It’s only a game — アレキサンダー・マックイーンのこと [ファッション]
今年の秋冬が出てくる時期になって、Alexander McQueenのサイトにも画像が載っている。bisブランドであるMcQのショーは2月20日で、すでにネット上にリポートがあるが、シックな色づかいで 「使える」 風なデザインである。
そして本家マックイーンはまだプリコレクションという画像しかないが、色は黒が主体で、黒とボルドーの組み合わせをメインとし、そしてコルセット状のベルトがアクセントになっている。
アレキサンダー・マックイーンの名前は昨年のウィリアム王子の結婚式でキャサリン妃が着たドレスということでより有名になった。でもこのデザインをしたのはサラ・バートンである。
アレキサンダー・マックイーンは2010年に突然のように亡くなった。不幸な死である。その作品はいつも刺激的であり、ファッションショーのためだけの作品というような言い方もされたが、デザインとテクニックが両立している稀有な例だったと思う。同様に刺激的だったのがディオールのジョン・ガリアーノだったが、彼も同様にシーンから遠ざかってしまっている。
サラ・バートンはマックイーンの片腕であり、マックイーン亡き後、見事にブランドを引き継いだ。引き継いで昨年あたりまでのコレクションは、それなりにマックイーンのテイストが残っていたが、今年のコレクションはもう完全にサラ・バートンである。それは仕方のないことかもしれない。
It’s only a gameは2005SSのタイトルである。それは不思議の国のアリス。最も高級なコスプレ。人生もまた単なるゲームに過ぎないのだろうか。
ブランド名は創始者亡き後も引き継がれていくことはある。たとえばシャネルとかディオールがそうである。アレキサンダー・マックイーンもそのようにして残っていく名前なのだろうか。私はアレキサンダー・マックイーンは彼ひとりだけのブランドだったのだと思う。彼の死とともにブランドも死んだのだ。だからそのうち、アレキサンダー・マックイーンというブランド名は無くなってサラ・バートンになるかもしれない。それでもいいのではないだろうか。
明日はアレキサンダー・マックイーンのお葬式から2年目の日だ。
http://www.alexandermcqueen.com/
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