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関ジャム〈誰かの事を想って書いた曲特集〉 [音楽]

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さかいゆう

TV朝日・2023年10月15日の《関ジャム 完全燃SHOW》は〈誰かの事を想って書いた曲特集〉で、ゲストは本間昭光、はっとり (マカロニえんぴつ)、さかいゆうの3人。

槇原敬之の〈もう恋なんてしない〉は本間昭光が失恋したときのことを、槇原が聞き取ってアレンジした曲だったというのにもうびっくり。というか、それをあのような曲に仕上げる槇原の才能をあらためて確認する。
タイマーズがモンキーズの〈Daydream Believer〉をカヴァーしたときの歌詞は、清志郎が亡くなった母に宛てて書いたものだったという解説があったがそれは知らなかった。つまり彼女というのは母親だったのであって、それを知るとこの歌詞は余計にせつない。

そしてはっとりが姉の結婚式のために書いたという〈キスをしよう〉をギター弾き語りで披露。これはすごいよね。そんな結婚式があったのなら理想だ。お姉さんはぶっきらぼうに 「よかったよ」 と言っただけだったというがそれはテレでしかないはず。

さかいゆうは山崎まさよしの〈One more time, One more chance〉の歌詞には死生観が漂うみたいなことを語っていたが、まさにその通り。そうそう、この前の歌謡スクランブルの記事で私は 「日本のシンガーソングライターといえば、私の好みではダントツで草野マサムネと槇原敬之」 と書いたが、もうひとり、山崎まさよしを忘れていた。

そしてさかいは番組の最後に、若くして事故で亡くなってしまった友人に向けて書いたという〈君と僕の挽歌〉を歌ったが、そうした事情を知ってから聴くと歌詞の中の 「調子どうですか?」 というのは向こうにいる友人に問いかけている言葉、そして 「こちらはツライこともありますが」 という 「こちら」 はこの世にいる自分のことで、あまりのリアリティと切実さに心が痛む。というかこれはあくまで私事に過ぎないのだが、そのおそろしいまでの喪失感に同期する記憶がよみがえる。
さかいはグランドピアノの弾き語りでこの曲を歌ったが、途中のサビの部分で一個所、不思議なコードがあった。意図して弾いたのかミスタッチなのかがよくわからないが (いや、ミスタッチというのはありえないな)、その突き刺さるようなテンションが強く印象に残った。

さかいゆうのYouTubeチャンネルには数時間前にこの〈君と僕の挽歌〉がupされている。番組内での歌唱とは異なるが、あらかじめ用意してあったのだろう。YouTubeチャンネルのリストには、かまやつひろしの〈ゴロワーズを吸ったことがあるかい〉のカヴァーもupされていてちょっと楽しめる。


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左から 本間昭光、はっとり (マカロニえんぴつ)、さかいゆう
(はっとりinstagramより)


さかいゆう/君と僕の挽歌 (Studio Live version)
https://www.youtube.com/watch?v=gcCByMQ7Uyo

槇原敬之/もう恋なんてしない (MV)
https://www.youtube.com/watch?v=naz0-szzYXk

THE TIMERS/デイ・ドリーム・ビリーバー
https://www.youtube.com/watch?v=HSoKZOg3QEw

山崎まさよし/One more time, One more chance
https://www.youtube.com/watch?v=BqFftJDXii0
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末尾ルコ(アルベール)

さかいゆうはよく聴いてます。彼は高知土佐清水の出身で、そこは漁師町で、さかいゆうの実家も漁業を営んでいたようです。わたしは「高知愛」などという言葉と縁遠い人間で、さかいゆうが高知出身だからではなく、彼の音楽がとても魅力的だから聴いています。
9月にBSフジで『Music Proof~Story of さかいゆう』という番組がありまして、KREVAがさかいゆうをインタヴューする形式でしたが、武部聡志や松任谷正隆らの談話もあり、さかいゆうの才能がいかに優れているかあらためて実感できました。
番組中「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」を歌ってくれて、とてもよかったです。そもそもこの歌、いいですよね。「ジャン・ギャバン」という固有名詞も出てくるし。
同じくBSフジで8月に『輝き続けるキヨシロー』という番組があり、これも実におもしろかった。泉谷しげる、いとうせいこう、大竹しのぶ、木村拓哉、武田真治が清志郎についてトークする形式。清志郎の歌を歌うコーナーもあり、大竹しのぶは「約束」を歌ったのですが、いつもピアフの歌を芝居がかった大仰さで歌唱する彼女が、この曲をいい感じで歌ったのに驚き、好感を持ちました。
泉谷しげるは清志郎が政治的な内容の歌詞を歌っていたことには批判的のようでした。
山崎まさよし、いいですね。槇原敬之はほとんど聴いてこなかったですが、近年再評価されているのも目に入ってきています。この二人も積極的に聴いていこうと思います。    RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2023-10-16 10:25) 

mitu

知らないことがいっぱいある私は幸せ者です
だって、素敵なことをいっぱい知ることができるからです
モンキーズのデイドリームも清志郎さんの歌も大好きです
さらに大好きになりました「ありがとうございます」
 スピッツのジャケットデザインは(・∀・)イイネ!!
by mitu (2023-10-17 06:22) 

lequiche

>> 末尾ルコ(アルベール)様

さかいゆうは高知のご出身なんですか。
それは知りませんでした。
関ジャムには以前からよく出演されていましたので
注目していたのですが、
今回の放送での歌唱はそれが全開になったような感じでした。
大江千里はジャズのほうに行ってしまいましたが
さかいゆうはジャズ的なテイストなども持ちながら、
あくまでポップスがルーツというポジションを維持しているのが
すぐれていると思います。

〈ゴロワーズ……〉は是非、オリジナルの
かまやつひろしを聴いてみてください。
画質が非常に悪いですが。
https://www.youtube.com/watch?v=O_Nndq74LEE

かまやつひろしの楽曲のなかでは
私は〈ノー・ノー・ボーイ〉が好きです。
スパイダースのオリジナル・ヴァージョンでなく、
《釜田質店》というアルバムに収録されている
セルフカヴァーが良いと思います。これの12曲目です。
https://www.youtube.com/watch?v=Jz9GQEIdmOI

槇原敬之にも良い曲がたくさんありますが
私は持田香織とのデュエットの〈冬がはじまるよ〉
が好きです。
ELTヴァージョンでは槇原はほとんど影のコーラスですが
2人で対等に歌っている動画があります。
https://www.youtube.com/watch?v=IURDs0cbVWM

参考:オリジナルのELTヴァージョン
https://www.youtube.com/watch?v=d-iuxG8hI-g
by lequiche (2023-10-18 03:30) 

lequiche

>> mitu 様

モンキーズはデイドリーム・ビリーヴァーも良いですが
The Monkees/Daydream Believer (Official Music Video)
https://www.youtube.com/watch?v=xvqeSJlgaNk

デビュー曲の
恋の終列車 (ラストトレイン・トゥー・クラークスヴィル)
もなかなか良いです。
The MonkeesLast Train To Clarksville
https://www.youtube.com/watch?v=ZcXpKiY2MXE

自然に結成されたグループではないので
キワモノ的にも見られたようですがそんなことはないです。
この頃のヒットチューンは明るくて純粋な音楽の心がありますね。
by lequiche (2023-10-18 03:30)