SSブログ

〈六本木心中〉の北島健二 [音楽]

KenjiKitajima_220817.jpg
北島健二

〈六本木心中〉は1984年のアン・ルイスによるヒット曲である。作詞・湯川れい子、作曲・NOBODYで、歌謡曲であるがロック・テイスト満載の作品。
この曲ではイントロのキーボードにかぶせて入って来るギターなど、印象的なギターを聴くことができるが、それを弾いているのが北島健二である。

西山毅 Official ChannelというYouTubeのサイトに〈昭和の名ギターソロ探訪!「六本木心中」 講師:北島健二〉という動画がupされたのを見つけた。これが超絶面白くて何度も観てしまった (念のため注記しておくと西山毅は元HOUND DOGのギタリストである)。

正確にいうと〈六本木心中〉でバッキングのギターを弾いているのは鳥山雄司で、ソロの部分のみが北島健二なのだそうである。
動画の前半部分は2人のトークによる解説になっていて、後半の14’32”から実際に北島健二がソロ部分を再現して弾いている。1st (14’32”〜) はイントロ、2nd (15’02”〜) は中間部の音数の少ないいわゆる 「泣きのギター」 (クリックのかわりとしてハイハットが鳴っているが原曲ではドラムはブレイク)、そして3rd (15’45”〜) は長尺ソロの部分でやや難易度が高い。
YouTubeで〈六本木心中〉のライヴ演奏など、ざっと観てみたがそれらは皆、他のギタリストが演奏していて、当然だが北島健二が弾いている動画は無い。だが誰もが北島のソロを元にしたコピーないしはそのヴァリエーションで弾いている。

北島の演奏はオリジナルらしくクリアで美しいが、ソロを弾くにあたって吟味されたメロディラインが形成されているのがよくわかる。あたりまえだがアドリブで適当に弾いているわけではないのだ。だから何十年経っても再現可能なのである。
西山がこだわっているのは、北島が、ある部分をどのポジションで弾いているかということである。ギターは同じ音の出る箇所が複数にあるが、どのポジションを使うかによって音は微妙に異なる。そのこだわりがさすがだと思わせる。
そして2人のセッションになると、西山は北島のプレイ傾向に絶妙に合わせていて、エレキギター版の坂崎幸之助か、と思ってしまうほどだ。

〈虚ろなリアル〉は以前の田村直美/PEARLの記事にも繰り返しリンクした演奏だが (→Depend on you — 田村直美、2021年04月15日ブログ)、この曲の北島のソロ部分 (2’05”〜) はオリジナルの《PEARL》(1997) のスタジオ・レコーディングに近くて、この曲のライヴ映像の中では最もタイトですぐれているように聞こえる。テイストとしては〈六本木心中〉の2ndソロに近い雰囲気がある。渋谷公会堂のライヴは全体がやや重たく感じてしまう。

最近の若いリスナーはギターソロの部分だけを飛ばして聴くとのことなので、逆に歌の部分は飛ばしてギターソロだけに話題を絞ってみました。


西山毅 Official Channel
昭和の名ギターソロ探訪!「六本木心中」 講師:北島健二
https://www.youtube.com/watch?v=hc88Mvn8OkA

アン・ルイス/六本木心中
https://www.youtube.com/watch?v=C3PNWPEOnm8

PEARL/虚ろなリアル ~Lay your hands on me, baby~
https://www.youtube.com/watch?v=GQHKpxpg2kg
nice!(70)  コメント(4) 
共通テーマ:音楽