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CHVRCHES《Screen Violence》 [音楽]

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CHVRCHES

この前、発見した古書店で今日、雑然と積み重なった音楽雑誌などを掘り起こしていたのだが、そこはいかにも昔の古書店風で、未整理なのか整理するほどのものではないものが放置されているのか、そのたたずまいがタイムトリップしたような気分になるのだけれど、その間ずっとビョークが流れていて、でもこれは聴いたことがない、なんか違うんだけどでもとってもビョークという曲ばかりで、店員さんに聴いてみたらリミックスなのだという。あまたのリミックス。そして、これってつまりビョーク沼なのだと突然気付いた。古い音楽雑誌と昔のフンデルトワッサーの展覧会カタログを買って帰ってきた。

でもビョークのことはとりあえず置いといて、CHVRCHESのニューアルバム《Screen Violence》がもうすぐ発売とのこと。先行シングルとしての〈He Said She Said〉に続き、ロバート・スミスをフィーチャーした〈How Not to Drown〉、そして〈Good Girls〉をYouTubeで観ることができる。

〈He Said She Said〉というタイトルはビートルズの〈She Said She Said〉を意識しているのだと思うが、〈How Not to Drown〉はグリーンを基調としたウェットなイメージの画像で、それはこの今のパンデミックの世界を経て来た影響が多分にあるように感じる。あるいはそれはJ・G・バラードの《Drowned World》を抽象的に連想させる濡れた世界でもある。もっともマドンナにも〈Drowned World / Substitute for Love〉という楽曲があるが、マドンナがバラードの小説を念頭においていたのかどうかはわからないし、それよりももっとダイレクトな、つまりパンデミックの不潔さと不自由さをチャーチズの動画から連想してしまうのは、延々と続き果てることがないのではないかと危惧してしまうようなこの世界の宿痾のせいである。

一転して〈Good Girls〉はブルーを基調としていて、いつものチャーチズっぽく、でもどこまでも崩れて変形して行く今の時代を暗示している動画だ。これはメタモルフォーゼへの願望であり、というよりむしろ強制的に変容を迫られ制約だらけの縛りに苛まれている現代のメタファーなのかもしれず、あるいは疫禍のもとが次々に変異していくさまの抽象でもあるのではないかと私はとらえている。

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CHVRCHES/Screen Violence (Goodbye Records)
Screen Violence [解説・歌詞対訳付 / ボーナストラック収録 / 国内盤] (BRC673)




CHVRCHES/He Said She Said
https://www.youtube.com/watch?v=fyyiJc0Wk2M

CHVRCHES, Robert Smith/How Not to Drown
https://www.youtube.com/watch?v=7U_LhzgwJ4U

CHVRCHES/Good Girls
https://www.youtube.com/watch?v=du4kNAyjVCg

Björk/Crystalline (Omar Souleyman Remix)
https://www.youtube.com/watch?v=3vEjKrP6tOs
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