関ジャムの夜 [音楽]
関ジャニ∞の番組《関ジャム 完全燃SHOW》が毎回とても楽しい。夜の時間帯なので自由なつくりができるのだろうが、今あるTVの音楽番組のなかではダントツです。
KInKi Kidsの《LOVE LOVE あいしてる》から《堂本兄弟》を経て《新堂本兄弟》という長いシリーズ番組も、トークの後にゲストとのセッションというかたちだったが、KinKiのアマチュア混成チームと違って関ジャニ∞はプロなので、同じようにセッションをしてもそのクォリティがとても高い。
7月3日の回を録画で観ていた。ゲストはドリカムの中村正人で、吉田美和がいないことをいいことに暴露話あれこれと曲作りの過程を話すのだが、吉田の曲作りについて ｢おりてくる｣ という表現を使っていて、ちょっと納得。松任谷由実からも同じような表現を聞いたことがあるし、槇原敬之の〈世界に一つだけの花〉だって、ごく短時間でできたものらしい。(ちなみに私の一番好きなマッキー曲は〈モンタージュ〉です。どうでもいいですけど)
吉田のインスピレーションを中村がいかにうまく構成して曲として完成させていくか、ということもよくわかる。ユーミン/松任谷正隆のコンビも似たようなパターンなのかもしれない。
しかし、挿入される吉田美和の歌唱の動画は皆ライヴなのだけれど、ライヴなのにあの全く崩れない歌は何なんだといつも思ってしまう。曲作りもすごいんだけれど、それより歌手としてのテクニックのほうがもっとモンスターである。
コブコロの回 (6月12日) でも、最近は曲づくりの過程での話とかが多くて、コード進行がどうのこうのというような、少しだけ専門的な部分もあったりするのだけれど、でもマニアックではなくて、そのバランス感覚が素晴らしい。
小渕が ｢これだとありきたりだよねぇ｣ と、違うコードとかメロディで実例を示されると確かにその通りなのだが、楽曲が完成形になるまでの試行錯誤というのは大変なんだろうなぁと思う。
いつの回でも、関ジャニ∞のメンバーがゲストの曲をよく知っているので、上滑りの話題にならないのに感心する。
専門的なことでというのなら一番面白かったのがその前回 (6月5日) の蔦谷好位置とヒャダインをゲストに迎えたときで、音楽プロデューサーって何？ というテーマの下に、2人の曲づくりとプロデュースの実例のトークになったのだが、これがメチャメチャマニアックで、画面の下側にやたらコードネームなど出てくるし、ある意味、なかなか勉強にもなります。もっともこういうTVからの知識ってクイズ番組の回答と同じで、すぐに忘れちゃうことだから身には付かない知識なのだけれど。
吉川晃司 (5月15日) は齢を重ねるにつれ外見的にコワモテっぽい感じになってしまったけれど、音楽に対する姿勢はずっと揺るがないように思える。昔、まだ吉川がアイドル系っぽい扱いをされていた頃、音響系の新製品フェアの会場で機材/ソフトウェアの解説のサンプルとして彼の歌が使われたときがあった。会場からは ｢え～っ、吉川？｣ みたいなバカにした反応があったのだが、マルチトラックの各楽器を単独でプレイバックし、当然、歌だけのトラックでも音が出されたのだが、アカペラになった吉川の歌を聴いたら、皆黙ってしまった。あきらかに歌がうまかったからである。
音楽ってラフなようにみえて、細かいところの積み重ねで最後の様相ががらっと変わるものなのだ。
そして《関ジャム》は番組最後のゲストとのセッションがいつもすごい。ジャニーズのなかでは、たぶん楽器の演奏能力は関ジャニ∞が一番高いんじゃないかと感じます。
といっても、毎週だから、まぁまぁ及第点みたいな回がないわけでもないけれど、ときどき、すげーっ！ っていうような歌と演奏があるのでそれを楽しみにいつも観ているわけです。たぶん出来不出来の差は、メンバーの入れ込み具合によるのでしょう。
たとえばCDの売り上げが激減しているとか、音楽市場自体が沈下しているという話も聞くし、TVの音楽番組だって無くなっているといえば無くなっているけど、でもそれは音楽というジャンルが普遍的に拡散拡大しているだけで決して滅びていくわけではないと思う。
本を読むことが禁止された世界という設定のSFはあったけれど、音楽を聴くことが禁止された世界のSFってあっただろうか？ でもSFの虚構でなく現実に、自由に本を読むことや音楽を聴くことが制限されている国は残念ながら存在するし、着るものや食べ物を規制されている国や宗教だってある。
音楽は抽象的な一面もあるゆえに、かえってその抽象性が狭量な為政者から危険視されるのだろうか。それは全く見当外れでもあるし、同時に全くその通りだとも言えるのである。
関ジャム 2016年6月26日
https://www.youtube.com/watch?v=GxXCRbS3gmw
＞ それは全く見当外れでもあるし、同時に全くその通りだとも言 えるのである。
なるほど！そして狭量なるがゆえに、理解できないものを怖れ、「あってはならないもの」と規定し、その規定が逆に音楽の力を増してしまう場合も多い・・・。
それにしてもこのところ毎日暑過ぎ、なぜかしらＳＦ小説を読みたい気分になっています。（笑） ＲＵＫＯ
by 末尾ルコ（アルベール） (2016-07-06 07:43)
関ジャニ良いよね！
ジャニーズもいろんなグループがあって幅が広がっていいね！＾＾
今日もすごく暑い！
陰に入ると・・少し涼しいのが救いやね。＾＾；
by hatumi30331 (2016-07-06 13:39)
本当に幅広いのに驚きです
今回は、ドリカム吉田美和と松任谷由実、槇原敬
このあたりで反応できました。好きですが語れるものはありません
そしていつも、ありがとうございます。
お礼を言いたいのに、なかなかなのですよ<(_ _)>
by majyo (2016-07-06 20:59)
映画「フットルース」は、
町全体で“ロック”が禁止されていましたね。
不良の音楽だから、と。
SFではなく、青春物ですが。
音楽全般禁止というのは
記憶にないのですが、
もう少し考えてみます＾＾；
by 青山実花 (2016-07-06 23:45)
<おりてくる･･･降臨っていう感覚でしょうか。
吉川晃司の変遷を読んでいて「原田真二」を思い浮かべて
しまいました。
彼もデビュー当時はルックスからアイドル扱いされましたが
いわゆるシンガーソングライターとして高い音楽性を主張
し続けていました。
数年前、彼のコンサートを聴いたのですが、当時を自虐的に
振り返っていて好感が持てました。
by NO14Ruggerman (2016-07-07 00:56)
>> 末尾ルコ（アルベール）様
そうしたことの最も典型的な例がショスタコーヴィチですね。
｢理解できないこと＝悪｣ という公式が常にあるんだと思います。
暑さしのぎのSFですか？
それだったら重くなくて楽しいのがいいですね。
スペースオペラとか。
最近そういう能天気なのがあまり無いのが残念ですけど。(^^)
by lequiche (2016-07-07 02:22)
>> hatumi30331 様
でも月曜日には突然の驟雨に会い、ずぶ濡れになってしまいました。
日照りでも雨でも全身が濡れてしまうのは同じですが。(^^;)
関ジャニ∞は、関西系というのが
ちょっと違ったテイストになるんだと思います。
今のアイドルっぽいんですが、なんとなく古風な面も感じたり、
そこが惹かれる要素なのかもしれません。
by lequiche (2016-07-07 02:22)
>> majyo 様
いえいえ、単なるTV番組の感想ですから。
ドリカムは1枚もCD持ってないので、あまりよく知りません。
でも吉田美和の歌がすごいのはわかります。
音楽には貴賤がないんです。
お金持ちだからよい音楽が作れるということはないし、
逆もまたそうです。
ただ、現代はすべて経済性が尺度になっているので、
売れれば良いもの、売れないのは悪いものという価値観です。
それは違うと私は思っています。
by lequiche (2016-07-07 02:23)
>> 青山実花様
おー、そうなんですか。
フットルース、曲は知っていますが映画は観ていません。
不良の音楽というのが時代を感じさせていいですね。
禁書とか禁酒というような物体に対しての禁止と違って、
歌/音楽というのは人間の身体から発するものですから、
禁止することはむずかしいと思うんです。
そうした仮定は一種の比喩として、
つまり抑圧の象徴として見ることができますね。
by lequiche (2016-07-07 02:23)
>> NO14Ruggerman 様
たぶん、降臨ですね。
自分が作っているのではなく何者かに作らされている感覚、
というふうによく聞きます。
原田真二は、まだ活動されているんですね。
まだ、とか言ったら失礼ですが。
自分の思惑と異なった部分で売り出さなければならないこととか、
音楽ビジネスとして考えるのなら仕方がないですが、
まぁでも、どんな世界でも自分の思うようにできる人は
ごく一握りなんだとは思います。
by lequiche (2016-07-07 02:23)
関ジャニ∞
一応知ってるけどね。
最近やっとメンバーの顔と名前が分かるようになった（^^;
by えーちゃん (2016-07-07 15:09)
>> えーちゃん様
おぉ、それは素晴らしいですね。
私は名前がわからないときは、笑ってゴマカします。
または ｢そうそう、彼はいいよね〜｣ とか。(^^)
by lequiche (2016-07-08 03:36)