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My Bloody Valentine《Loveless》 [音楽]

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SonicMania 2018より

レコードショップに行ったら壁面のフォルダーに《Loveless》のLPが何枚もずらりと飾ってあって、思わず手にとって、そのずっしり感に惹かれて買ってしまった。
マイブラの《Loveless》を最初に買ったのはたぶんオリジナル盤ではないけれどレコードで、その後もCDは3種類くらい買ったはずなので、今回の《Loveless》は5枚目ということになる。私にとって《Loveless》は特別なのだ。

『別冊ele-king』の 「マイ・ブラッディ・ヴァレンタインの世界」 では《Loveless》のアルバム評を杉田元一が書いている。冒頭の部分で、過去に彼はFM雑誌の編集をしていたこと、その頃はFM放送からカセット録音をすることが全盛だったことなどが書かれていて、この前、私が話題にした『FMステーション』の話と同じで、その頃のエアチェックがとても重要だったことをあらためて知ることになる。

杉田はその後、クラシック音楽雑誌の編集者となるが、その編集方針になじめず、無理して現代音楽特集をして当時、名前の出てきたアルヴォ・ペルトやシュニトケ、そしてスペースメン3とラ・モンテ・ヤングのドローンのことなどを取り上げてそこを辞め、ポピュラー音楽雑誌に移った。そこで出会ったのが試聴用としてレコード会社から送られてきた《Loveless》であり、その音に衝撃を受けたのだという。カセットを繰り返し聴いたというところにその当時の時間のリアリティが感じられる。

現在の杉田元一はレコーディグ・プロデューサーで、前橋汀子のバッハの無伴奏や小菅優のベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集にかかわっているが、その小菅優と作曲家・藤倉大との鼎談がネットにあって、録音に関しての話がちょっと面白い。
小菅優は藤倉のピアノ協奏曲第3番〈インパルス〉の演奏者であり、藤倉は小菅が演奏することを想定して書いたのだと語っている。ちなみに第2番〈ダイヤモンド・ダスト〉はメイ・イ・フーの録音で同名アルバムに収録されているが、メイ・イ・フーについては過去に少しだけ書いた (→2014年12月22日ブログ)。藤倉とのレッスン風景動画を再リンクしておく。

さて、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインの話題に戻るが、『別冊ele-king』の特集はかなり深くて詠みごたえがある。杉田元一はマイブラの2013年来日時にずっと同行していたとのことだが、マイブラといえば2018年のライヴにおける終曲〈You Made Me Realise〉の轟音演奏がシューゲの到達点 (なのだろうか?) として有名である。もっともいきなりこれだけ聞かされたらなんだかわからないし、きっと腹を立ててしまう人もいるのではないかとも思う。


My Bloody Valentine/Loveless (Beat Records)
(これはCDです)
loveless (Amazon限定マグネット封入) [解説書付 / 高音質UHQCD仕様 / CD1:リマスター音源 CD2: 1/2インチ・アナログテープからマスタリングされた音源 / 国内盤 / 2CD] (BRC667)




別冊ele-king マイ・ブラッディ・ヴァレンタインの世界
(Pヴァイン)
別冊ele-king マイ・ブラッディ・ヴァレンタインの世界 (ele-king books)




Yu Kosuge Piano Recital/Four Elements Vol.4 Earth
Sumitomolife Izumi Hall
https://www.youtube.com/watch?v=Gqz-HL6IkBY

Dai Fujikura/Piano Etude I “Frozen Heat”
https://www.youtube.com/watch?v=-xwjS8mi8Qo

My Bloody Valentine/You Made Me Realise
Summer Sonic Extra 180815
https://www.youtube.com/watch?v=v543u913x40

My Bloody Valentine/To Hear Knows When
フジロック2108
https://www.youtube.com/watch?v=bmV94kFnQuc

小菅優、藤倉大、杉田元一鼎談
https://daifujikura.com/withyukosugesugitafujikura_1.html
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