっているんですから。(^^)
政治家というものは常識的に考えられないレベルで悪辣です。

大坂なおみに対して為政者が冷淡あるいは無視なのは、
これも簡単なことで彼らは大坂なおみを日本人とは認識していない、
ということでしかありません。
by lequiche (2021-06-05 23:51) 

lequiche

>> coco030705 様

《オーシャンズ8》という映画を私は未見なのですが、
ヘレナ・ボナム・カーターが演じているデザイナーは
ヴィヴィアン・ウエストウッドがモデルになっているということで
間違いないです。
ヴィヴィアンの初期デザインはまさにパンクで
それを象徴するのが安全ピンだからです。
パンクの人たちがやたらに安全ピンを用いたファッションをしたのも
その発生源はヴィヴィアン・ウエストウッドです。

彼女の以前の夫、マルコム・マクラーレンは
セックス・ピストルズやニューヨーク・ドールズを
コーディネートした人であり、
ヴィヴィアンのファッションもアヴァンギャルドでした。
しかしヴィヴィアン・ウエストウッドのラインは
次第に伝統重視の正統的ファッションに変わって行きます。
彼女の特長は非常に立体的で
エキセントリックなカッティングにあります。
また基本的に服はウエストがあるものだという認識があり、
ウエストをぎゅっと絞った服が彼女のメインアイテムです。

プレタポルテラインであるレッド・レーベルには
日本でのライセンス生産品もありますが、
やはりライセンス品はどうしても平面的に見えてしまいます。
ヴィヴィアン本来の造形とは異なるものです。
しかし日本ではヴィヴィアンの服は高価過ぎるため、
一時期、アクセサリーが流行したことがありました。
アーマーリングという特徴的なリングは
椎名林檎が付けていたことで大人気になりました。
この動画で椎名林檎が指に付けているのがアーマーリングです。

椎名林檎/幸福論
https://www.youtube.com/watch?v=M55uRP4DWW0&t=47s
by lequiche (2021-06-05 23:51) 

ゆうのすけ

コメントありがとうございます。
私のつたない記事がきっかけになってくださってとても嬉しいです。
今記事のお題と違っちゃってすみません。^^;私もいま lequicheさんの過去記事を拝見させていただいたんですが ミュージックマガジンの筒美京平さん追悼の号を 寝る前のわずかな時間に読み返しています。私の筒美京平さんの入り口は 南沙織さんより前で ホントまだ何もわからない子供の頃に 親に付いて行った近所のレコード屋さんで (何故か アーティスト名を覚えていたんでしょうね。)ヒデとロザンナの「粋なうわさ/愛のひととき」を買ってもらったんですね。(もちろんその時に この歌なんて知らないんですよ。)それが 始まりとなるわけなんです。ただ今でも忘れずに残っている記憶は 親の店で使っていたステレオで何度もその一枚を飽きずに聴いて ロザンナさんのイタリア語に興味を覚えたんですね。それと共に何度も聴いたせいか 曲(ブログの記事にもしたんですが 特に「愛のひととき」)にかなりすり込まれたというのか ボサノヴァの心地よさを三つ子(保育園に行き出した頃)が 今ならわかる(陶酔という)気持ちを覚えてしまったんですね。怖い!^^;
あ、今記事で 「装苑」という文字がまず飛び込んできました。今でも刊行されているんですね。装苑というと モデルをされていた山本リンダさんを思い出すのです。^^;
梅雨に入っているのでしょうかね。空の色は重いのですが 素敵な日曜日をお過ごしくださいね!☆彡
by ゆうのすけ (2021-06-06 05:31) 

lequiche

>> ゆうのすけ様

こちらこそありがとうございます。
早速〈粋なうわさ〉というのをYouTubeで探してみましたが、
この曲は初めて聴きました。
ご幼少の頃にこの歌というのは随分 「おませさん」 ですね。(^^)
B面の〈愛のひととき〉はボサノヴァ・テイストですが
これがお好きだったというのは
おませさんを通り越してナ□□□です。(笑)
イタリア語の音韻には特有の響きがあると思いますが
それを感じ取られていたというのもすごいです。

『装苑』は文化出版局のメインの雑誌で、
文化服装学院を象徴する存在ですから
他の一般ファッション誌とは少し肌合いが違います。
以前は『ハイファッション』や『銀花』など
良い雑誌も出していたのですが、皆、無くなってしまい残念です。
文化出版局最後の牙城のような雑誌が『装苑』です。
『装苑』では早くからPerfumeの特集も多くて
昨年出版されたコスチューム・ブックは
ファッション誌としての視点から作られていて
大変素晴らしい編集になっています。
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4579304578/

(このことは今年初めのデヴィッド・ボウイに関する記事の中にも
書きましたが→2021年01月30日ブログ)
by lequiche (2021-06-06 15:33) 

coco030705

lequiche さん、椎名林檎の幸福論の映像をみせていただきました。
アーマーリング、素敵ですね。でも私は手が小さいので、ちょっとこのリングは似合わないかもしれません。けれど、どこかの店舗で見かけたら、ぜひトライしたいと思います。
ありがとうございました。
by coco030705 (2021-06-07 19:56) 

lequiche

>> coco030705 様

同じような内容のコメが2本ありましたので先のを消しました。

アーマーリングは中世の甲冑をイメージしたデザインです。
矢野沙織も付けていたことがありましたけど、
サックス吹くとき指が動かしにくいのでは、
と、いらぬ心配をしてしまいました。(笑)
まだ現行品ですので直営店に行けば見られると思います。
もちろんサイズ展開もあります。

今期のヴィヴィアンの服では、こんなのが一番ヴィヴィアン的です。
ぐしゃぐしゃに作ったような服ですけど、
大変高度なテクニックでできていると思います。
https://www.viviennewestwood.com/1401003811885A101.html
by lequiche (2021-06-08 03:45) 

coco030705

こんばんは。
記事が二重になって、すみませんでした。コメントを送信したら表示されなくて、またもう一度コメントすることが、このごろよくあるんですよ。ソネブロが悪いのか、パソコンが悪いのでしょうか。(ダイナブック、この1月に買い替えたばかり)よくわかりません。これからも二重のがあったら、遠慮なく消してくださいね。

それはともかく、ヴィヴィアンの素敵なチェックのスーツすばらしいと思います。この色合いが何とも言えずいいと思います。黒人のモデルの肌色に合いますね!チェックの大きさもおしゃれ。
今やコロナ太りの私、気を引き締めて、カッコいいスーツが似合うよう、努力しなくっちゃ!
by coco030705 (2021-06-11 00:15) 

lequiche

>> coco030705 様

いえいえ、よくあることです。(^^)
ss-blogは反応がイマイチ遅いことがありますから、
リターンを繰り返すことですね。

ヴィヴィアンの特徴はエグさギリギリの独創性です。
服はカッティングがすべてだと私は思いますが、
ヴィヴィアンの場合、色彩感覚も独特ですし、
基本的にエキセントリックなので着る人を選びます。
もともとはパンクでしたが、今はゴスロリでもないし、
でも、それ系の人にも意外に人気があります。
あえていうならやはりアヴァンギャルドですね。

でもそういうのばかりではなく、
昔の比較的人気のあったデザインを再現する
アングロマニアというラインがあって、
この系列の服は比較的着やすいのではないかと思います。
by lequiche (2021-06-12 05:02) 

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