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《奇妙礼太郎》を聴く [音楽]

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毎週金曜日の昼12時のTokyofmで《トーキョー・エフエムロヒー》というヒコロヒーの番組があって、昼のこんな時間帯にヒコロヒーは不似合いだよなぁと思いながらよく聴いている。深夜のTV朝日の齊藤京子との《キョコロヒー》もよく観ていて、そのユルさ加減が心地よい。ちなみに《キョコロヒー》の後のハマ・オカモトと齋藤飛鳥の《ハマスカ放送部》も輪をかけてユルくて、たぶんこのダブル・サイトーのアイドルの仮面をちょっと外したダルさ加減がこの時間に見事にハマッているんだと思う。

それはいいとして、そのTokyofmのオンエアでキョコロヒーが奇妙礼太郎のアルバムに参加して、一曲デュエットしていることを知った。収録されているアルバムは今回発売された奇妙礼太郎25周年記念アルバム《奇妙礼太郎》である。レコード店で見たらジャケットがカッコよかったので思わず買ってしまった。ときに尖鋭なものがあるのにそれを隠したソフトさと何よりもその特徴的な声も合わせて、こうした音楽もいいなあと思ってしまう。
HOPEというタイトルはたぶんタバコの銘柄とのダブル・ミーニングだ。

     *

YOASOBIはCDがリリースされたこともあって、HMVでは〈アイドル〉がガンガン流れていたが、英語版は少しインパクトが弱いように感じる。日本語詞のアクセントや韻を含めた構造に較べて、英語詞は完全に対応できていないからだと思う。
それより同時期にupされている〈セブンティーン〉のほうがいつものYOASOBIっぽいテイストで聴かせる。原作は宮部みゆき 「色違いのトランプ」 とのことだがPVの冒頭の不穏なイメージとそのタイトルから思わず連想してしまうのは大江健三郎の 「セヴンティーン」 であって (いや、でもそんなこと、もはや誰も連想しないか)、途中の思い切り歪ませた音声の部分は、かつての暴走Pの〈初音ミクの消失〉が記憶のなかから蘇ってくる。

     *

ラルフ・タウナーの《At First Light》は83歳のギタリストの最新ソロ・アルバム。シンプルなモノクロのジャケットが美しい。音楽が美しいのはもちろんだが。最初に買ったタウナーのアルバムは紫色をベースにしたデザインの《Solstice》だったが、これもジャケ買いだったのかもしれない。まだ西ドイツ盤だった頃である。

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トーキョー・エフエムロヒーでの奇妙礼太郎とヒコロヒー


奇妙礼太郎/奇妙礼太郎 (ビクターエンタテインメント)
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奇妙礼太郎/散る 散る 満ちる feat. 菅田将暉
https://www.youtube.com/watch?v=2eQnAIvv9ZI

奇妙礼太郎/HOPE feat. ヒコロヒー
https://www.youtube.com/watch?v=CJ-quOMeO6I

奇妙礼太郎/かすみ草
https://www.youtube.com/watch?v=mAa2GvyOgyc

YOASOBI/アイドル
https://www.youtube.com/watch?v=ZRtdQ81jPUQ

YOASOBI/セブンティーン
https://www.youtube.com/watch?v=0yoM7ETNPIY
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コメント 6

バク・ハリー

灰 灰 灰になる〜 (^。^)
奇妙礼太郎さんのこと初めて知りましたが、いいですね。しばらくハマりそう。あと、ヒコロヒーの声が、全然別人に聞こえました。“推しの子” は、時間がなくて最初のほうしか見てないですが、YOASOBIの「アイドル」や「セブンティーン」は結構好きな曲です。Ralph TownerはDLしたので、じっくり聴きたいと思います。
by バク・ハリー (2023-06-25 10:05) 

末尾ルコ(アルベール)

リンクくださっている動画、視聴させていただきました。いいですね、奇妙礼太郎/HOPE feat. ヒコロヒー、いいですね~。歌詞もいいです。全体的にちょっとはっぴいえんどとか、あるいはつげ義春的な雰囲気も感じました。あと、菅田将暉、凄いですよね。本業の俳優としての活躍も凄まじいのに、歌い手としてもいろんなミュージシャンとコラボしている。怪物的活躍に感じます。少し前の『SONGS』で彼が「あくまで俳優としての、歌への向き合い方」について語っていました。本当にスマートな知性と感性だと思います。
ラルフ・タウナー、美しいです。多くの楽器を演奏し、多様な音楽性を持っている人なのですね。今後しょっちゅう聴いていきます。

・・・

ロレンス・ダレルの『アレクサンドリア、カルテット』、未読ですがおもしろそうですね。
未読と言えば、ロレンス・ダレルの『黒い本』、持っておりますがいまだ未読なのです。今回のお話をいいきっかけとさせていただいて、遂に(笑)読み始めようかな。
『映像の世紀』で「ビートルズの革命」を2度に渡り放送しまして、おもしろかったです。なるほどビートルズのやったこと、その影響力など、ローリングストーンズでは比較にならないですね。「ポップ」ということの凄みもあらためて分かりました。 RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2023-06-25 20:45) 

Boss365

こんにちは。
奇妙礼太郎さん初見・初耳でした。
清く?スッキリしたジャケットですね。
「奇妙礼太郎/HOPE feat. ヒコロヒー」を視聴しましたが・・・
「灰・灰・灰になる」洒落が効いた個性あるフレーズです。
リンクされた3曲、どれも良い曲ですね。
「散る 散る 満ちる」のフレーズ、こうありたいと思います。
P.S.lequicheさん、ご無沙汰しています。
すももに温かいコメントありがとうございます。すももを無事に虹の橋に見送ることが出来ました。「猫はガマンしてしまうので・・・」みたいですね。それでも早く体調不良に気付く責任ありました。すももに申し訳ない心持ちです。lequicheさん宅には「猫が5匹」いるみたいですね。色々とご苦労あり、大変ですが、適度に踏ん張って下さい(小生が言うのも変ですが・・・)。ニャンズの恩返しではないですが、lequicheさんを色々なコトから守ってくれます(多分)。すももを可愛がってくれて、ありがとうございました!?(=^・ェ・^=)
by Boss365 (2023-06-26 09:24) 

lequiche

>> バク・ハリー様

お聴きいただきありがとうございます。
灰 灰 灰になる〜 ←笑いますよね。(^o^)
最初に音で聴いていたので、歌詞を読んでみたら……。
あ〜、はい、はい。

ヒコロヒーはそのうち、ソロアルバムを出すんじゃないかと思います。

〈アイドル〉のikuraの歌唱はしたたかですね。
声が裏返る個所もわざとやっているようですし、
チョイ悪キャラみたいなのが出てきていて、
最初に聴いたとき誰か違う人なんじゃないかと思いました。
次はどう来るのか、楽しみです。

ラルフ・タウナーはECM創生期からのミュージシャンですので
まさに典型的ECMの音という感じがします。
by lequiche (2023-06-28 04:37) 

lequiche

>> 末尾ルコ(アルベール)様

最近はシティポップブームを越えて、
さらにもっと深いフォーキーな昔の曲や歌手に
陽があたってきているような気がします。
小坂忠など、リヴァイヴァルの兆しがあります。

奇妙礼太郎は基本的にフォークだと私は思います。
次記事にリンクした内田勘太郎とのコラボでもわかるように
憂歌団とか、そうしたブルース系の雰囲気も感じます。
今回のアルバムは冒頭3曲にコラボ曲を揃えていますが
菅田将暉、塩塚モエカ、ヒコロヒーと良いところを突いています。
戦略的な 「今」 が感じられます。
などと言ったら本人は嫌がるでしょうけど。

ロレンス・ダレルの『黒い本』は傑作です。
1冊ですから、4冊もある『アレクサンドリア・クァルテット』より
読みやすいですね。
あと、The Revolt of Aphroditeというのがありますが、
これは読んだと思いますがどんなだったか忘れてしまいました。
『アヴィニョン・クインテット』という作品もありますが
これは買ってありますが、読んでいません。

映像の世紀という番組は知りませんでした。
ビートルズは歌詞にもあらわれている思想的な面と
ごく技術的な面とのそれぞれに革新性があるように思えます。
by lequiche (2023-06-28 05:10) 

lequiche

>> Boss365 様

原由子のジャケットもそうでしたけれど、
ごくシンプルにミュージシャンが肖像のように佇んでいるような
デザインが私は結構好きです。
その人の音楽に対する矜持みたいなものが
あらわれているように思えるのです。
そして曲も詞もなかなか良いと思いましたので
ご紹介させていただいたようなわけです。

ペットを飼うというのは大変です。
人間と違って言葉でコミュニケーションできませんし、
想像力が必要です。
でも飼い主はその子がどのようになっても
最後まで責任があると思います。
そうではないイカレた飼い主もいるみたいですが。
一番不安なのは自分のほうが
ペットより先に死んでしまうことです。
これは難題です。
すももちゃんは残念でしたけれど、
猫の性格上、しかたがない部分もあります。
Boss365さんは最善のご対応をされたと思います。
ニャンズの恩返し……う〜ん、それがあると良いですね。(^^)
by lequiche (2023-06-28 05:22)