歌謡スクランブル — 涙のラブソングと森高千里作品集 [音楽]

西山毅 Official Channel (西山毅と奥野敦子)
10月6日のNHKFMで《歌謡スクランブル》を聴く。
この日のテーマは 「涙のラブソング(5)▽森高千里作品集」 とのこと。FMはいつもTokyofmに固定なのだが、この時間はchatGPT云々とかいう番組がつまらないのでNHKFMに切り替えることにしている。全部を聴いていたわけでなく切れ切れなのだけれど。
この番組、アナウンサー・深沢彩子の落ち着いた声が素敵だ。アナウンスだけでなく番組の構成もしているとのこと。
前半の 「涙のラブソング」 は涙にまつわる曲を集めている。「艶姿ナミダ娘」(小泉今日子) 「なみだ涙のカフェテラス」(ジューシィ・フルーツ) 「悲しくてやりきれない」(松本伊代) 「涙がキラリ☆」(スピッツ) 「祈り~涙の軌道」(Mr.Children) 「涙のイエスタデー」(GARNET CROW) 「この涙 星になれ」(ZARD) 「ハッピーエンド」(back number) 「初恋が泣いている」(あいみょん) 「half of me」(平井堅) 「Farewell」(Superfly) といった選曲。このなかで 「悲しくてやりきれない」 が松本伊代というのがナイスな選択。
KYON2もガネクロも懐かしいけど、たまにスピッツを聴くと良いなぁといつも思う。日本のシンガーソングライターといえば、私の好みではダントツで草野マサムネと槇原敬之です。
でもこの中で異彩を放っていたのがジューシィの 「なみだ涙のカフェテラス」 (近田春夫・作詞、柴矢俊彦・作曲) でした。ジューシィといえば 「ジェニーはご機嫌ななめ」 ばかりが有名だけれど、この 「なみだ涙……」 はコーラスやバックの音など、あちこちにワザがあるし、何よりもサビの部分で涙ということばが8回もヴァリエーションをつけて繰り返されるのが秀逸。この音作りはGSのパロディでもあり、いわゆるテクノ歌謡といってもよいけれど近田春夫はそんなストレートな解釈だけではとらえきれない。
後半の森高千里は 「17才」 「雨」 「私がオバさんになっても」 「渡良瀬橋」 「ハエ男」 「風に吹かれて」 「二人は恋人」 「気分爽快」 という選曲だったらしいのだが、このあたりはラジオから離れていたので聴いて無くて 「二人は恋人」 と 「気分爽快」 だけ聴きました (知ってる曲ばっかりだし、まあいいか)。
森高は 「17才」 とか 「私がオバさんになっても」 などが出世作だと思うんだけれど、もっとずっと後期の作品のほうが私としてはしっくりと来るので、アルバムでいうと《TAIYO》《DO THE BEST》あたり。《TAIYO》に収録されている 「SO BLUE」 が私の好みのベストトラックです。この《TAIYO》では森高が全曲ドラムを叩いているのにも惹かれる。ポンタさんが森高のドラミングを褒めていたのを思い出す。
「二人は恋人」 も 「気分爽快」 も好きな曲なのだけれど、もともとシングル曲で、アルバムではベスト盤の《DO THE BEST》にしか収録されていない。《DO THE BEST》をフェイヴァリットにあげたのはそれが理由です。
そして森高のPVなら上記の 「SO BLUE」 と、以前にもリンクしたけれどカーネーションとの 「夜の煙突」、これっきゃない。
それで西山毅 Official Channel に奥野敦子の回があった。ごく最近の奥野敦子ですが、ピンクのブギーで西山と合奏しています。トリッキーなイリアのソロをすぐに弾いてしまえる西山毅はやっぱりすごいです。ギターを弾き始めの頃の奥野が、ELPをガットギターでコピーしていたという話題が面白い (YouTubeの7’00”あたりから。2人での演奏は19’12”から)。
そういえば半年くらい前、某楽器店にイリア・ヴァージョンのピンクのブギーがぶら下がっていた。もちろん新品。デッドストックなのだろうか。でもすぐに売れてしまったのです。残念!(調べたら2017年にも再生産があったとのこと。それなら在庫がある可能性もあるよね)
西山毅 Official Channel
昭和の名ギターソロ探訪『ジェニーはご機嫌ななめ』
https://www.youtube.com/watch?v=xr53eit0ycI
ジューシィ・フルーツ/なみだ涙のカフェテラス
https://www.youtube.com/watch?v=D21i148ZoLQ
森高千里/SO BLUE (PV)
https://www.youtube.com/watch?v=yQyyWIf58kI
森高千里/二人は恋人 (PV/Color)
https://www.youtube.com/watch?v=S3Lpi9Ev9FI
森高千里 with CARNATION/夜の煙突 (PV)
https://www.youtube.com/watch?v=b9ZMzQ3-ERk
《参考》
Chisato Moritaka DVD Collection No.1〜15
(LD or VHSで発売されていた映像の再発盤)
以降にリリースされたライヴ映像作品 (〜1999年まで):
◆森高ランド・ツアー
1990.03.03 森高ランド・ツアー NHKホール
◆1990年の森高千里
1990.08.28 森高ランド・ツアー 浜松市民会館
1990.11.29 森高ランド・ツアー 宇都宮市文化会館
◆古今東西~鬼が出るか蛇がでるかツアー’91完全版
1991.03.03 古今東西~鬼が出るか蛇がでるかツアー 中野サンプラザ
◆ザ・森高
1991.08.22 ザ・森高ツアー 渋谷公会堂
◆CHISATO MORITAKA CONCERT TOURʻ92 LIVE ROCK ALIVE
1992.09.30 LIVE ROCK ALIVE 中野サンプラザ
涙の曲か・・・
さらば涙と言おう(森田健作)
涙のリクエスト(チェッカーズ)
なみだの操(殿様キングス)
などを思い出しました(^_^;)
森高千里の曲はほとんど知ってます(;^ω^)
だってアルバムやシングルもCDを結構買ったからね(^▽^;)
by 英ちゃん (2023-10-08 01:05)
>> 英ちゃん様
涙のラブソングは(5)ですから
過去の放送の(1)〜(4)の中に
そういう曲も入っていたかもしれないですね。
森高千里の初期CDシングルは貴重かもしれません。
1stアルバムのLPも入手しにくいです。
by lequiche (2023-10-08 02:08)
こんにちは。森高千里さんは今だにおばさんではありません。
だからあの曲は成り立っていないことになると思われます。
by kick_drive (2023-10-08 11:45)
>> kick_drive 様
なるほど。そうですね。
まぁ……つまりご自分のことじゃなくて
一般人の思いを代弁した歌詞だと考えれば
よろしいのではないでしょうか。(^^)
by lequiche (2023-10-08 18:21)
chatGPT云々の番組っていかにもおもしろくなさそうですね。わたしも普段はFM高知に固定していると『ディア・フレンズ』や『アレクサンドリア』などが流れてくるという寸法なのですが、ローカル番組含めつまらない番組どうしてもあります。そんな時に『歌謡スクランブル』とか英語やフランス語講座などを流しています。
ケアマネさん(エライザ)がスピッツというよりも草野マサムネ大好きで、ファンクラブへも入っていて、この前の高知コンサートも行ったというくらいで、我が家でもしょっちゅうスピッツが聴こえるようになりました。
草野マサムネはそれこそFMで『ロック大陸漫遊記』という番組をやってますが、ロック知識凄いですね。毎週テーマを決めていろいろ選曲してますが、よく毎週できるなあと感服してしまいます。
「名みだ涙のカフェテラス」はどんな曲かなあと視聴してみたら、よく知ってる歌でした。テクノ歌謡という指向性は当時からよく伝わってきました。「歌謡」ではないですが、ヒカシューやP MODEL、プラスティックスなんかもよく聴いていたこと思い出しました。
森高千里、「SO BLEU」、カッコいいですね。そして「夜の煙突」、稲垣足穂のの『一千一秒物語』を連想しちゃいました。RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2023-10-08 20:59)
>> 末尾ルコ(アルベール)様
たぶんMS系のスポンサードの番組だと思いますので
仕方がないといえば仕方がないです。
草野マサムネの番組は知りませんでした。
過去のオンエアリストを見てみましたが面白いです。
BostonやBlur、The Carsなどの特集日があると思ったら
横浜いれぶん/木之内みどりも選曲してるとか。
リンク動画のなかでイリアさんも語っていますが
ジューシィ・フルーツというバンドは
もともと近田春夫のバックバンドから派生したものなので
ややひねった近田流コンセプトを持っているといってよいです。
そして柴矢俊彦の曲作りは当時としてはかなりマニアックです。
イリアさんのギターは、傾向は違いますけど
土屋昌巳的なトリッキーさがあるように感じます。
「SO BLUE」 の作曲は伊秩弘将なんですが
これを森高→SPEEDという流れでとらえることもできますし、
またアップフロントとしてみれば
森高→ハロプロという流れもありますので、
森高千里というのは私の感覚ではかなりキーパースンなんです。
それと 「SO BLUE」 は英語タイトルですので
BLEUでなくBLUEです。(^^)
by lequiche (2023-10-09 01:10)
イリアって、こんなに真面目にギター頑張ってたんだって知りませんでした。ELPの耳コピなんて、凄すぎる〜。しかもちゃんと指弾きしてるし…。貴重な動画をご紹介ありがとうございます。( ^∀^)
あと、意外だったのは近田さんはギター弾かないのね。てっきり全部近田さんが作ってるんだと思ってました。いろいろ認識を改めることが出来ました。「ナミ涙〜」も、うん十年ぶりに改めて聴いたら、なかなかいい曲で泣きそうになりました。流石lequicheさん、いつもながらお目が高いです。
by バク・ハリー (2023-10-09 18:41)
>> バク・ハリー様
西山毅Channelをお聴きいただきありがとうございます。
ELPのコピー、すごいですよね。
しかもレコードを繰り返し聴いてコピーしたとのこと!
もっとも昔は今みたいに楽譜もPCも無いですから
そんなものだったのかもしれません。
私はコピーするときは倍速のあるカセットデッキで
速いスピードで録音してから
スピードを半分に落として繰り返し聴いてコピーしてました。
近田春夫はエキセントリックな感じがしますが
おさえるところはちゃんとおさえている、という人です。
私は最初、近田さんっていうのは音楽評論家だと思っていて
そしたらちゃんと自分で演奏もしていたというのを後で知りました。
ジューシィ自体が一見、コンセプトとして
ギャグっぽいバンドのように見えながら実はそうじゃない!
「なみだ涙のカフェテラス」 はベースラインがキモチいいです。
すごく細かいこと言うと、例えばサビの 「なみだ 涙 ナミダ……」
の繰り返し部分、1回目と3回目の 「なみだ」 の部分だけ
リヴァーブの成分が違っています。ちょっと深くなっていますね。
深いというか、ちょっと遠くなっているというのか……。
この時代にこういうこだわりで作ってたのはすごいと思うんです。
イリアさん、最初はガールズでしたけれど
あれはちょっと黒歴史だったのかなぁ。
でも時代的にはまだ日本のロック黎明期ですから仕方がないですね。
成毛滋のラジオのギター講座で生徒役をやっていたのだそうですが
さすがにその放送は知りませんけど、
それでギターが上達したという面はあると思います。
成毛滋は高橋信之 (高橋幸宏の兄) などと
ザ・フィンガーズというインストゥルメンタルのバンドで
デビューしましたが、友人が《ゼロ戦》というシングル盤を持っていて
聴かせてもらったことがあります。
by lequiche (2023-10-09 23:03)
きのう車で移動中にラジオ聴いていました
松本伊代さんの「悲しくてやりきれない」は良かったですね。
スピッツの「涙がキラリ」の歌詞…
星を待っている二人 切なさにキュッとなる…っていうところが好き♪
by mitu (2023-10-10 07:45)
>> mitu 様
お聴きになりましたか。うれしいです。
松本伊代、意外に上手い!(って失礼ですね)
スピッツって、なんとなく軽い音楽みたいに
思われてしまいがちですけどそうじゃないと思います。
それと私の好みですけど
ジャケット・デザインがカッコイイです。(^^)
by lequiche (2023-10-12 02:01)