AAAMYYY〈AFTER LIFE〉

AAAMYYY (Numéro TOKYOより)

2月6日の《関ジャム》を観た。タイトルは ｢蔦谷好位置持ち込み企画　ミュージシャンの裏トーク第2弾！！｣ とのことで、これといってテーマの無いユルい企画。ゲストは発案者の蔦谷好位置、AI、TempalayのAAAMYYY、そしてスキマスイッチの常田真太郎である。

番組自体は面白かったけれどすぐに忘れてしまうような内容で、消費される番組の典型のようだったのだが、ゲストの中でAAAMYYYがなぜか気にかかった。なぜかと問われると ｢カン｣ で、としか応えられないがつまり何らかの ｢しるし｣ が感じられるからである。それで楽曲など、少しYouTubeなどで聴いてみる。

AAAMYYY (エイミー) は高校生の頃、軽音楽部でBUMP OF CHICKEN、RADWIMPS、椎名林檎といった曲をカヴァーしていたが (GO!GO!7188の名前もあがっているのがいい) 、留学先のカナダでインディーズシーンを知り、DAWとしてGarageBandを知り、ひとりで曲作りにトライしながらも、やがてバンド活動を始める。GO RETRO、eimieといったエロクトロニカ系ユニットを経て、現在はTempalayのメンバーということになっているが、提供曲も多く、そして何よりそのソロの楽曲に魅力がある。そのような先進的音楽に染まりながら、同時に、子どもの頃に親や祖父母が聴いていた演歌の影響も刷り込まれているという。

SFが好きで2ndアルバムの《Annihilation》というタイトルはナタリー・ポートマン主演の映画《アナイアレイション —全滅領域—》 (監督：アレックス・ガーランド/2018) からとられているとのこと。このアルバムのラス前に置かれている〈AFTER LIFE〉に引き寄せられる。たぶん2ndアルバムのメインであり、PVも作られている。0’18”から入って来るスネアとヴォーカルのコントラスト、ときに寂寥を感じさせる音色のシンセ、トリッキーな転調、そして全体を覆う粘度の高い官能。

OKAMOTO’SのオカモトレイジによるAAAMYYYの自宅スタジオ訪問という動画があって、なかなか楽しい。ノイマンのマイクがあるのは当然だが、最近はレコードを聴くようになったというのにも頷ける。


関ジャム2022年02月06日放送 (音楽ナタリーより)
(左から) AI、蔦谷好位置、AAAMYYY、常田真太郎


AAAMYYY/Annihilation
(ワーナーミュージック・ジャパン)





AAAMYYY/AFTER LIFE [Official Music Video]
https://www.youtube.com/watch?v=JPt6YlSOKSw&t=2s

AAAMYYYの自宅をオカモトレイジが訪問!!
https://www.youtube.com/watch?v=DzoIdZ4bp1U

コメント 4

AAAMYYYの「AFTER LIFE」、視聴させていただきました。
わたしAAAMYYY知りませんでしたが、素敵な歌い方ですね。まだ一度聴いただけなのでそのくらいのことしか書けませんが、今後も注目していきます。
ある種のテレビ番組ってまったく知らなかった人を知ることができる時がありますよね。『関ジャム』は高知では放送してませんが、『バズリズム』や『LoveMusic』など録画してよく流しています。
それにしても今の日本のポップシーンはおもしろいですね。FirstTakeでmilet、ikura、aimerが共演していて、しかも楽曲提供はVaundyとか、否が応でもでも気持ちが盛り上がります。
｢しるし｣という考え、素敵です。「カン」とも言えますでしょうし、わたしは「声」などと呼んでますが、何でもかんでも信じるのではないけれど、まったく無視するのも愚かなことですよね。
椎名林檎の名前が出てますが、YouTubeで『MUSIC　FUN』という番組、椎名林檎と亀田誠二の対談を観たのですが、これがすごくよかったです。
あの椎名林檎がですね、ある日とても精神的にきつい状態だったんですが、セブンイレブンの食べ物を買って、それがすごく美味しかったらしいんです。で、感激して、（自分も頑張らなくちゃ）と思ったと言うんです。
このエピソード聴いて、わたしも感激しましてね。（あ、椎名林檎ほどの人がコンビニの食べ物にこれだけ刺激を受けるんだ）と。つまり、「刺激を与えてくれるもの」はあまねく存在しているという。自分がそれらをいかに受信できるかが問題なのだと、あらためて再認識した次第です。
これについてはブログ記事にも書く予定です。

そう言えばわたしの体調についてのお言葉ありがとうございました。ああ、lequiche様にはあのような恥ずかしいこと知られたくなかった…などと記事にしといて白々しいこと書いてますが（笑）。臀部はもうだいたい治ってますが、その後またいくちか体調トラブルに見舞われてまして、それらも後日記事にしていきます（笑）。

…

ラップとかヒップホップは、わたしにとっては（悪くないけど、すごく好きでもない）という音楽です。ましてブルーノ・マースとかはまるっきり積極的に聴く気は起らない。アメリカの音楽は２０世紀の方がおもしろいなと思わざるを得ないです。

日本人の中にも非常にバランスよく外国文化を理解している人たちも多くいると思いますが、そうでない人たちの中には、例えば白人に対しては根深い劣等感があり、それが攻撃性を持つ憎悪に変換されている場合が多い気がします。しかし現在は中国・韓国に対する憎悪が圧倒的なのでトランプ的な思考に同調するとか。あるいは黒人に対しては、以前は日本ではまったく無視されていた黒人文化が現在はあたかも主流であるような勢いですから、（なんで黒人なんかが）という意識の日本人、けっこう多いような気がします。 RUKO

by 末尾ルコ（アルベール） (2022-02-11 19:27) 

こんばんは。
AAAMYYY/AFTER LIFE 早速聴かせていただきました。すごくいいですね。センスのいい歌（音楽）だなと思います。
1曲の中でころころと調子が変わるので、面白いですね。とても魅力的だなと思いました。
ついでに、可愛い猫を飼っているので、きっと優しい人なんだろうと勝手に思ってます。
by coco030705 (2022-02-11 23:22) 

>> 末尾ルコ（アルベール）様

AAAMYYYの2ndアルバム《Annihilation》は
全体的にもなかなか良いんですが、その中で
この〈AFTER LIFE〉という作品はぶっちぎりで特異です。
なんていうのか、いわゆる ｢降りてきた｣ 曲のような気がします。

あぁ、関ジャムの放送は無いんですか。それは残念です。
もっとも ｢マニアック過ぎる｣ という悪評もちょっとありますが。(笑)

FirstTakeはホントに1st takeのようで
あの緊張感が良いですね。
というか音楽ってそもそもナマモノなので
何度もテイクを録ってつなぎ合わせという手法が邪道なんです。
クロマニヨンズは全て一発取り、しかもモノラルですが
ロックは本来そういうものなんだと思います。

｢しるし｣ というとなんとなくキリスト教的な感じがしますが
何かが発散して来るのがわかる感覚ですね。
それは本でもありますし洋服でもあります。
むこうから ｢買ってくれ｣ と言ってくるんです。
AAAMYYYの場合は ｢聴いてくれ｣ という勧誘です。

椎名林檎と亀田誠治のMUSIC FUNは観ました。
コンビニの食べ物というのもひとつのきっかけですね。
極端にいえばそれが何でもいいんです。
なにかきっかけになる波長のあるものがあれば。
椎名と亀田の出会いというのはまさに神の配剤であって
亀田誠治がいなかったら椎名林檎は世に出なかったかもしれません。
亀田は初期の頃、Do As Infinityのプロデュースもしていますし
とても柔軟性のあるプロデューサーですね。

お身体はどうぞ大切に。
あと、ちょっとメールも致しましたが
差し出がましいことですが、読んでいただけたでしょうか。

ラップは英語に特化した音楽形態だと思います。
英語ネイティヴでないとニュアンスがわかりにくいですし、
日本語ラップは英語のラップとは全く違うもののように思います。
そしてアメリカの現状は前述の本からよくわかったのですが、
それを読んで逆に ｢ならJ-popでいいじゃん！｣ と気づきました。
韓国人のように無理して英語曲を歌わなければならない
というような縛りはやっていて面白くないですし
ストレスになってしまうような気がします。
もっともアメリカも単純な白人/黒人の対立でなくて
人種が複雑にからみあってきていますから大変だなぁと思います。
by lequiche (2022-02-13 03:04) 

>> coco030705 様

いつもリンクをお聴きいただきありがとうございます。
ルコさんへのリプライにも書きましたが、
この〈AFTER LIFE〉はアルバムの中でも突出していてすごいです。
ときどき、こういうことってあるんですよね〜。
それが音楽の面白さだとも言えます。

そうそう、猫がいましたね。
そして広々としたスタジオ兼用のお部屋はうらやましいです。
私の部屋はほとんど倉庫というかゴミの集積場なので。(^^;)
by lequiche (2022-02-13 03:06)