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Music Specialのドリカム [音楽]

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DREAMS COME TRUE (THE FIRST TIMES 2023.03.27記事より)

5月4日、NHKTVのMusic SpecialでDREAMS COME TRUEを見た。
NHKの101スタジオにおけるライヴ映像である。4月6日にすでに放送された内容とのことだが、今回のは全曲を放送する完全版ということになっている。もちろん観客を入れてのライヴであり、コロナはまだ完全に終息してはいないけれど、こうしてライヴができるようになったという意味において暗黒の時代から少しずつ脱却しつつあることは確かだ。

コロナ禍の間、コンサートがすべてキャンセルになってアクティヴになれないときを経験したと吉田美和が言う。飲食業や旅行業と違って音楽業界はずっと虐げられてきたと私も思う。この国はすべて経済主導であり、芸術・文化をないがしろにしているようだ。

NHKの101は広いとはいっても所詮スタジオなので、このライヴの観客はプラチナチケット以上のラッキーな人たちである。演奏は管を含めたバンドにダンサーというオーソドクスなセットで、とりあげられた曲も大ヒット作品ばかりでなく、58thシングル〈スピリラ〉までを含む、やや短い時間内に合わせた変化に富んだプログラムであった。
5月11日午後11時までならNHKの見逃し配信で見ることが可能である。

それと同時にオフィシャルサイトでは101スタジオでの演奏そのものではなく、各演奏曲の過去のコンサート映像が公開された。この中では〈YES AND NO〉における武藤良明のギターが素晴らしい。〈YES AND NO〉はNHKの101スタジオのプロモーション映像でハイライトが用いられているが、暗くてややネガティヴでナマな歌詞が特徴的で、アクティヴでないときの心情が反映されているような気持ちになる。

そして、そうした吉田美和の言葉に引き寄せられたわけではないのだが、101スタジオでのライヴの印象として、まるっきり全開のドリカムではなく、なんとなくかすかにだが暗い翳、あるいは愁いを感じたのは気のせいだろうか。それは大きなコンサート会場でなく、スタジオライヴという場所で醸し出された機微なのかもしれない。


DREAMS COME TRUE/YES AND NO
(from ACOUSTIC風味LIVE)
https://www.youtube.com/watch?v=oaBzl4_5xUc

NHK MUSIC SPECIAL DREAMS COME TRUE ドリカムLIVE完全版
101スタジオライヴ予告映像 (YES AND NOの一部)
https://www.youtube.com/watch?v=XZsFiQ18dDA

Music Special演奏曲の別ヴァージョン
https://www.youtube.com/playlist?list=PL5XfxmiFda5usJPCzaaXxNFK90aatMZXT
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コメント 10

末尾ルコ(アルベール)

このライブ、観ました。愉しめました。録画してるので、何度となく鑑賞しようと思ってます。
それにしても吉田美和57歳、中村正人64歳なんですね。驚いちゃいますね。二人ともすごく若いです。もちろん見た目の若さをことさら重視しているわけではないですが、人間の可能性というものを考えるとき、こうした人たちの活躍はわたしたちを勇気づけてくれます。

>すべて経済主導であり、芸術・文化をないがしろにしている

本当にそうで、この件に関しては言いたいことが100万年分くらいあるのですが(笑)、例えば2021年でしたか、吉永小百合が「演劇はよくて、しかし映画館には休業要請が出ている」と憤っていましたが、これももちろん誰しもが納得する基準があったわけではなく、為政者などがかなり出鱈目に決めた基準をそのまま適応しただけで、吉永小百合の怒りももっともでした。万事が、「経済、経済、経済」です。
おっしゃる通り、この距離でドリカムのライブを愉しめた人たち、プラチナなんてもんじゃないですね。そして無人ライブや配信ライブの、正直なところ味けなさを経験してきたわたしたちは、人間の声が響き渡る空間の素晴らしさを強く再認識しているのが現在でしょうね。もちろん新型コロナの潜在的脅威を甘く見るわけにはいきませんが。

>「与えられたもののなかから、自分で選びとった人生を走り抜けている人をジャッジするなんて、誰にもできないんじゃないのかな」

このお話の続きですが、「ジャッジ」というのはわたし自身、振り返れば自然とやってきた精神行為でして、もちろん普通は心の中でやっているのですけれど、心の中は時に外部まで滲み出てしまうものなんですよね。だから気はつかなかったけれど、子供時代からのわたしのそうしたところを嫌っていた同級生などもいたのだろうなと、人間関係に鋭敏でなかったのでずいぶん後から思い至ったものです。
ところが高校くらいから、(自分がジャッジされている)ことに気づきまして、特に進学校に入り、それなりの努力をしなかったので成績は極めて悪く、そして周囲は「学校成績が至上の価値判断」という人間がほとんどで、そうなるとわたし自身がいくら(おれは地頭がいいんだ)と信じていても、周囲は自動的にわたしをヒエラルキー最下位クラスに置いているんですね。
もちろん(ジャッジされている)苦しさは学校成績だけではなかったし、「ジャッジ」と「見えないヒエラルキー」は分かちがたく結びついていて、10代後半から20代前半は大いに苦しみました。
まあしかし結果論ですが、わたしにとってはそうした精神的大煩悶が自分の人生に大いなる奥行きを与えてくれたとは、いつしか思うようになりました。ただそのような人生のつまづきは、人によったら取り返しのつかない方向へ進む場合もあり、その意味では自分はよく危険な時期を生き抜いたなとの想いもあいます。今後どのくらい生き抜けるかという問題はありますが(笑)、もちろんできる限り生き抜くよう努力してはおります。          RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2023-05-07 10:32) 

TAK

感激しました!(番組のMCは要らないかな…)
by TAK (2023-05-07 13:25) 

coco030705

ドリカムはじめ、色々なアーティストにとって、コロナ禍は本当に厳しい時期でしたね。(まだ終わってませんが)
日本は「芸術・文化をないがしろにしている」というのは、同感です。
国として、色々できることがあるはずなのにね。政治が悪いと思いますね。
by coco030705 (2023-05-07 15:47) 

バク・ハリー

最近の曲では「YES AND NO」が好き。
東日本大震災後も、人を励ますことを生きがいとしてきた吉田美和ちゃんでさえ、「コロナ禍で、歌えないことが悲しすぎて、もう何もやる気しなくなっちゃて、背中丸めて家にいた。意外にそういうときに、アクティブになれない自分もいたんだなぁって、すごく気づいた」という語りは本音っぽくて良かった。
「最近みんなと会えるようになってきて、ちょっと元気出てきた。だから、心にしたがって、いる。無理してないかもしれない。・・・一日一日をみんなで生きていこうね」ってことは、ちょっと無理してたのかな?
(ナレーションMCは、私も無い方がよかったと思います。それとNHK +の画質悪すぎwww)
by バク・ハリー (2023-05-08 11:34) 

lequiche

>> 末尾ルコ(アルベール)様

ご覧になりましたか!
何度もの鑑賞にも耐えるライヴでしたね。
ドリカムのライヴには行ったことがありませんが、
映像で観ていていつも思うのは
スタジオでのオリジナルの録音よりも
ライヴでの歌唱・演奏のほうが勝っているように思えます。
そのテンションの高さと、それにもかかわらず
歌唱がどこまでも正確であり全く乱れないところに
プロ根性を感じます。

コロナ禍に関してはその対応が非常に不均衡であり、
つまり声が大きい業界はトクをしていて
そうでない業界は非常に厳しい状況に陥ったように感じます。
吉永小百合の言う演劇と映画の待遇差というのは
まさにその通りで、感染リスクから考えると
むしろ演劇のほうが危険だと思うのですが。

他人をジャッジするという行為は
逆に他人からジャッジされてしまうこともある
ということですね。
因果応報というか、それは仕方がないこととも言えます。
私は学校成績が良いか悪いか、みたいなことは
ほとんど考えたことがありませんでした。
他人との比較とか他人への嫉妬みたいな感情が
あまり芽生えていないんです。
他人は他人、自分は自分であって、
つまりそんなことはどうでもいいと思っていたので
むしろそれよりももっと大事かもしれないけれども
面倒なことにかまけていたというのが実情です。
by lequiche (2023-05-10 02:34) 

lequiche

>> TAK 様

おぉ、そうでしたか。
十分に満足のできるライヴでしたね。(^^)
by lequiche (2023-05-10 02:35) 

lequiche

>> coco030705 様

コンサートなどの活動が少しずつ戻って来ていますが
でもまだ完全ではありません。
それにこの禍根は未来までずっと残ると思います。
コロナによって変化して新しい習慣となったこともあります。
たとえばオンラインの会議とかネット配信とかですが、
私はそもそもオンラインなるものは欺瞞だと思っていますので
キモチ悪い習慣がそのまま定着してしまうのは
嫌だなと思うばかりです。
政治が悪い部分もあるのかもしれませんが、
オンラインに頼るのは人間が本来持っている怠惰な性格が
都合よく生み出したものだと私は思っています。
家にいながら仕事ができたり寝間着で会議ができたりするのは
そうした怠惰を正当化したものに過ぎません。
by lequiche (2023-05-10 03:03) 

lequiche

>> バク・ハリー様

人を励ますことは確かに良いことなのかもしれませんが
そんなに無理することはないと思うのです。
なぜなら、人のためにと思って尽くすことが
必ずしも理解を得ることにならないでむしろ逆になったり、
そうすることによって自分が疲弊してしまったりする……
そうしたことがあることを私は知っています。
思いやりとか同情心という言葉は
むしろ偽善なのかもしれないと思うほどです。

このライヴで、
強い性格だと思ってしまえるような吉田美和の
弱い部分が垣間見えたような気がして
それを語ってくれたことに大変好感を覚えました。
by lequiche (2023-05-10 03:13) 

Labyrinth

割り込みで失礼いたします~ (^_^ゝ
“オンラインに頼るのは人間が本来持っている怠惰な性格が
都合よく生み出したものだと私は思っています。”

このお言葉に甚く反応してしまいまして、つい出て来てしまいましたっ
2007年武道館で『THE SUPER DRY LIVE』というご招待ライブがあり…!
超の付く?お得感を味わったのですけれど・・・
前座が “Dreams Come True” そして目玉が “BON JOVI” でした♪
吉田美和ちゃんは確か?「1人にしないでね」とか言っちゃって女の子♪ ( ´艸`)
cute でしたよ。どちらもお初でした。w
by Labyrinth (2023-05-10 16:06) 

lequiche

> Labyrinth 様

ご賛同ありがとうございます。
Zoomのようなオンラインが大好きな人は
それを利用すればよろしいかと思います。
(Zoom大好きな人、結構多いです)
でも私はキモチワルイのでああいうのは使いたくないのです。
あんなので会議してもそれはうわべだけのもの。
ま、そもそも会議という予定調和システム自体が嫌いなので。

ドリカムとBON JOVI!
それはすご過ぎます。おトクでしたね。
super dryですか。
今も生ジョッキ缶が好評のようですけど。
BON JOVIは今もなお現役というのがたいしたものです。
ドリカムもまたハイテンションなライヴの復活を期待してます。
これからも元気に続けてもらいたいと思います。
by lequiche (2023-05-13 03:10)