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TK from 凛として時雨《Fantastic Magic》 [音楽]

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近くのうらぶれたリユースショップでは、古本 (といってもほとんどがコミック) とCDなどのメディアを扱っているが、久しぶりに行ってみるとCDはほとんど無い。ブルーレイやDVD、ゲームソフト、そしてトレカがその棚を占めている。CDはもうダメなのかもしれない。CD-Rだって大手メーカーは製造から撤退してしまったし。でも、だからこそアナクロを極めるにはCDなのだ。

もし、単純に誰かの楽曲を聴きたいのだったら今ならネットで簡単に探し出せる。けれど全てがあるわけではないし、何かメディアとしてのかたちが欲しいのだ。それはもはやセンチメンタリズムなのかもしれないのだけれど。

メディアという話で思い出したのだが、某雑誌にオーディオマニアらしき人のお宅訪問みたいな記事があって、おそろしく高価だと思われるオーディオセットとあらかじめそのために作られた強固な床のリスニングルーム、そして多数のレコードなどのメディアの写真が掲載されていたのだが、そこでインタヴュアーが聴かせてもらった音源も並べられていて、ところがあまりにも初心者的なジャズアルバムばかりなので申し訳ないけれど笑ってしまった (最初に買うジャズアルバム10枚みたいな)。つまり音楽マニアとオーディオマニアは違うという結論なのである。

中古のレコードやCDを掘り返すのは、古書店で本を探すのとは少し違った感触がある。それは本がその場所で直接中身を確認できるのに対し、音楽メディアは再生してみなければわからないという障壁があるからだろう。すでに知っている音源ならともかく、そうでないときはいままでの知識とカンだけが頼りだからだ。

というほど大げさなものではないのだが、もう捨ててしまってもおかしくない外見の中古CDをサーチして性懲りもなく買ってしまう。Do As Infinityのベスト盤みたいなのがあってCD2枚にDVD1枚で税込100円って……。ちょっと高かったのが柴咲コウのアルバムとTK from 凛として時雨のアルバム。

TK from 凛として時雨は《Fantastic Magic》の初回盤でこれは当たりだったような気がする。YouTubeにはMVとライヴの映像とあって、MVのほうが音はクリアに聞こえるのだがライヴのパッショネイトな演奏のほうが響くものがあるかもしれない。疾走する音こそが命である。
こうしたラウドなバンドサウンドにヴァイオリンが入るのがちょっと好きで、E.D.P.Sを髣髴とさせたが、でもE.D.P.Sなんてもはや誰も知らない (こともないかも)。

凛として時雨はマイブラなんかと同じで、人によっては騒音にしか聞こえないので誰にでもおすすめしません。


Tk from 凛として時雨/Fantastic Magic (SMAR)
Fantastic Magic




Tk from 凛として時雨/Fantastic Magic (live)
https://www.youtube.com/watch?v=jg7JkYxu460

Tk from 凛として時雨/Fantastic Magic (MV)
https://www.youtube.com/watch?v=SJubeTlS9CQ

Tk from 凛として時雨/Dramatic Slow Motion (live)
https://www.youtube.com/watch?v=EpfExP8Yqaw

Do As Infinity/Tangerine Dream (live)
https://www.youtube.com/watch?v=VUpHGLJv9Qs

柴咲コウ/かたちあるもの (live)
https://www.youtube.com/watch?v=dglCkH5Gzyg
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末尾ルコ(アルベール)

CDも最早アナクロになってしまいましたか!となるとカセットテープのソフトなんか持ってたら、天然記念物扱いされるかもしれませんね。けっこう持ってましたが、全部捨ててしまってもう残ってません。今でも思い出します、リンダ・ロンシュタットと(どのオーケストラか忘れましたが)ムソルグスキーの『展覧会の絵』のカセットを買って友人宅に直行。人んちのラジカセで自慢げに『展覧会の絵』をかけて場の雰囲気をどっちらけにっせてしまったこと。もちろんEL&Pの影響だったのですが。

>何かメディアとしてのかたちが欲しいのだ。

わたしも濃厚にそれがありまして、配信よりもWOWOWなどで放送された映画をBDへ録画する方がどうにも充実した気分になります。

>初心者的なジャズアルバムばかり

いわば立派な書庫を構えながら、『坊ちゃん』、『走れメロス』、『風立ちぬ』などばかり並んでいる的な。あるいは映画通を自称しながら、『ショーシャンクの空に』(『花束みたいな恋したい』にそんな男が出てきました)とか『幸福の黄色いハンカチ』を上げる的な感じでしょうか。ちょっと違うような気もしますが(笑)。『幸福の黄色いハンカチ』、いまだ賞を独占しただけの価値がどこにあったか理解できないのです。

TK from 凛として時雨は少し前に『MUSIC BLOOD』へ出てまして、リスペクトするヴォーカリストとして稲葉浩志を挙げてました。稲葉浩志は(なるほどな)と感じましたが、TKは彼とどうしてもコラボしたくてダメもとでデモテープを作って送ったそうです。すると何と反応が返ってきて、本当にコラボ曲が実現したというエピソードが紹介されてました。番組の中で「BAD COMMUNICATION」をやったんですが、稲葉とはまったく違うテイストでおもしろかったです。
凛として時雨は好きなバンドですが、連続してこればかり聴くのはしんどいですね。やはり原田知世を並行して聴くとかバランスを取りたいところ。
と巧みに原田知世に繋げましたが(笑)、『the covers』ではファッションも本当に素敵で、わたし薬師丸ひろ子の歌も好きですが、この点は原田知世にあって薬師丸ひろ子にはない点だという気が。
RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2022-04-11 10:26) 

lequiche

>> 末尾ルコ(アルベール)様

カセットテープのソフトは、レコードほどではないですが
今、復活中です。ブームといってもよいです。
カセットは使い勝手が良いのがその理由らしいです。
プリンスの《1999》の再発盤には
メディアの種類にレコードと並んでカセットがありましたし、
今年4月発売のRed Hot Chili Peppers《Unlimited Love》には
輸入品ですがカセットテープがあります。
今年6月発売の山下達郎の新譜にもカセットの選択肢があります。
カセットのソフトを捨ててしまったのは惜しいですね。

初歩的な本と映画の比喩、まさにその通りです。
具体的なタイトルをあげるとわかってしまいそうですので
わざとタイトル名は伏せました。
いや、誰も知らないようなマニアックなアルバムを出せ、
とは言いませんがあまりに衒いがなさ過ぎるのもどうなのかな、
と思うのです。
何十年も聴いてきたのならもう少し工夫があってもよいはずです。
ピアノを何十年も習ってきたという人が
〈エリーゼのために〉とかブルグミューラーを得々として弾いたら
どのように感じるか、というのに似ています。
ただ、オーディオマニアの中には
大音量で石川さゆりを聴いたりという人も結構いるらしいです。
別に石川さゆりがダメということではありませんが、
でもそういうかたは音響好きなのであって、
音楽好きとはややニュアンスが異なると思うのです。

TKの〈Bad Communication〉はこれですね?

TK from 凛として時雨/Bad Communication
https://www.youtube.com/watch?v=YvDjnwX3hVo

この演奏はとても素晴らしいです。
B’zへの真摯なリスペクトが感じられます。
Music Bloodの内容の概略記事も読みました。
稲葉とTKの2人で歌っている動画も30秒ありましたが、
さすがに稲葉浩志はすごいですね。圧倒的です。

このブログで 「凛として時雨」 など話題にしても
ほとんど反応がないのではないかと最初から確信していますが、
私は、一概には言えませんがラウドな音には強いのです。(笑)
マイ・ブラッディ・ヴァレンタインもセシル・テイラーも
そうした嗜好の一環にあります。
ジャズにしても聴き始めはフリージャズですし、
コルトレーンは晩年のフリーフォームから聴きましたが、
私は現代音楽の延長線上としてフリーを捉えていたので、
コルトレーンがフリーになってからは聴きにくい
というような感想を持つ人からすると真逆なポジションなのです。

でも原田知世や薬師丸ひろ子をビジュアルを含めた点で聴くのも
ひとつの方法論ですし、J-popはそのような付帯条件 (^^;) で
進化してきたのも事実ですから。
by lequiche (2022-04-12 04:05)