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コシミハル《秘密の旅》 [音楽]

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コシミハル

金曜日、TokyofmのALL-TIME BESTを聴いていたら、いきなりニルヴァーナの〈Smells Like Teen Spirit〉がかかって《NEVERMIND》発売から30周年で記念アルバムが出たのだそう。それはいいとして、番組パーソナリティのLOVEちゃんは中学生の頃、コピーバンドをやっていてこのニルヴァーナもコピーしたのだそう。なつかしい〜、って言ってたけど、やぱフツーの人とはちょっと違うよね。
と、ニルヴァーナに軽くふれておいて。

コシミハルのアルバム《秘密の旅》は6年ぶりのリリースとのことである。
細野晴臣が見い出した何人ものミュージシャンの中で、特異なのがコシミハルと戸川純であり、まさに細野の慧眼ここにありとあらためて思う (もっともスターボーという黒歴史もありますけど)。

コシミハルは1978年にデビューしたシンガーソングライターであったが、最初の頃はアイドル的な扱いでしかなく、NHKの歌番組《レッツゴーヤング》のサンデーズのメンバーとして出演していた。同番組は1974年から1986年まで放送されていたとのことだが、サンデーズというのは若手歌手を適宜チョイスしてグループとして位置づけたNHKの番組特有のアイデアだったといえる。
コシミハル (当時は越美晴) は1979年にサンデーズのメンバーとなったが、翌1980年4月に加わったのが新人歌手の松田聖子である。
下記にリンクした動画は同番組の1979年4月15日放送分である。オープニングで登場してくるピンクのジャケットの女性3人のセンターが越美晴、左が倉田まり子、右が佐藤恵利 (だと思う。すみません、よくわからなくて)。この動画の28’25”あたりから越美晴の〈きまぐれハイウェイ〉が収録されているが、この当時のアイドル全盛時代にはやや異質に映る。

この頃の無理矢理アイドル時代がコシミハルにとってどうだったのかはよくわからないが、細野晴臣にプロデュースされて以後のコシミハルは、本来の自分のポリシーを獲得できたのか、それからはほぼ同じ路線である。

《秘密の旅》は素晴らしい内容なのであるが、動画サイトではほとんど聴くことができない。タワーレコードの当該ページで各曲45秒だけ聴くことができる。

細野晴臣とのコラボ動画があったのでそれもリンクしておくことにする。
そして細野晴臣とのユニット swing slow の1996年にリリースされたユニット名をそのまま冠したアルバム《swing slow》が今年の12月にリミックスされて発売されるということだ。


コシミハル/秘密の旅 (BETTER DAYS)
秘密の旅




コシミハル/秘密の旅
https://tower.jp/item/5213886/

細野晴臣 with コシミハル/The Song Is Ended
live 2012.06.05
https://www.youtube.com/watch?v=Il0a99TgqIU

コシミハル/You do something to me
Madame Crooner (2013)
https://www.youtube.com/watch?v=FpWYBatd8DA

レッツゴーヤング 1979.04.15
きまぐれハイウェイ 28’25”〜
https://www.bilibili.com/video/BV1TW41147Jf
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コメント 8

英ちゃん

コシミハル=越美晴か~ なんとなくしか覚えてないけど(^_^;)
未だに歌手活動してるんだね。
by 英ちゃん (2021-11-14 02:15) 

末尾ルコ(アルベール)

ニルヴァーナが出た頃って、わたしロック聴いてなかったんです。だからいまだ正面きってニルヴァーナ聴いてないんですが、やはり凄いですか。
ちなみに(笑)わたしがヴォーカルやってたバンドは、PIL、セックス・ピストルズ、クラッシュ、ルースターズなどのコピーをやってました。

『レッツゴーヤング』は観てましたです。心底(くだらない)と思ってたんですが(パンクまっしぐらで心が狭かったですから 笑)、怖いもの見たさと言いますか、馬鹿々々しいもの見たさと言いますか、スゴイ番組ではありました、今振り返ってみても。正直(よくこんなことやるなあ…)というのはありましたが、歌も振付も衣装もスゴイものでした(カタカナの「スゴイ」ですが。
いまだ忘れられないのが同番組でサンデーズが歌ってた「ゼロハンポマト」という曲で、そのメロディ、歌詞、そして衣装に振付と、現在のJ POPではとてもとても到達できない(笑)異形性に満ちておりました。

戸川純は大好きで、ゲルニカの『改造への躍動』は毎日のように聴いてたです。テレビで「玉姫様」を歌った時も凄かったです。この「凄い」は漢字なのですが、(え?リハーサルでOK出たの?)と訝るほどの、日常性皆無のパフォーマンスでした。
パッヘルベルの「カノン」に歌詞をつけた「蛹化の女」がまた大好きで、いまだすぐにその歌詞が口をつくわたしです。

コシミハルは細野晴臣がプロデュースを始めた時期に音楽雑誌の宣伝ページで、「過去の彼女は過去であるけれど、これからは違う」的な(正確な文言は忘れましたが)意味の、確か細野の談話として言葉が使われてました。(細野さん、力入ってるなあ)と思ったものです。

>ビリー・ジョエルとかカーペンターズとか
ことごとく素晴らしい

この前オーソドックスなアメリカのロック、ポップ、プレスリー、ディラン、イーグルスなどを視聴したんですが、やはりいいです、あらためて聴くと。だからちょうどカーペンターズらも聴いてみようと思ってたところです。
アナログとの関連はまだよく分かりませんが、友人のフランス人が、「映画でCGシーンを観ても、それは自然のものではないから、人間の脳は無意識に拒絶している」と言ってたことがあります。この意見が彼のオリジナルか、何かで読んだのかは知りませんが、わたしはこの意見、好きです。
ABBAもいいですね。こうしたミュージシャンって、聴いてたり、「好き」と表明するの、昔なら気恥ずかしかったですが、多少なりとも心が広くなった今のわたしならきっと大丈夫ではないかと(笑)。
RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2021-11-14 09:54) 

caveruna

コシミハルがサンデーズだったことを初めて知りました!!!
by caveruna (2021-11-14 11:11) 

lequiche

>> 英ちゃん様

ピアノ弾きながら広瀬香美みたいな
シティポップねーちゃんをやってたのは
ごく初期だけですからね。(^^)
その後はマニアックといえばマニアックです。
by lequiche (2021-11-14 21:14) 

lequiche

>> 末尾ルコ(アルベール)様

ニルヴァーナは私もよく知りません。
後からの知識で知っているだけで、
早世したことによるカリスマ性はあると思うんですが、
やはり命を自分で縮めてしまうのはよくないです。

《レッツゴーヤング》の動画はYouTubeを探していて
たまたま見つけたものですが、
この時代はまだジャニーズがTVを席捲していない頃で、
誰だかわからない人がかなりいますが (笑)
まぁ、とてもキモチワルイ部分もありますけれど
今の音楽だって別の意味でキモチワルイことはありますし、
あの時代はこうだったんだろうな、と納得しています。
異形性……そういうの感じますね。
ただ、振り付けなどの演出は昔っぽいですけれど
今のEXILEをはじめとするオキマリのダンスよりは
むしろすがすがしい感じがしました。

ゲルニカのCDは全部持っていますが
《改造への躍動》はその中でも最高傑作だと思います。

〈パンク蛹化の女〉はこれですね。

パンク蛹化の女 (LIVE'85~'86)
https://www.youtube.com/watch?v=-uxpylXf5fQ

ヤプーズというバンド名はおそらく沼正三の影響でしょうが、
戸川純が本を出版したときサイン会に行きました。
彼女は黒のコムデギャルソンのワンピースかなんか着ていて
楚々としていてイメージとすごくギャップがありました。(笑)

大島弓子原作の映画《グーグーだって猫である》(小泉今日子主演)
は細野さんが音楽を担当していますが、
その演奏メンバーとしてコシミハル、青柳拓次、
高田漣、鈴木惣一朗などがクレジットされています。
マダム・クルーナーは良いですね。

脳はCGを無意識に拒絶しているというのはその通りです。
何か変だなと思ってしまうのでしょう。身体は正直です。
ABBAは新しい録音も聴いたのですが、
正直言って昔の音のほうが良いです。
最新作は何か音が加工されている感じがして、
それはたぶん声の衰えを隠すためにしたのでしょうが、
残念ながら昔のいきいきとした音にはかないません。
by lequiche (2021-11-14 21:15) 

lequiche

>> caveruna 様

たぶん意に染まないと思いながら出演していたのでしょうが、
当時、彼女がやろうとするコンセプトの受け皿は
無かったのだろうと思います。
by lequiche (2021-11-14 21:15) 

Rchoose19

名前に何となく記憶があったくらいで
どんな音楽をやっていたのかまでは覚えていませんでした^^;
細野さんのお眼鏡にかなったのなら
本物なんでしょうねぇ~~♪
by Rchoose19 (2021-11-16 12:54) 

lequiche

>> Rchoose19 様

そんなにメジャーな人ではありませんから
ご存知ない人がほとんどでしょうね。
細野さんの対女性歌手を考えてみますと
戸川純はゲルニカ《改造への躍動》へのプロデュースですし、
森高千里の《今年の夏はモア・ベター》も
プロデュースしていますが、あくまで森高のアルバムで、
細野+歌手というかたちでの
swing slowみたいなユニットはそんなにないはずです。
思いつくのは
細野晴臣+忌野清志郎+坂本冬美のHISでしょうか。
コシミハルは武満徹から褒められた
という話も聞きます。
by lequiche (2021-11-18 01:35)