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大比良瑞希《Little Woman》 [音楽]

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大比良瑞希

七尾旅人の《Long Voyage》のPVを観ていたら〈ドンセイグッバイ〉という曲があって、デュエットしているこの人、どこかで見たことがある、と思った。タワーレコードのポスターでグレッチ持っていた人、とすぐに思い当たった。
グレッチといっても椎名林檎が〈丸の内サディスティック〉で歌っている、ベンジーにぶってもらいたいようなグレッチではなくて、ちょっと変わったデザインなのが印象に残っていた。妙に大きくてぶっきらぼうなヘッド。スラントしたマイク。音楽よりもまず楽器なのか、と自嘲してしまう。

大比良瑞希の《Little Woman》は1年ほど前にリリースされたアルバムだが、たとえばオフィシャルのPV〈遠回り〉でも、けだるいギターの音色が心に残る。宇多田ヒカル的テイストも、やや感じるけれど。今、オフィシャルサイトで《Little Woman》の全曲を聴くことができる。ジャケット写真のぬいぐるみはNUIGURUというぬいぐるみ作家の作品とのこと。

この〈遠回り〉には札幌のWORLD BOOK CAFEでの2021年12月のギター弾き語りのライヴ映像もあり、ややスローなテンポで展開されるこの曲のけだるさが、まとわりつくリフが、ソロで歌うことでより強調されていて、グレッチのギターの音色も堪能できる。ピックを使わないのはジェフ・ベックみたいで、でも出てくる音は全然違う。

《Little Woman》の収録曲〈ダージリン〉のオフィシャル映像と、1stアルバム《TRUE ROMANCE》の2016年のライヴ映像も下記にリンクしておく。

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大比良瑞希/Little Woman (サンバフリー)
Little Woman




大比良瑞希/遠回り (Official Lyric Music Video)
https://www.youtube.com/watch?v=H6wheQiwU08

大比良瑞希/遠回り
2021.12.3 at World Book Cafe
https://www.youtube.com/watch?v=BZs7_ViYQ6E

大比良瑞希/ダージリン (Official Music Video)
https://www.youtube.com/watch?v=T5g3L6rZZkU

大比良瑞希/Sunday Monday
2016.11.30 at Roppongi Varit
https://www.youtube.com/watch?v=dX_IE6LDA9g

七尾旅人/ドンセイグッバイ
https://www.youtube.com/watch?v=tBLvRvQHhm4
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末尾ルコ(アルベール)

大比良瑞希はまったく未知のミュージシャンでした。リンクしてくださっている動画、概ね視聴いたしました。素晴らしいですね。
声もギターの音色もとても心地よく入ってきます。初めて聴いたばかりなのでまさに第一印象でしかありませんが、彼女の歌、そしてギターから「ソウル」という言葉と意味が薫ってきました。
また愉しみなミュージシャンをご紹介いただき、有難うございます。大比良瑞希についても今後探索していきたいと思います。
女性ヴォーカルとギターとしては、最近竹内アンナがいいなあと感じてます。曲もギタープレイもなかなかのセンスと技術なのではないかと。

草笛光子のような方がメディアで溌剌とした姿を見せてくれるだけで、多くの人々に勇気を与えてくれますよね。しかも女優としてバリバリ出演し続けている。凄い方です。
井口理の回もおもしろかった。YouTubeなどで彼の動画いろいろ視聴してますが、「いつもふざけている」というイメージだったんです。ところが「普段は無口」とか、やはり画面上の振舞いだけでは分かりませんね。
「子どもの頃から家族で映画好き」というのが何と言っても嬉しかったです。俳優としての井口も応援していきます。


「おたく」という言葉ですが、その意味する範囲がどんどん広がっているのですが、いまだ一部「おたく」気質は自分らの愛好する存在を(できたらあまり広く知られたくない)という傾向があるのではと。だから時に愛好される対象としては痛し痒し、極端な場合は害にさえなる場合がありますね。 RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2023-03-01 20:21) 

lequiche

>> 末尾ルコ(アルベール)様

私の嗜好はいろいろあって
支離滅裂のように見えるかもしれませんが、
自分の中では一定の判断基準があります。
ただ、アカデミックなのは嫌いなので
理論的に突き詰めるような方向には行きません。
簡単にいってしまえばインスピレーションで
レコードやCDの場合、ジャケ買いもそのひとつの方法です。
この大比良瑞希のジャケットはどこかで見て
潜在的に記憶が残っていたような気がします。
つまりグレッチのギターとぬいぐるみ、
どちらもかたちとしての記憶が音楽と結びついています。
大比良瑞希はR&B系ですがバリバリのソウルではなくて
うっすらとしたそのテイストがいいなと思います。

竹内アンナは大比良瑞希と同時期に
《TICKETS》というアルバムがリリースされましたが、
これも良いですね。
彼女のギターセンスもなかなかだと思います。

A-Studio、ご覧になったのですね。
鶴瓶の会話のもっていき方が上手ですので
エンターテインメントとして楽しめる番組です。
話してみると当初と印象が異なる人も多いように感じます。

オタクはつまりマニアなのですが、
ややニュアンスが違っていて、
より独善的・閉鎖的なのがオタクなんだと思います。
でも人それぞれであって、オタク人気があるため
普遍的な人気が得られないというのも
実はそうした非・普遍的キャラクターであるということの
裏返しなのかもしれません。
そのへんの境界線とかニュアンスはむずかしいです。
by lequiche (2023-03-04 01:18)