SSブログ

チョン・キョンファのヴィヴァルディ [音楽]

KyungWhaChung_1970_220131.jpg
Kyung Wha Chung (1970)

レコード店でチョン・キョンファのヴィヴァルディ《四季》のアナログ盤を見かけたので衝動的に買ってしまった。最近、彼女のアナログ盤は180gのいわゆる重量盤仕様で再発されているのだが、ちょっと油断しているとすぐに売り切れてしまう。ヴィヴァルディは発売されたばかりのようだし、それにヴィヴァルディだしなぁという迷いもあったが、とりあえずおさえておく。

1stのシベリウスの再発である重量盤はもちろんすぐになくなってしまったようだ。私はオリジナル・デッカを持っているがなぜかあまり音が良くないような気がするので、昨年発売の再プレス盤が欲しかったのだが後の祭りである。

チョンはジュリアードの教師からあまり早くデビューするのはよくないと言われ、シゲティの下で研鑽を積んでからの最初のアルバムが1970年のシベリウスなのであるが (正確にいえばチャイコフスキー/シベリウスのカップリング)、その頃の公開放送の動画を見つけた。これは私が今まで知らなかった動画で、でも既視感があるようにも思えるし何ともいえない。彼女は22歳、サラサーテの小曲であるが、自信満々で弾いていて最後のキメの音をちょっと外してしまうのが可笑しい。
この放送で演奏されたフランクもリンクしておく。ソナタの最終楽章であるがフランクフリークな私の感覚のなかではほぼ完璧な演奏だと思う。ピアニストもスクエアで素晴らしい。

私が好きなのは以前にも書いたサン=サーンスの3番のアルバムであるが (というか私のこのブログにおけるヴァイオリン奏者の話題では、チョン・キョンファについての記事がきっと一番多いのではないかと思う)、このパッショネイトさはサン=サーンスのややだるいオーケストレーションをものともせず、リスナーを自分の思うように引き寄せてしまうようなパワーがある (サン=サーンス3番の裏はヴュータンの5番。ヴュータンへの私の偏愛についてはすでに書いた)。

街の中は日曜日の夕方から夜ということもあってか、やや人出が少ないように感じられた。この2年間、鬱陶しい日々がずっと続いていて、実は音楽も読書も、私はそれらにまともに対峙していなくてすべてが投げやりで手抜きで書いてきたように思える。この宿痾の季節はいつ終わるのだろうか。普通の春と夏と秋と冬がめぐってくることを静かに待ち望むばかりである。


Kyung Wha Chung/Vivaldi: The Four Seasons
(Warner Classics) [アナログ盤]
Vivaldi: The Four Seasons (Vinyl) [Analog]




Kyung Wha Chung plays Sarasate Caprice Basque Op.24
(1970)
https://www.youtube.com/watch?v=jbXiRhPXiMc

Kyung Wha Chung plays Franck Violin Sonata (Mov 4)
https://www.youtube.com/watch?v=982dQ44Nz9g

Kyung Wha Chung/Saint-Saëns: Violin Concerto No.3 in B minor, Op.61
3. Molto moderato e maestoso (1976)
https://www.youtube.com/watch?v=GuhLYrUtqeM

Kyung Wha Chung/Vivaldi: The Four Seasons, Violin Concerto
in F Minor, Op. 8 No. 4, RV 297 "Winter": I. Allegro non molto
(2001)
https://www.youtube.com/watch?v=A1bFIH7I8Do

Kyung Wha Chung/Bach: Sonata No.1 g-moll BWV1001 Adagio
(2016?)
https://www.youtube.com/watch?v=UOlXbmYhb_8
nice!(65)  コメント(4) 
共通テーマ:音楽