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at THE RECORD SHOPパンフのことなど [雑記]

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タワーレコードにat THE RECORD SHOP 2022というパンフレットがあった。
なにげなく貰ってしまったのだが日本全国のレコードショップが紹介されていて、もちろん全部ではないのだけれど結構面白いし使える。もちろんタワーレコードだけではなくて競合相手であるHMVのショップもきちんと紹介されているし、ところどころにショップオーナーへのインタヴュー記事などもはさまれている。

もう1冊、レコードストアデイに合わせたレコード紹介のパンフレットもあるのだが、このどちらもがテクニクスのレコードプレーヤー SL-1200MK7の宣伝にもなっている。
今回のSL-1200MK7は上面パネルが7色展開になっていて、DJに使ったら映える仕様にされているようだ。かなりカッコイイ。それと、今年のレコードストアデイでは7インチ、つまりシングル盤の発売が非常に多い。

ところが『SWITCH』5月号の特集も 「アナログレコード再発見」 となっていて、サカナクションの山口一郎の記事がトップにあるが、この雑誌も実質的にSL-1200MK7が取り上げられていて、テクニクスのプロモーションに近い雰囲気である (念のために書いておくと、テクニクスとはパナソニックのオーディオ用ブランド名である)。

書店にはルシア・ベルリンの『すべての月、すべての年』が大量に積まれていて、これは岸本佐知子の翻訳である。岸本佐知子とは、もちろんあのオバカでインテレクチュアルなエッセイで知られる岸本であるが、このルシア・ベルリンは彼女の本業であるマジメなほうのお仕事の成果である。私の購入したのはサイン本で、岸本先生の名前の下に、富士山みたいなマークが描いてあった。わーい。
ルシア・ベルリンの1冊目の『掃除婦のための手引き書』はこの2冊目に合わせて文庫が発売になったが、実は原書はこの2冊の内容を合わせたものだとのこと。つまり1冊にするのには厚過ぎるので——というか、実際にはまず様子見として1冊目で半分出してみて、いけそうなので2冊目を出したということだろう。

リチャード・パワーズの『黄金虫変奏曲』も翻訳が発売された。1991年の作品であるが、ハードカヴァー2段組で870ページもあり小ぶりの漢和辞典みたいで、寝転がって読むことが不可能な本である。

宇多田ヒカルのアナログ盤は後発の4〜6枚目がユニヴァーサルからリリースされた。1〜3枚目は再発だったが、この4〜6枚目は初アナログ化である。ソニーに移ってからの2枚もアナログ盤がリリースされたので、メインのアルバムは全てアナログが出揃ったことになる。
どれも2枚組になっているのは音溝に余裕を持たせてプリエコーも少なく、という意図なのだろうが重くて仕方がない。最近はLPでも片面の収録時間を少なくして音質向上をはかるという流行があって、さらに45rpmにすることさえあるが、『NIAGARA TRIANGLE Vol.2 読本』の中でのエンジニアの話によれば、かならずしも45rpmのほうがよいとは限らないとのことである。
Awesome City ClubのPOLINは『SWITCH』5月号で、宇多田ヒカルをアナログで聴いていると書いているが、トーキング・ヘッズの《Stop Making Sense》を持っている写真があって、ライヴ盤で演奏もヨレヨレだし歌のピッチも緩いのに、それをそのまま出してしまうという潔さと自由さが素晴らしいと言っていて、う〜ん、うまい褒め方だなぁと感心してしまいました。

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ルシア・ベルリン/すべての月、すべての年 (講談社)
すべての月、すべての年 ルシア・ベルリン作品集




ルシア・ベルリン/掃除婦のための手引き書 (講談社文庫)
掃除婦のための手引き書 ――ルシア・ベルリン作品集 (講談社文庫)




SWITCH Vol.40 No.5 特集 アナログレコード再発見
(スイッチパブリッシング)
SWITCH Vol.40 No.5 特集 アナログレコード再発見(表紙巻頭:山口一郎)




リチャード・パワーズ/黄金虫変奏曲 (みすず書房)
黄金虫変奏曲




宇多田ヒカル/ULTRA BLUE (Universal Music)
(レコード)
【Amazon.co.jp限定】ULTRA BLUE (生産限定盤)(2枚組)(特典:メガジャケ付)[Analog] ※5月中旬以降お届け予定




島谷ひとみ/真夜中のドア〜STAY WITH ME〜
(松原みきの大ヒット曲のカヴァー)
https://www.youtube.com/watch?v=8nj-qzw4YXo

Stop Making Sense - Official Trailer
https://www.youtube.com/watch?v=yCXT5Fs-V10

Talking Heads/Stop Making Sense (Full Show)
https://www.youtube.com/watch?v=-oVami1uT7Q
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coco030705

島谷ひとみさんって、知ってるような気がするのですが、あまりメジャーヒットはしなかったのでしょうか。「島谷ひとみ/真夜中のドア〜STAY WITH ME〜」いい曲ですね。島谷さん、美人ですね。

ところで、話は変わりますが今日、たまたまBS-TBSにチャンネルを合わせたら、由紀さおり司会の歌番組で、大滝詠一特集をやっていました。演歌歌手や、ポップス、純烈なんかも出ていて、皆が大滝さんの名曲を歌うという、いい番組でした。私がカラオケで歌いたい大滝さんの歌は、「幸せな結末」と「夢で逢えたら」です。これからyoutubeで練習するつもり。「冬のリヴィエラ」もいい歌ですが、難しいですね。
by coco030705 (2022-04-29 22:58) 

lequiche

>> coco030705 様

島谷ひとみはカヴァー曲が比較的ヒットしているようです。
一番有名なのはたぶん 「亜麻色の髪の乙女」 でしょうか。
この曲はグループサウンズのヴィレッジ・シンガーズがオリジナルです。
それをディスコ調に編曲したのが島谷ヴァージョンです。

島谷ひとみ/亜麻色の髪の乙女 (live 2002)
https://www.youtube.com/watch?v=fztA4HF0oTc

尚、「亜麻色の髪の乙女」 というタイトルは
ドビュッシーの邦題から採られたものと思われます
といっても曲の内容は全く関係ありませんが。

大瀧詠一特集、それは知りませんでしたがよい番組でしたね。
幸せな結末は木村拓哉と松たか子のドラマ
《ラブジェネレーション》の主題歌ですが、
「ラブジェネレーション」 というタイトルの元ネタは
ジャックス (早川義夫) の曲〈ラブ・ジェネレーション〉
を意識したのではないかと思います。

大瀧詠一/幸せな結末
https://www.youtube.com/watch?v=5OG5UQ4toCM

このドラマのDVDはなかなか発売されず、
最近になってやっと発売されました。どうしてなのかは不明です。

〈夢で逢えたら〉は超有名曲ですね。
カヴァーもたくさんありますが、
たぶんシリア・ポールがオリジナルだといっていいと思います。

シリア・ポール/夢で逢えたら
https://www.youtube.com/watch?v=dvLJ-6FuIHY
by lequiche (2022-04-29 23:52) 

英ちゃん

島谷ひとみさんは、元々は演歌歌手だったらしいね( ̄▽ ̄;)
by 英ちゃん (2022-04-30 01:03) 

末尾ルコ(アルベール)

イオン高知はずいぶん前にタワーレコードが撤退し、HMVになってますが、タワーレコードの店構えの方が好きでした。他地域のショップについては知りませんが、高知のHMVは店構えがちとチープで、タワーレコードの方がより文化的な薫りがしてたものです。
昭和の時代はお街のレコードショップでLPなどを買っていて、それぞれにひとくせあるスタッフがいたりして、クイーンのフィルムコンサートとかも満員の盛況だったとか、濃厚な思い出があります。
ルシア・ベルリンやリチャード・パワーズ、そして岸本佐知子も未読でして、これは読まなきゃですね。
それにしてもこうした作家たち、経歴を見るだけでも刺激的で愉しいです。余談となりますが、ルシア・ベルリンとの共通点も指摘されるチェーホフですが、最近彼の小説をあらためて愛読しておりまして、その美しさに陶然としております。なのでベルリン、ますます読みたいです。さらに余談ですが、岸本佐和子が子ども時代に愛読していたという中勘助の『銀の匙』も少し前に読みまして、これまた素晴らしい。そして岸本が卒論のテーマとしたリチャード・ブローティガンは大好きな米国作家の一人です。ブコウスキーなんかも好きだなあ。
POLINは映画『花束みたいな恋をした』へちらっと出てるのが印象的でした。「勿忘」って、映画の中じゃかからないんですよね。トーキング・ヘッズがお好きなんですね。彼らの音楽古びませんよね。デヴィッド・バーンもいろいろ活躍していて嬉しくなります。


『xxxHOLiC』は玉城ティナなどキャストが魅力的で、これは早く観たい。玉城ティナは蜷川実花と組んで写真集も出してます。
YMOのスーパー・エキセントリック・シアター、おもしろかったですね~。何度も聴きました。ヒコロヒーをご注目されているということ、わたしも注目してみます。
シソンヌはじろうが脚本の『美人が婚活してみたら』という映画、素晴らしくおもしろかったです。
藤井風とセルジュ・ゲンズブール…分かるような気がします。聴いてしまったら、「声が心の中に強く残り続ける」という共通点も感じます。                        RUKO                         

by 末尾ルコ(アルベール) (2022-04-30 06:00) 

lequiche

>> 英ちゃん様

長山洋子はアイドル→演歌歌手ですから
ちょうど逆ですね。(^^)
by lequiche (2022-05-01 01:13) 

lequiche

>> 末尾ルコ(アルベール)様

このパンフはアナログ盤を扱っているショップが主ですので
残念ながら高知HMVは載っていません。
高知市のアハナムジカという店が掲載されています。
愛媛県では4軒選択されているのですが。
タワーレコードはタワー限定のCDやレコードなどもあって
がんばっているなという印象があります。
それとクラシック系の音楽はタワーのほうが強いですね。

リチャード・パワーズは私にとって最重要作家です。
『黄金虫変奏曲』は1991年の作品ですが
量的にはヘヴィーです。
2014年作の『オルフェオ』については
随分以前に記事にしましたのでご参考まで。
https://lequiche.blog.ss-blog.jp/2015-10-09

ルシア・ベルリンは亡くなってから人気の出た作家で
それを選んで翻訳した岸本先生を大変尊敬しております。
チェーホフはよく知らないのですが、
中央公論社版全集の第12巻だけ持っています。
たしか 「かもめ」 を読む必要があって買ったのだと思います。
中勘助もよく知らないのですが、
岩波書店版の全集第1巻だけ持っています。
「銀の匙」 が収録されている巻ですね。

POLINは最近、髪の色がブルーからブロンドになりましたが
ブロンドのほうが自然な感じがしますね。
青はあまりにエキセントリックというか……。
でもそれがよかったとも言えるんですけれど。
彼女は80年代の音楽が好きと言っています。
宇多田ヒカル、トーキング・ヘッズ以外では
ブロンディ、バグルス、ペット・ショップ・ボーイズ、
ピート・シェリー (バズコックス) などの
レコードを掲げている写真があります。

CLAMPはとても好きなのですが
『xxxHOLiC』も『ツバサ』も息切れしてしまって
全巻は持っていないんです。
映画は神木隆之介、柴咲コウ、玉城ティナetc.
いかにもCLAMPらしい配役です。
それに音楽が渋谷慶一郎なんです。

SETはYMOのあのアルバムで
俄然注目されたという感じもあります。
ヒコロヒーは齊藤京子と2人でMCしている
テレビ朝日の《キョコロヒー》という番組が面白いです。
ヒコロヒーはUKのロックが好きとか言っていました。
ダイアー・ストレイツとかオアシスとか、です。
by lequiche (2022-05-01 02:38)